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高校バスケの留学生について思うこと

先日のウインターカップに優勝した福岡第一をはじめ、全国に出てくる高校で留学生を擁するチームはかなり多くなっていると感じる。

留学生がいない決勝自体、最後が2017年だし、毎年のように留学生を要するチームが上位に進出してくる。

今回はこの問題について書いていきたい。

1.育成年代から留学生と対峙できることは価値がある

まず、ポジティブな面を考えると、育成年代から高さ、強さなど日本人離れした能力を持つ留学生とマッチアップしたり、ブロックの高さを感じることは、価値のあることだと感じる。
渡邊雄太はバンバ(延岡学園)とマッチアップすることで、成長できただろうし、八村塁も日本人とのマッチアップでは敵なしの中、タヒロウ(帝京長岡)にはやや苦戦していた。(それでも多くの留学生を蹴散らしていたがw)

このように、日本人とのマッチアップでは得られない経験を留学生と対峙することで得ることができるのではないかと感じる。

また、個人では守れなくとも、チームで工夫してBig manを守ることも、結果としてレベルを上げることに繋がっているだろう。

2.今の構図は留学生vs留学生

多くのチームが留学生を抱える中、留学生チーム同士のゲームが増え、留学生に留学生がマッチアップすることが多い。

結局そのようなゲームを見ると、留学生の能力でアドバンテージが取れるか、周りの日本人がオープンショットを決められるか、といった所で結果が決まっている。

また、偶然にも2m超えで、手足が長いビッグマンが日本の強豪校に多く留学してくるため、殆どの留学生はセンターであり、そのようなチームで日本人がインサイドを担うことは極めて少ない。

先日、とある留学生を2人擁するチームの試合を見ていたら、4ピリで点差がつき、コートに留学生がいなくなった途端、全くDF Reboundが取れなくなっていた。(コートの選手は、全くボックスアウトできなかった...)
如何に留学生がリバウンドを取ることを前提にしたチームになっているかが露呈した瞬間だと感じた。

3.留学生チームの日本人

留学生を獲得する高校は、よく「サイズのある日本人がアウトサイドでプレーできること」をメリットとして挙げているが、本当に大きなメリットなのか疑問である。

確かに、B.LEAGUEでは外国籍選手がインサイドを占めるルールになっており、現状日本人Big manは出番が少ない。

しかし、留学生を獲得しなかったとしても、サイズのある選手をアウトサイドでプレーさせられるかは、コーチ次第だと感じる。

渡邊雄太は高校時代からバンバ相手にインサイド、アウトサイド両方からアタックしていたし、八村塁も柔軟にペリメーターからプレーしていた。
最近では5アウトのチームも増え、5ポジがゴール下専門という時代ではなくなっている。
(むしろゴール下専門にされる留学生はどうするんだと感じる)

また、留学生チームの日本人は、留学生がプライオリティーが高く、そこでクリエイトしたギャップを活かして3Pなど、アウトサイドから攻めることが多く、メインで起点となってクリエイトする選手は少ない。

それに、インサイドでプレーすることがそんなに悪者になることだろうか?

比江島、渡邊、八村の国際試合で点が取れる3人は、外のシュートだけでなく、インサイドの密集地帯で点数を取る感覚に優れている。

3人とも高校時代はファンダメンタルを鍛えながら、しっかりとインサイドでもプレーしていた。
だからこそ、国際試合でペイントエリアで点数が取れる選手に成長したのだと思う。

外でステイして、クリエイトしてもらって3Pを打つだけよりも、インサイドでコンタクトを避けずにプレーする選手の方が、中長期的に良い選手になるだろうと感じる。


中学生のとき、地元のチームがウインターカップで、とある留学生に61点取られて負けた試合を覚えている。
そのチームはベスト8まで進んだが、日本人が留学生にロブパスを放るだけのバスケットをひており、案の定日本人は大学で誰も活躍しなかった。

また、B.LEAGUE、代表で多く活躍している選手を輩出する東海大学も、留学生がいないが、結局はどのポジションでプレーするかが大切ではなく、チームでどれくらい役割を与えられるかが、成長するかどうかの鍵だと感じる。

育成年代で、ゴール下にいとけと言えば、そのようなゴール下で突っ立っている選手になるし、リングに向かうことを言えば、アグレッシブな選手になる。

大切なのはどの役割を与えるか。

ポジションアップについては今度書きたい。

と考えると、留学生がいるチームのメリットって、普段の練習で(チームの練習次第だが)高さを感じること、外国の文化を学べることくらいで、バスケットにおけるメリットって楽して勝てるくらいしか無いんじゃ…

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