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#109 行政書士試験に合格するために【存在しない条文編】

今回は、行政書士試験の行政手続法
(不利益処分の標準処理期間)に
ついて書いてみたいと思います。


一旦戻る…

(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 不利益処分 行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、又はその権利を制限する処分をいう。ただし、次のいずれかに該当するものを除く。
 事実上の行為及び事実上の行為をするに当たりその範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされている手続としての処分
 申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
 名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
 許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

「不利益処分」の定義は、行政手続法
2条4項に書かれています。

不利益処分の通則については12条から
書かれているので、一旦戻って確認する
必要があります。

「申請により求められた許認可等を
拒否する処分」とは「申請拒否処分」の
ことです。

この申請拒否処分は不利益処分ではない
ということ、不利益処分ではないので、
意見陳述のための手続きをとる必要はない
という所がポイントになります。

イの「事実上の行為」や
ハの「同意がある不利益処分」、
ニの「届出の理由がある処分」は、
C(D)ランクです。


具体的にすることは法的義務…

(処分の基準)
第12条 行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。
 行政庁は、処分基準を定めるに当たっては、不利益処分の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。

行政手続法12条では
「不利益処分」について書かれています。

12条で「不利益処分基準」と
書かれていれば、受験生としては、
勉強しやすいのですが、
ここで「処分基準」と書かれているため
初学者からすると「申請に対する処分」や
「意見陳述のための手続」との整理が
つきにくくなります。

処分基準を定めること
=「処分基準の設定」は努力義務

審査基準を定めること
=「審査基準の設定」は法的義務


存在しない…

(標準処理期間)
第6条 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

6条の通り、「申請に対する処分」の
標準処理期間を定めることは努力義務
なので、不利益処分の標準処理期間は
法的義務なのか努力義務なのか気になる
ところですが、
「不利益処分の標準処理期間」
というものは存在しません。

一般的な参考書には、書かれていません。

受験生としては、1つずつ説明して欲しい所
ですが、存在していない条文について
説明する、という行為なので、書かれて
いなくても当然と言えば当然のことです。


まとめ

肢別を繰り返し解くこと、参考書を読み返す
こと、条文の素読、模試を解き解説を
読むこと…どれも大切なことです。

これらをただ漫然とこなすのと、
不利益処分の標準処理期間について書かれて
いないけど、どうしてだろうと思いながら
学習するのとでは、知識の理解や定着に
差が出ると思います。

理解をせず暗記をしても、少しひねられた
問題を出題されたときに、対応することが
出来なくなります。

深く学習し過ぎる必要はありませんが、
自分なりに理解や整理をしながら暗記を
することが大切です。



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