#81 行政書士試験に合格するために(匂わせ編)
今回は、行政書士試験の「匂わせ」に
ついて書いてみました。
親族のAランクからの出題…
平成27年の行政書士試験の記述は、
「嫡出否認の訴え」が出題されました。
【問題】
A:夫
B:妻
C:ABの子?
男性:Bの交際相手
ABが婚姻して3年後にCを懐胎。
その頃からABは不仲だったため別居。
その後、Cを出生したが、協議離婚が成立。
Aは離婚後に、Bが他の男性と別居前から
交際していたことを知り、Cが
自分の子ではないのかもしれないと思った。
このときAは、どのような法的手段を
取るべきか?
【解答】
民法775条、777条に沿った
記述をすれば正解。
改正点は出題されがちです…
Aが訴える相手(被告)は、775条によると
「子又は親権を行う母」なので、
「CまたはB」となります。
Aが何の訴えをするべきなのかは、
775条の「嫡出否認の訴え」になります。
後述します。
Aの提訴期間については、777条のとおり、
父が子の出生を知った時から
3年以内になります。
平成27年当時の試験では、
民法改正前のため、父が子の出生を
知った時から1年以内でしたが、
現在では、3年以内に変更されています。
まとめ
「推定される嫡出子」では、
記述にしても、択一にしても
「嫡出否認の訴え」なのか、
「親子関係不存在の訴え」あるいは
「父を定める訴え」なのかが問われます。
今回の問題の場合、別居中とはいえ、
婚姻中の懐胎なので、嫡出否認の訴えに
なるようです。
YouTube等の解説動画を見ていると、
一定数、「父を定める訴え」を書いた
受験生の方もいらっしゃったようです。
*推定される嫡出子の条件が整っている
時点で、「父を定める訴え」になる
可能性はありません。
受験生に対し、出題者側が、解答欄に
「親子関係不存在の訴え」を
書かせたい場合には、
「夫による懐胎が不可能な場合」を、
「父を定める訴え」を書かせたい場合には、
「二重の推定が及ぶ場合」を
問題文に載せるようにするはずです。
いわゆる「匂わせ」です。
「匂わせ」があれば、
それに乗っからなければならないですし、
「匂わせ」がないのであれば、
「親子関係不存在の訴え」について、
書いてしまってはいけないのです。
ノリのいい受験生になるだけで、
記述での点数が上がります。
試験中だけでも、自分の性格くらいは
変えられるようにしたいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?