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流行りのリノベーション。メリデメ・気になるお金の話、おさえておきましょう。

※この記事はNewsPicksトピックス「ロジカル不動産」で連載された記事を引用しております。最新記事はこちらからお読みください。

ロジカル不動産

近年リノベーション・通称「リノベ」が流行っています。時代背景としては、優良な中古住宅の増加、リノベーション一体型住宅ローンの普及、リノベーション技術・材の発達、というところが挙げられます。

かくいう私は、リノベ好きでありまして、過去2回、自身の自宅を購入後、完全内装解体してリノベーションした経験を持ちます。最後に作った家が、トップ画です。

ということで今回は、中古時代のリノベーションということで、メリット・デメリットについて語っていきましょう。

リノベーションの定義とは?

そもそもリノベーションとはなんでしょうか。比較対照としてあるのが、「リフォーム」ですが、リノベーションのほうには、「価値を足す」という考えがあります。より具体的に言うと、壊れたものを直す・古くなったものを取り替えるという意味合いの強いリフォームに対して、古いものをさらに今の生活様式にそって作り直す、生まれ変わらせるという意味が込められています。

具体的には、大きな間取りの変更や、用途の変更を伴う内装工事をリノベーションと呼びます。

キッチンを取り替えるだけはリフォームですが、一度スケルトンといわれる、コンクリートのこの状態に壊し、配管含め作り直した住宅のことがリノベーション住宅となります。

メリットは?

さて、そんなリノベーションですが、まずメリットとしては以下のものが挙げられます。(不動産会社がリノベーションをした「リノベ済み住宅」を買うという選択肢もありますが、今回は古いマンションを買って自分でリノベーションする形について着目します)

1. 自分の生活スタイルに合わせた理想の間取り・内装にできる
2. 立地を優先して、築年数の古いマンションを選びながらも、内装は新しい状態のもので住める

1、 なんといってもこれでしょう。

おそらく見たことのあるような、モルタルの玄関、無垢のフローリング、造作で作られた広いキッチン、広い土間、など、買い主が実現したい暮らしを実現できるのがリノベーションのまさに醍醐味です。

間取りだけではなく、キッチン・水回りのグレードや色も全て決定権がありますので、まさに自分好みの家を、「予算が許す限り」作ることが可能です。

2は、戸建・マンションともに、価格の決定要素として築年数が大きく関係します。今不動産価格が上昇している中で、自分の住みたいエリアの築浅の物件は高い、、手が出せない、、という場合に、築年数を妥協する、ただ、内装のふるさなどは否めない。そんなときにリノベーションを行うことで、新築・築浅の物件を買うよりも総予算を抑えることが可能になり、希望のエリアに住むことが実現できる、というケースがあります。

デメリット/リスクは?

メリットがあればデメリットがあるのが常ですが、以下があげられます。

1. 壊してびっくり、、がある
2. 想定よりもお金がかかってしまうことがある
3, 築年数が古いマンションは資産性が低いことがある
4. リノベーションでも直せない部分がある
5. ローン金利が高くなる可能性がある
6. 買ってすぐ住めない
7. リノベーションの質が会社によって様々

1. 壊してびっくり

これは古ければ古い物件ほど起こりがちですが、古いマンションほど資料が揃ってなく、目で見える範囲外の部分はどうしても壊してみないとわからないということが置きます。

例えば、私の場合、購入時築22年のマンションでしたが、なんと壊してみたら、天井に30センチ×30センチほどの穴が空いていました!びっくり。

これは、建築時に物を運ぶようとして使ったであろう穴なのですが、そんなの建築資料には書いてない、、もともと、天井を表しにして天井高を上げたいと思っていたので、さぁどうしようと。結果的には、その穴を塞ぐ施工をしたのですが、その部分の費用が追加でかかってしまいました。

これはまだ可愛い例ですが、床下のコンクリートがガタガタだったり、配管がコンクリートで固められてて、簡単には動かせなかったり、、ということが起こりえますので、ある程度余裕をもった資金計画にしましょう

2. 想定よりもお金がかかってしまうことがある

リノベーションは、予算との戦いです。

みなさん、理想の暮らしを当然実現したい、おしゃれな家にしたいということで、あれもこれもしたい、、となっていきますが、大体当初の予算金額をオーバーします。そこからが本番と言ってもいいですが。だいたいの過程は、当初の予算を多少オーバーしつつ、まぁやむなし、、ということで予算を伸ばししつつ、ある程度やりたいことを削るという方針をとります。笑

もちろんそれ自体が悪いことではないですが、想定よりもお金がかかりやすいということを覚えておきましょう。

3. 築年数が古いマンションは資産性が低いことがある

これはリノベーション限ったことではないのですが、築浅が買えないので築古+リノベーションという選択肢を取ることは全く間違いではないのですが、築古の場合、耐震状況や管理状況のばらつきが大きいため、選ぶのは難しくなることは覚えておきましょう。特に、リノベーションワンストップの会社の場合、とにかくリノベーションを受注したいがために、築古物件のデメリットをあまり伝えずに購入を進めるケースもあるので注意が必要です。

4. リノベーションでも直せない部分がある

これはデメリットというか、そういうもの、という話なんですが、リノベーションが万能ではありません。玄関ドア、窓、梁、天井高といった部分はどうやっても変更できませんので、予め理解しておくべきでしょう。

5. ローン金利が高くなる可能性がある

今は日本最大の低金利状態ですが、住宅ローンは物件に担保をかけられるので金利が安いという仕組みですが、リノベーションの行為自体は物件ほどの担保力がないため、リノベーション一体型ローンの場合は、多少ローン金利が悪くなる、また金利のやすさで魅力のネット系の銀行が出す住宅ローンはそもそも使えないということが起こります。
資金計画に大きく影響が出ますので、予め抑えておきましょう。

6. 買ってすぐ住めない・手間がかかる。

これはそりゃそうなんですが、物件の引渡ししてから、そこからリノベーション開始ですので、そこからフルリノベーションの場合、広さによりますがだいたい半年弱ほど完成までかかります。

その間、自分の住んでいるところの家賃などは払いながらも、新しい家の住宅ローンの返済は発生しますので、月の支払いが大きくなります。お金がない!ということにならないように、こちらも予め計画を立てておきましょう。また、フルリノベーションの場合、4回以上の打ち合わせ、設備選びのためにショールーム訪問など、なかなか時間は取られます。まぁそれ自体も楽しい思い出なのですが、お仕事・子供など時間の確保を忘れずに。

7. リノベーションの質が会社によって様々

これは、見たままのもの買う購入とは異なり、買ったあとに作り始めで、基本的には1件1件の現場でオーダーメイド作業になります。

大工さんの腕の見せ所ですが、依頼するリノベーション会社、もっというと、その会社から更に施工会社に発注すると言うかたちなりますが、その会社の腕や品質によっては、完成したあとの様々なトラブルに悩まされる可能性があります。

さっそくドアがガタつく、、床鳴りがする、、言っていたドアと品が違う、、など、手作り故のトラブルがあるということは覚えておきましょう。

向いてる人は?

さて、なんとなくデメリットの個数のほうが多いので、ビビらせてしまっている側面もありますが、うまくやるほどそれを上回るメリットがあると私は思っています。

築古を買ってリノベーションをするということに向いている人はどんな人かというと、

・こういう家に住みたい!という思いれが強い。こだわりがある
・外観や共用部などの多少のふるさをそこまで気にしない
・資産価値以上に、住み心地を追い求めたい

というところでしょうか。

前提、築古は築浅よりも見極めが難しいです。人間でも、いけている50代がいれば、よぼよぼな50代もいるように、もともとの品質と管理状況によってマンションの状態は大きく差が出ます。それをしっかりと見極められるか、または見極めてくれるいいエージェントと家探しできているかが成功する重要なポイントになるでしょう。

気になるお金の話

さて、気になるお金の話ですが、だいたいリノベっていくらくらいかかるの、、?ということですが、前述したようにオーダーメイドなので、何をやるかでだいぶ予算は変わってきます。

が、一つの目安としては(スケルトンにして工事するフルリノベーションの場合)

・平米あたり14~16万円

となります。もちろん、パッケージプランと言って、選べる材や設備が限定されている分、少し安いというケースもありますし、良いキッチンいれて、埋め込んで、、なんてやっていると平米20万とか全然いきます。

ある程度目安を持ちながらも、早めの見積もりが大事です。

となると、70平米で約1000万円ほどリノベにかかるぞ、ということがわかりますが、築10年のマンションを買うか、例えば30年のマンション買おうかという場合、その差はエリアにもよりますが、1000万以上の差が出ることはほとんどですので、結果として総額安くなる、故に希望エリアに手が届く、という仕組みですね。

出典:中古マンションの築年数と価格、築20年以降は横ばい?築古マンションの価値や寿命、売却・購入前の注意点(https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_chuko/mc_knowhow/tikunensuu/)

ちなみのこれが築年数と価格の変化のグラフですが、大体築20年目以降から価格がそこまで変わらなくなってきます。もちろんリノベをするから価格が上がっている部分が大きいですが、フルリノベをするには(よっぼどお金持ちでない限り)築20年後半以降のマンションが狙い目であることも抑えておきましょう。

ということで、今日はリノベーションについてでしたが、これも1つの有用な選択肢。リノベがいいも悪いもなく、その人にとって最適な選択肢をとることが大事です。

それではまた。

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