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ガットの基本~ナイロン・ポリエステル・ナチュラル~

どうも、Strings Proです。
今回はガットの素材についてです。

「素材が違えば機能も変わる。」

前回お話した、ガットの「硬い」「柔らかい」の理論も交えながら話していきますよ。


■3つの素材とその特徴

ガットの素材は大きく分けて3種類ナイロンポリエステル(通称ポリ)・ナチュラルがあります。

■ナイロン

伸縮性が非常に高く、柔らかい打感が特徴のガットです。ボールの飛びや打感のクセが少なく、初心者から競技者まで幅広く利用されています。耐久性は低いため、使用頻度が高い学生や競技者には基本ポリをお勧めします。

また、ナイロンの中でも「マルチフィラメント」と「モノフィラメント」という2種類が存在します。フィラメントは繊維という意味で、マルチフィラメントは複数の繊維を寄り合わせて作られたガット、モノフィラメントは1つの太い繊維を軸に作られたガットを指します。

マルチフィラメントは細かい繊維を織り成し構成されているため、ボールへの食いつきと伸縮性に長けている特徴があります。つまり、回転が掛かりやすくボールも飛びやすい。ただ、一つ一つの繊維が切れやすく、擦れる力に弱い性質があります。

一方、モノフィラメントはガットそのものが1つの繊維で構成されており、マルチフィラメントと比べ、耐久性が高く打感は硬いのが特徴です。

ちなみに、伸縮性が高いという特徴は、長時間引っ張り続けると伸びきってしまうデメリットもあります。輪ゴムを何かに縛り付けたままにして放置し続けていると、伸びきって伸縮性がなくなりますよね。ガットでも同じ原理がおきます。伸縮性が高いガットはテンション維持率が低いという短所もあるので、覚えておくと良いですよ。

■ポリエステル


耐久性とテンション維持率が高く安いので、テニス頻度が多い学生や競技者に好まれるガットです。特筆すべき特徴はバリエーションの豊かさ。打感やガットの断面の形状、更には表面に凹凸の加工やワックスでコーティングするなど、様々なタイプを組み合わせて各メーカーは多種多様な商品を出しています。細かい商品ごとのインプレは別の機会に投稿していきますが、スピンに特化したガットなどアシスト機能をもった商品が多いのは魅力的です。

一方で、プレーヤーの好みや相性が分かれやすい他、やはりナイロン並みの柔らかさはないため、インパクト時の衝撃を感じやすいという短所はあります。

■ナチュラル

主に牛の腸を原材料にした生物由来のガットです(昔は羊の腸を使っていたんだとか)。テンション維持率が高く、素材そのものが持つクッション性で極上の打感が持続するのが特徴です。ナイロンやポリは、基本的にナチュラルの打感や性能を目指して開発されていますので、「最高ランクのガット」とも言えるでしょう。

ただ、価格がナイロンやポリの2倍以上するのも珍しくなく、一般プレーヤーが試しにくいガットです。主に年配のプレーヤーやトッププロが好んで使用しています。

また水分にも弱く、雨の日にナチュラルのガットでテニスをすると一瞬で切れます。雨の中でもテニスをしたい方は、ポリかナイロンを張ったラケットを使いましょう(笑)

■まとめ

【ナイロン】
・価格:普通(1張り:3,000円~4,000円)
・耐久性:低め
・テンション維持率:低め
・柔らかい打感が特徴
・幅広い層で使用される

【ポリエステル】
・テンション維持率:高い
・価格:安め(1張り:2,500円~3,500円)
・耐久性:高い
・種類が豊富
・打感が硬い

【ナチュラル】
・テンション維持率:高い
・価格:高い(1張り:5,000円~)
・耐久性:普通(雨の日のぞく)
・極上の打感

※価格はあくまで参考です。詳細は各メーカーのホームページやお近くのテニスショップでお問い合わせください。

■次回 ガットの基本~各プレーヤーへお勧めのガット~

次回は各プレーヤーごとにオススメのガットをご紹介!
初心者や部活生、さらにはシニアプレーヤーなど各年代とレベルに合わせ、「どの素材のガットが良いか」ここでお話しします。

具体的なガットについてもいくつかご紹介するのでお楽しみに!

それではまた!

※あくまで個人的見解です。

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