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ジャンプ+読切作品で特に印象に残った作品10選【2021年1月〜4月】

少年ジャンプ+の読切作品が好きでして、毎日読むのが習慣になっています。短いページの中に作者の描きたいテーマが濃縮されていて、そんな作家性を毎日味わえることに贅沢を感じています。

この記事では、2021年1月から4月までの作品の中で、特に印象に残った作品を10作品選ばせてもらいました。全部おもしろいのですが、何度も読み返したいと思った作品を厳選してご紹介していきます。

『悪い書道部員』 / もりぐちあきら先生

ゾクゾクしました。

女性の身体に文字を描くことにフェチを感じるオタク男子と、真面目な女子高生のお話。

抑圧された男のフェチズムが女性の心を侵食していく背徳感がとてもエロい。痺れるほどのエロスを感じる作品でした。

『ラヴカス』 / はるにわかえる先生

物語の疾走感に笑っちゃいました。

幼い頃に結婚を約束した少年少女が大人になって出会うお話。一途に思い続けた女性と、チャラくなっていた男性。2人のすれ違いを勢いのあるテンションで描き切ります。

すごい好きな笑いでした。

『それは深い海の底』 / 二三五七先生

作品を読み終わったあと、しばらくボーっとてしまいました。それぐらい心惹かれました。

彼女の周りだけ魚が空中を泳いでいる。魚に囲まれた不思議な少女と、父親を失った少年の物語。

幻想的な世界が心に染み渡ってきて、心の奥の方にある感情を刺激してきます。寂しくて美しい作品です。

『ハイパーハードスペシャルミッション』 / 原作:静脈先生 漫画:依田瑞稀先生

常識のメーター振り切って快走している世界観が最高に好き。

弱々しい殺し屋の男性が、彼女のお母さんにご挨拶に行くのですが、彼女のお母さんが毒親で…というお話です。

殺し屋100人ぐらい雇って彼氏を殺そうとするお母さん。いきなり母親にロケットランチャーぶっ放す彼女。もう何が起こってるの…?

常識のリミッター解除して、アクセル全開で走りきっている感じがすごく爽快!

『二番目の運命』 / 幌山あき先生

儚くも寂しい物語に心を持っていかれました。

恋をした男性には昔の彼女が幽霊になって憑いていた。元カノ幽霊との三角関係物語です。

本作はとにかく切ないんです。好きな人の一番になれない女性と、好きな人の一番になれているんだけどもう二度と会えない元カノ幽霊。

2人の女性それぞれの恋の諦めが儚くて美しいです。

作中には桜が頻繁に描かれます。桜吹雪を見たときに儚い寂しさを感じると思うのですが、そんな儚い寂しさをこの作品でも感じました。

『ミーシア』 / 吉野マト先生

読み終わったあと「うわーこれはすごい」としか言えなくって、自分の語彙力不足を痛感しました。

天界から降り立った神の子「ミーシア」が、日本の少年と一緒に世界を旅しながら、罪人の命を奪っていく物語です。

たくさんの人命を奪っていく中で、ミーシアは人の心を持つようになり、少年は神の心を持つようになっていきます。その交差によって生み出される運命が残酷。

年齢で人を判断したくはないのですが、この作者が17歳と聴いて「やっぱり天才っているんだな」と思ってしまいました。

『死体にパンツをはかせてください』 / 北村りつき先生

「くだらねー」って笑っちゃう話なんですが、そのくだらなさがすごく好きで印象に残っています。

全裸の状態で死んでしまった男性が幽霊になって、自分の死体になんとか服を着させようとする物語です。

幽霊に振り回される女性や、謎に怖い母親。キャラクター全員が生き生きしていて、すごく好きです。

『底へ』 / カシミハル先生

人間は誰もが孤独で、ゆっくりと死に近づいている生き物でしかないと思っているんですが、その事実を突きつけられると急に不安になります。そして、孤独だからこそ誰かに出会えたときはうれしい。

本作はそんな人生の孤独と喜びを味あわせてくれる作品でした。

海の底を目指して潜り続けるロボットの神秘的な物語です。

『ナインメロウファミリー』 / 童村先生

物語と絵がすごくマッチしていて、物憂げな世界観に一気に引き込まれました。

死にたがりな少女と、AVを観ても反応しなくなった少年のお話。感情の一部を喪失した2人の物語がメロウな雰囲気で描かれます。

なにか特別な事件があったわけではなく、一緒に居続けたことで2人は変化していきました。その展開がすごく好きです。

『4分間の終わりに』 / 平浜矢陸先生

命を奪いにきた死神と、死神の攻撃を回避し続ける殺し屋女性の半生を描いた作品。

殺し合いを通して少しずつ心を通わせていく展開がなぜだか尊い。死に直面することで輝く女性に釘付けになりました。

絵から伝わってくる乾いた空気感も最高に好きです。

以上、10作品でした。

2021年1月から4月までの読切作品の中から、10作品をご紹介させていただきました。

ご紹介した作品以外にもおもしろい作品が数多くあって、選ぶのに苦労しました。

少年漫画らしくない作風の作品も多くて、集英社の「とにかくおもしろい作品を公開して、世間の反応をみてみよう」という姿勢を感じられました。

これからも読切作品を読み続けようと思います。

マンガサイトアルでも読切作品のレビュー記事書いています。

最近ではマンガサイト「アル」でジャンプ+読切作品のレビュー記事を書かせてもらっています。今回はアルでレビュー記事を書いていない作品の中から10作を選ばせてもらいました。

これからもレビュー記事を書いていこうと思っているので、よかったらアルをチェックしてみてください。

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