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「美をつくし」展@福島県立美術館

大阪市立美術館コレクション「美(み)をつくし」展が、福島県立美術館にて巡回開催中ですので、観覧してきました。

福島県立美術館は、福島市のシンボル「信夫山(しのぶやま)」の麓に、県立図書館と並んで建っています。

展覧会名「美(み)をつくし」は、大阪市章にもかたどられる「澪標(みおつくし)」になぞらえたものです。難波津の航路の安全のために設けられた標識「澪標」のように、の限りをつくしたコレクションの世界へ身をつくしてご案内いたします。

https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_4/index.html より

僕の世代ですと、沢口靖子さん主演のNHK連続テレビ小説「澪つくし」が、真っ先に頭に浮かびます。
昭和60年(1985年)放映。
千葉県銚子市の醤油醸造家を舞台にした悲恋ドラマ……だったそうですが、放映時刻が通学時間帯に重なるので、ほとんど視聴していなかったはず。なのになぜか、沢口さんの印象は、強く記憶に残っているのです。

閑話休題。
今回の「美をつくし」展、展示品はすべて撮影可、SNSへの投稿可となっており、ちょっと驚きです。これからはこうしたスタイルの展示会が増えて行くのでしょうか。
ほぼすべてガラスケース越しにiPhoneで撮影したため、雑な撮り方になってしまいましたが、雰囲気をお伝えできればと思い、いくつかご紹介します。

「教会」佐伯祐三 大正13年
「晩秋」上村松園 昭和18年
近寄って細部の描写を確かめると、驚嘆しますよ。
「猫図」原在正(四辻公説賛) 江戸時代・18〜19世紀
一番気に入った作品です。猫が可愛らしいうえ、蓮華草の繊細な筆使いが見事!
「邸内遊楽図屏風」(部分) 江戸時代・17世紀
屏風の折り目と建物の位置関係がしっかり考えられていますね。
「烏梟図屏風」長谷川等伯 江戸時代・慶長12年
この絵もよいと思います。左隅に「六十九歳」と記されています。
「髑髏牙彫根付」銘「忠親」 江戸〜明治時代・19世紀
根付はユニークな題材のものが数多く展示されていました。江戸人の発想力、スゲー。

大阪市立美術館の収蔵品の特徴は、財界人などからの寄贈コレクションを中心に構成されていることだそうです。
関西らしい成り立ち、と見るべきでしょうか。
中でも、中国美術や仏教美術の展示品は、自分の好みにも上手く合致して、思わず唸り声を上げたくなるほど質の高いものでした。

青銅「饕餮文斝」 殷(商)時代・紀元前14〜11世紀
石造「菩薩交脚像龕」 南北朝時代北魏・5世紀
正面の仏像はもちろん、背面のレリーフがまた、素敵なんです!
金銅「如来立像」 奈良時代・8世紀
金銅「三鈷鈴」静岡・尊永字伝来 平安〜鎌倉時代・12〜13世紀

素晴らしい展示品の数々、ありがとうございました。

(訪問日:2023年4月19日)

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