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知恩院



冬の京都めぐりの記録となる。


東本願寺に次いで訪れたのは知恩院。


電車もバスも使わずにテクテクテクテクひたすら
歩き寄り道、道草、あちこちの店の中を覗いたり
しながら京都を散策。この頃から欧米人がだいぶ
増えてきたなと感じる。口を開かなければ、東南
アジアの旅行者は全く見ただけでは分からない。


知恩院、寺社の中でも上位クラスのものであるが

清水寺(キヨミズデラ)
平安神宮 (ヘイアンジングウ)
伏見稲荷大社 (フシミイナリタイシャ)

と比べ、関西人でも意外と行っていない人が多い。




京都は烏丸からテクテクテクと歩いて移動する。
華頂山(カチョウザン)と知恩院(チオンイン) の山号が掲げられた巨大な山門が現れる。山門は
そのお寺の力を示すもののひとつと考えられる。




京都の三大山門 (三門) と呼ばれるものは

一位 知恩院 (チオンイン)
二位 南禅寺 (ナンゼンジ)
三位 仁和寺 (ニンナジ)
これに、四位と五位を加えると
四位 東福寺 (トウフクジ)
五位 東本願寺 (ヒガシホンガンジ)

となっている。



日本三大山門 (三門) に数えられるのは

一位 南禅寺 (ナンゼンジ) 京都
二位 東福寺 (トウフクジ) 京都
三位 久遠寺 (クオンジ) 山梨県

となっている。

上に挙げたもので行ってない久遠寺だけはいつか
行かなければならないお寺だと思う。




この山門とは、寺格の中でも格下のものを束ねて
いる寺の中で最上級の総本山にのみ設置される。

山門の事を指して、三門とも呼ぶのだが、これは
三解脱門(サンゲダツモン)という、人間の煩悩
世界から三つの境地を経て、仏の住む世界へ至る
門の事を表している。

空門 (クウモン)
 物事にこだわらない境地の門

無相門 (ムソウモン)
 見かけで差別しない境地の門

無願門 (ムガンモン)
 欲望のままに求めない境地の門

これら簡単ではない境地の事を指し三門と呼ぶ。


京都三大山門のひとつ


雪被りの知恩院の中の情景ではあるが、実は
京都のど真ん中にあるここは雪は殆ど降らない。
この雪の写真は偶然だがラッキーと言える。


裾広がりの灯籠の形が良い


屋根の上には逆立ちする狛犬の姿も見られる


池の水は凍りついていた


2023年の干支、瀬戸際にあり耳がヤバイ

特別拝観の庭園内、砂紋が雪の下から覗いている

雪の精霊が雪玉を転がして遊んだのだろう

杉苔、雪の下で頑張っている

砂紋は砂漠や砂丘などにも風によって造られるが
こちらものものは人工的に描かれたもの。枯山水 (カレサンスイ) の世界では、池などを造らずに
これで水の流れ、風の流れを表現する手法である。



まだ、雪が辛うじて残る場面が撮影できた。
内庭の写真は、特別拝観なので普段は見る事が
出来ぬ場面も捉えることが出来た。


鋲打ちが大変だがこの金物の重厚感が素晴らしい。


金物に蝉 (セミ) の飾りが付く。
蝉と云えば近付くとオシッコを排出して逃げていく虫であるが『防火のおまじない』と『忍び逃げる』の二つの意味がここにあって、この知恩院には河童や亀などの水に関わる防火祈願の金具があちこちに施されてる。ディズニーランドのミッキーみたいに探してみるのも面白いかも知れない。


知恩院、七大不思議のひとつ。
三面猫、左右正面どこから見ても猫は正面を向いているというもの。愛嬌ある子猫と一緒に遊ぶ母猫のその表情にほっこりする。


跳上扉と、それを固定する金具。この構図が良い。
朝になると扉を開け、風と光を室内に取り込んで、
陽が沈むとこの扉は閉じられる。


寺院建築の集合ヶ所、この様式美に惚れ惚れする。

雨戸の側面構造、閉めた後に閂式の施錠が出来る。
先人の方々のこういう工夫のひとつひとつが良い。


屋外の外気や風雨に曝される場所ゆえ緑青が浮く。


武者隠 (ムシャカクシ)
要人の警護の為にこの扉の影には武者が隠れていて
有事の際にはここから警護兵が飛び出すという扉。
警備がここにいるので手出無用の無言の威圧であるが豪華絢爛すぎる装飾である。

大方丈、上段の間、最上級の階級の為の部屋。
装飾の素晴らしい床の間、床脇が並んでいる。

方丈庭園の奥にある権現堂 (ゴンゲンドウ)。
家康、秀忠、家光と三代に渡る肖像画と、徳川将軍の位牌が祀られている。

特別拝観を見終わると夕陽がさしていた。


三門周辺は高所からの落雪の危険回避で正面玄関は
封鎖されていたので、誰もいない状況だった。
ひと口わらび餅を三門でムシャムシャと食べてたら
警備員から通行門を閉めると言われ慌てて降りた。



今度は河童と亀を探しに、此処に来ようと思う。




名称 華頂山知恩教院大谷寺
   知恩院
   吉水御坊
   吉水草庵
   大谷禅房
所在 京都府京都市東山区新橋通大和大路東入
   三丁目林下町400
山号 華頂山
院号 知恩教院
   知恩院
宗派 浄土宗
寺格 総本山
本尊 法然上人像 (御影堂)
   阿弥陀如来 (阿弥陀堂)
創建 承安5年 (1175年)
開山 法然
札所 法然上人二十五霊場第25番
   洛陽天満宮二十五社順拝第15番
文財 本堂 (国宝)
   三門 (国宝)
   阿弥陀二十五菩薩来迎図 (国宝)
   大方丈 (重文)
   木造阿弥陀如来立像 (重文)
   木造善導大師立像 (重文)

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