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ワイルドなのに甘えっ子!甲斐犬と暮らす楽しみとは #いい部屋ペット

柴犬と同じ日本犬の「甲斐犬」を知っていますか?虎毛なのでコワモテに見えますが、親しくなればつぶらな瞳でじーっと見つめてくれるかわいいところもあります。「目は口ほどに物を言う」ということわざを体現しているような犬種でしょう。

筆者の私は甲斐犬と暮らすフリーランスのライターです。音楽業界で働く会社員だったときに甲斐犬を迎えて犬に夢中になり、ペット雑誌の編集部へ転職!そのまま走り続けて動物を専門とするライターにまでなってしまいました。私の人生を犬まみれに変えた甲斐犬の魅力や、犬とお出かけを楽しむ日々をお伝えしましょう。

コワモテだけど、心を許した人には甘えっ子に変身!

私は今までに2頭のオスの甲斐犬と暮らしてきました。愛読する『北斗の拳』の登場人物にちなんで、初代をジュウザ、2代目をサウザーと命名。この2頭の愛犬たちのことを中心に紹介します。

甲斐犬の外貌は「虎毛」と呼ばれる黒と茶の混じった毛色が特徴です。柴犬よりやや大きい体格で、山岳地帯の猟犬らしく俊敏でワイルド。日本犬の中でも古くから「一代一主の忠犬」と呼ばれているのは、飼い主に寄せる思いが強いからではないかと思っています。つまり、心を許した人には甘えっ子になっちゃうんです。これぞ「ギャップ萌え」でしょう。

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山梨県の山岳地帯で活躍した猟犬がルーツ(撮影=佐藤正之)

吠えたり鳴いたりすることの少ない寡黙なタイプですが、つぶらな瞳はとてもおしゃべり。喜怒哀楽の感情に加えて、「食べたい」「遊びたい」「やめろ」「早く寝ろ」とさまざまな気持ちを伝えてくれます。全身で気持ちをアピールするトイ・プードルのようなタイプとはまた違うかわいさ。甘えっ子ですが、ひとりの時間も楽しんでくれるところも魅力です。

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ジュウザはドヤ顔で靴下を持ってくるのが得意だった

甲斐犬のように自立心が強い犬には、共に暮らすためのしつけが大切!指示に従わせるトレーニングよりも、まずは飼い主にとって良い行動をしっかりほめて、困る行動をさせないように教えましょう。オスは特におだてに弱い気がします。サウザーへの最上級のほめ言葉は「すばらサーちゃん!」。人前でペットをほめ称えることが恥ずかしくなくなるのは“飼い主あるある”です。

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走り寄ってくるときの笑顔が最高!

私の人生を変えた愛犬と、運命的じゃない出会い

私が犬を迎えたきっかけは、実家を出て一人暮らしを始めようと思ったこと。「犬がいたら楽しそう」と考えて甲斐犬を迎えることにしました。頼もしい風貌なので番犬にもなることを期待。なによりも「一代一主の忠犬」なんてかっこいい!

私の人生を変えた愛犬たちとの出会いは、別に運命的ではありません。甲斐犬専門犬舎に行ったら生後1カ月の子犬が4頭いました。最初に寄ってきた子犬に決めるつもりで「おいで!」と呼んだら、蜘蛛の子を散らすように逃げていったからです。笑顔で固まる私をよそに、犬舎のおじいさんが「コイツがいいだろう」と捕まえた子犬がジュウザです。ドラマもロマンもなし。

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ジュウザは人見知りかと思ったら、やんちゃに成長した

それでも念願の甲斐犬。私は「忠臣は二君に仕えず」という武士のような犬を想像してワクワク。でも自分がその忠義に値するかどうかを考えていませんでした。最初は私も悩める飼い主の一人。早い段階で甲斐犬に詳しいドッグトレーナーに相談できたのはラッキーでした。犬の特性や生態についてもっと知りたくなり、ペット雑誌の出版社へ転職。そこから犬まみれの日々が始まったのです。

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サウザーはフレンドリーで穏やかなタイプ

2代目のサウザーは、ジュウザを看取った後に迎えました。別の甲斐犬専門犬舎のおじいさんから「子犬を選んでおいたから取りにおいで」と連絡があったからです。まさか2頭連続でおじいさんが選ぶことになるとは!むしろドラマチックでロマンチックかもしれません。

犬のおかげでご近所付き合いができる

現在はサウザーとペット可の賃貸物件に住んでいます。一人暮らしはご近所付き合いが難しいともいわれますが、ペットが会話のきっかけをつくってくれます。特に犬は散歩に出かけるので、近隣に顔見知りができやすいのがメリット!連絡先を交換しておけば、災害時などに助け合うこともできるでしょう。

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仲良くなった近所の犬友達と貸し切りドッグランへ

私が住んでいる物件の住人もペットを飼っていることがきっかけで親しくなり、LINEグループもつくっています。私の留守中にサウザーが吠えているのを心配して連絡をくれたことも。逆に住人が出張に出かけるとき、私が鍵を預かってペットの世話をしたこともありました。隣同士で助け合いができるのは心強いことでした。

ご近所付き合いに加えて、地域で信頼できる動物病院、ドッグトレーナー、ペットホテルも確保しておきましょう。これらの大切さは一人暮らしに限りません。すべての飼い主さんが備えておくべきです!

バスツアーや雪遊びにも一緒にお出かけ!

犬は旅行にも一緒に出かけやすいので、私は犬連れバスツアー、山歩き、雪遊びなども楽しんでいます。サウザーは子犬のころからキャリーバッグやクレートに入れていたので、中に入っても落ち着けるようです。自動車がなくても公共交通機関やバスツアーを利用してお出かけを楽しみましょう。

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サウザーはいちご狩り以来、果物が大好きに!

サウザーと初めてのお出かけは、いちご狩りバスツアー!犬も座席に座れるツアーでしたが、身一つで乗り物に乗ったことがなかったサウザーは車酔い……。慣れるまで30分くらいかかったので、最初はエンジンの振動が伝わりにくい座席を選んだほうがよかったかも。農園に着いたら張り切っていちご狩りに参加し、夢中で食べ比べをしていました。

高尾山や御岳山は犬もケーブルカーに乗れるので、中腹まで一気に移動できるのが便利。夏はサウザーと涼しい山中をゆっくり歩きながら森林浴。頂上での写真も記念になります。犬連れ登山は排泄物の処理をしっかりと。寄生虫や野生動物から病気が感染することもあるので、予防対策を行うことも重要です。

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生き生きを通り越して野生に還るジュウザ

雪遊びのときは、友達と小型観光バスを貸し切ってお出かけ。座席表を決めたりして気分は修学旅行です。長距離のトレッキングでは、サウザーが野生動物のにおいを嗅いで猟犬ごっこを楽しみました。お出かけのときは気分がゆるみますが、リードを持つ手はゆるめないように注意!外出自粛中は貸し切りドッグランへ。自然の中で一人と一頭、贅沢な休日の過ごし方です。

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自然がよく似合う!(撮影=佐藤正之)

ペットを迎えたことがきっかけで、生活が楽しくなったと感じる人はたくさんいると思います。愛情を込めて世話をすれば、幸せとなって返ってくるからでしょう。私も「すばらサーちゃん!」と愛犬を絶賛するたびに、なぜか自分も笑っちゃいます。人も動物も、互いの生活を豊かにしてくれる存在なのかもしれません。

プロフィール
金子志緒/ライター・編集者
レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。
ブログ:https://www.shimashimaoffice.work

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