見出し画像

彫刻の肖像

少し前の出来事になりますが、彫刻家として活躍されている加茂かも幸子さちこさん(首都圏のギャラリーや風花画廊でもたびたび展覧会を開催されている、とても人気のある作家さんです)から、作品撮影の依頼を頂戴しました。

「立体感や質感を感じさせる写真をお願いしたい」

とのこと。
ご自身でもしっかりした記録写真を残しておられるようなので、果たしてぼくの出番はあるのかなと思いつつ、お話を伺うと、さらに一歩踏み込んだ写真をご希望のよう。
当たり前といえば当たり前かもしれませんが、今回の件に限らず、ぼくに撮影を依頼される方は、ぼくなりの視点で、ぼくが撮影したからこそ醸し出されるテイストの写真を所望されるみたいです。ホリゾントを垂らしたスタジオで、かっちりライティングをセットして、図録的に撮る写真とは対極の...…。
ネット上に掲載することについて、作家さんから了解を得ていますので、何点かご紹介したいと思います。

「雲遊び −甘い香り− 」
陶、釉薬、金泥
2023年
「天にも昇る −雲の狭間で− 」
陶・釉薬・金泥
2023年

上の二つの作品で「雲」と呼ばれている白い塊は、よくよく目を凝らすと可愛らしい猫ちゃんなのです。

「見上げる先に」
陶・釉薬・金泥
2022年
「夢の中で踊る −赤と黒− 」
陶・釉薬・金泥
2023年

良い仕事が出来たと思います。
モデルになってくれた彫刻たちには、秘められた深い感情や、あるいは業にも似たものを感じました。
加茂さんの彫刻が持つ底知れぬ力と、撮影場所を提供いただいた風花画廊の素晴らしいロケーションにあらためて感謝いたします。

いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!