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紫陽花と言えば!いや、君ではないだろ…


紫陽花と言えば、その情景に最も合う存在を
挙げるなら、誰しもがそのイメージするのは
永遠の定番コンビ、蝸牛(カタツムリ)だろう。

以前の記事にも載せたものではあるが、私の
大好きな陶芸家の宮川香山先生の作にもある
『蝸牛』という作品。


同氏の作品は、その生き物があたかも陶器の中
今にも動き出しそうなほどにリアルに再現され
立体造形の素晴らしさと、生命の瞬間をまるで
切り取ったかの様な作品が並ぶ。



なので、私は紫陽花を撮影する時には、相棒で
あるカタツムリが出現する雨の中がいいものと
思っている。


残念ながら、この日は曇天である。カタツムリ
は居てくれたら嬉しいなと思いながらその姿を
探す。


おっ、パシャリ!




思いっきりVサインを掲げて出現下さったのは
カタツムリならぬ、ナメクジ君である。


その上、もの凄いドヤ顔での登場に、殻なしの
カタツムリのつもりで写真撮影。いや、違う…


やはり、君ではないのだ…

それに神戸市立森林植物園には、多くの方々が
訪れており、その姿を見た途端にキイーーーと
奇声を上げて塩を振り翳してくるガーデナーも
いるやも知れない。


悪いことは言わないから、早くお逃げなさい。
ツンツンと指先で逃げる様に促したのであるが
突然の他の乱入者もステージに上がる。


コカマキリ、君でもないのよ…




アジサイの葉の上に揃う二匹の生きもの。実戦
を交えないもの同士の図式である。


コカマキリを追ってたら、ナメクジは舞台から
消えてしまい、代わってコカマキリの足元には
小さなアリが…。カマキリのカマは下へと振り
下ろすものにはなっていないので、これらにも
利害関係は生じない。コカマキリが天敵からの
襲撃で身体のパーツを落とした時だけ、アリは
有り難くそれを頂く事となる。



さて、ここで問題である。

蝸牛(カタツムリ)は、紫陽花(アジサイ)に
何故いるのであろうか?


アジサイという植物そのものは、全草が有毒の
植物となっていて、その葉や花に虫食いなどが
生じず美しいままの姿が保たれてるのはそれが
理由となる。唯一、コガネムシの仲間にはその
毒が効かない種類もあり、周辺に可食可能な葉
がない時にはアジサイの葉を無惨に食い荒らす。


もしくは葉切蜂(ハキリバチ)が、アジサイの
花を切り取って巣作りにするなどの被害もある。


カタツムリやナメクジは、アジサイの葉を実食
したらば、彼らは死に至る。アジサイの花や葉
に含まれている有毒成分は、青酸配糖体となり
これを食べた場合は、体内でこの青酸配糖体と
酵素が反応して、遊離した青酸毒となり彼らを
死に至らしめる。


なので、カタツムリを捕まえて、飼おうとして
アジサイの葉をケージ内に入れたとて、猛毒の
食材ゆえカタツムリには迷惑な話となるのだ。
ナメクジとて同じである。


では、アジサイの葉にカタツムリが出てきたり
するのは何なのか?前述の通り、カタツムリは
有毒なアジサイの花も葉も食べず、そこにつく
藻類を食しているものと考えられているもの。


また、カタツムリが雨天以外は身体を乾燥から
守るために、止まって待機状態をするためには
紫陽花の分厚く頑丈な葉は都合が良いのである。

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