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WISHING 09/01/23 H5N1鳥インフルエンザ ヒト感染夜明け前

2003年以来、700人以上のヒトが鳥インフルエンザウイルスに感染し、その半数は死亡している。

現在進行中の鳥インフルエンザの世界的流行は、すでに野鳥や家禽類(ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ハト、ガチョウなど)に壊滅的な打撃を与えているが、哺乳類にも広がり続けており、ヒトへの感染の可能性に一歩近づいている。

フィンランドはヨーロッパ有数の毛皮生産国であるが、毛皮農場で飼育されているミンク、キツネ、タヌキの間で発生した制御不能のH5N1型鳥インフルエンザ集団感染と闘っている。

ミンクはヒトインフルエンザと鳥インフルエンザの両方に感染しやすい。一頭の動物が両方に感染した場合、両方のウイルス遺伝子が混ざり合い、ヒトに感染する鳥インフルエンザが発生する可能性がある。

ポーランドではこの夏、ペットの猫の間でH5N1が大流行し、少なくとも29匹が死亡した。罹患した猫たちはポーランドの異なる地域に住んでいたが、ウイルスの遺伝子配列はほとんど同じだった。明らかに互いに感染させることはできなかった。野鳥が感染源である可能性は低く、特に一部の猫は外に出たことがなく、ポーランドの近隣諸国では感染が確認されていない。ポーランド国内の感染源から発生したことは明らかである。

最も可能性の高いシナリオは、猫たちがH5N1に感染した哺乳類の肉を食べたか、哺乳類に適応した変異を起こしたウイルスが感染した鳥の肉を食べたかのどちらかだと考えられている。

ポーランドで検査されたキャットフード(猫にも食べさせていた人間用の鶏肉)からH5N1が検出された。しかし、これはたった1サンプルからであり、動物が病気になった後に家庭内でコンタミネーションが起きた可能性もある。

ポーランドはEU最大のミンク牧場経営国でもある。昨年スペインで発生したミンクの集団感染は、H5N1が家禽類ほど致命的ではないことを示した。初期の段階では発見が難しく、だからこそミンクにおける軽い流行がパンデミックの火種になる危険性もある。ミンクがH5N1に感染し、ミンクの肉が食物連鎖を汚染し、最終的に猫に到達する可能性もある。

H5N1は最近、韓国ソウルの2匹の保護猫からも検出された。当局はリコールされたキャットフードを調査中である。

しかし、実際の感染源を特定するためには、食物連鎖の上流から下流まで広範囲に及ぶ検査が必要である。

ミンクやキツネのような毛皮動物は、H5N1だけでなく、ヒトの多くの呼吸器疾患に非常にかかりやすい。2020年後半、世界最大のミンク供給国であったデンマークの農場では、コロナの集団発生を抑えることができず、ミンクがヒトに感染する株を生み出していることが発見されたことは記憶に新しい (1186)。

一方、H5N1は2022年10月からわずか3ヶ月で南米大陸の太平洋沿岸を急速に駆け下り、野鳥や海洋哺乳類を驚異的な数で殺している。ペルーとチリだけで50万羽以上の海鳥と2万5000頭のアシカの死が報告されている。ペルーでは3月だけで3,487頭のアシカが死亡した。ペルーとチリのアシカの個体数の9%が失われた。ペルーとチリ全土で15種以上、20,000頭以上の哺乳類がH5N1によって死亡したと考えられている。ペルーのペリカンの個体数の36%、チリのフンボルトペンギンの13%が失われた。

最近、アルゼンチンの沿岸部全域とパタゴニアでも、鳥インフルエンザに感染したアシカの大量死が相次いでいる。

感染経路は、感染した鳥と接触したために感染した(これが最も可能性の高いシナリオである)か、何らかの方法でウイルスが突然変異を起こし、アシカからアシカに感染したかのどちらかである。

H5N1感染症はここ数ヶ月、南米沿岸の海洋哺乳類に広がっており、特に感染した鳥が季節的に移動する南極大陸に最終的に到達するのではないかと危惧されている。

南極大陸とその周辺の島々では1億羽以上の鳥類が繁殖し、周辺海域では多くの海洋哺乳類が泳いでいる。皇帝ペンギンや南極オットセイなど、それらの種の中には大きな群れをなすものも多い。南極オットセイは広範囲に生息しているが、個体数の95%はたった1つの島の周辺に住んでいる。

ミナミオナガやマッコウシャクシギのように、いくつかの島にしか生息していない種もいる。そのため、それらの島々で大発生すれば、基本的にその種全体が崩壊してしまう。

家禽類のアウトブレイクは、常にあらゆる大陸で起きている。直近では、全米47州で、5900万羽の家禽が感染し、同時に、7000羽の野鳥がウイルス陽性反応を示している。

野鳥がウイルスを世界中にばら撒き、家禽または毛皮動物などの哺乳類のアウトブレイクが発生し、偶然にもそれと同時期のヒトインフルエンザの流行によって、毛皮動物や猫が鳥インフルエンザとヒトインフルエンザに同時罹患することにより、容易にヒト感染能力をもつ鳥インフルエンザが世界各地で同時発生するという事象がこれから半年以内に起きても、なんら不思議ではない。可視化され続けてきたこれまでのコロナの進化のプロセスは、そのシナリオを否定しないと言える。

WHOのデータでは、2021年以降、H5N1鳥インフルエンザ感染者は世界で8人に過ぎない。しかし、WHOはウイルスの進化を監視し、ヒトにとってより危険な変化のシグナルを探しており、すべての国がこれらのウイルスを監視し、ヒトへの感染例を検出する能力を高めることを奨励している。今更無意味なことを辟易するほど繰り返すしか脳がない、万年周回遅れの某国、特に対応の遅さの根本原因自体である官僚組織そのままの内閣感染症危機管理統括庁にも、事の重大さに早く気づいて、がんばってほしいものである。

ロックダウンはもう懲り懲りだし、もしもそうなったら、もはや実体経済も金融市場も終わるだろう。他人の懐から巻き上げてきた国家予算を、終わった事に湯水のように使うのは止めて、かけるべき未来に使ってほしいものである。

アルゼンチン当局は、死んだ海洋哺乳類や鳥類に遭遇した場合は、接触を避け、ペットを近づけないよう呼びかけている (1187)(1188)。

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