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山羊の目に隠された秘密


山羊 (ヤギ)


メェメェと鳴く草食動物で、動物ふれあい等の
コーナーには、定番としてその場にいる哺乳類
である。


『山羊さん、可愛いよね!』

『うんう、可愛くない、目が怖いもん』


以前に大阪府民牧場で、触れ合いコーナーにて
横にいた親子が山羊を目の前での会話となる。
山羊がバイリンガル翻訳機能を持っていて親子の
会話の意味を知ったら、きっと落ち込んだろう。


モノのカタチには必ず意味がある。植物や虫類
や鳥類、動物だって同じことである。


この親子の会話をきっかけにして、山羊の目に
ついて色々と調べてわかった事があり、今回は
そのリポートである。




写真をご覧頂いている通りで、山羊のもつその目
は、人の目とは違って、虹彩部分の中にある瞳が
長方形をしている。我々が普段から見ている人の
目は虹彩も丸であるが、中心の瞳も丸となってて
この違いが違和感となり、前述の子供が山羊の目
を怖いと言っている理由となる。


実はこの長方形の瞳なのは、ヤギだけの話でなく
草食動物全般が、瞳は長方形となっているのだ。


ウマ、ウシ、ロバ、シカ、ヒツジ、そしてヤギ。


えっ、本当にそうなの?となる事だろう。上記の
リストの中、ヤギだけが虹彩の部分の色が明るい
黄土色で構成されている事から、長方形の黒目が
目立つのである。同じ草食動物ながら、山羊だけ
切り立った崖の上や、岩場などにも生息しており
それ以外のものと違う環境にいる事から、ヤギの
虹彩はデザートカラーになっている。


他の、ウマ、ウシ、ロバ、シカ、ヒツジ、などは
草地に生息するものについては、その虹彩の色は
黒が多い為、長方形の黒い瞳が目立たなくなって
いるのである。これは緑の葉が照り返した光から
目を守る為だと言われている。つまり生息環境が
虹彩の色を決め、これらの草食動物の目の怖さが
慧眼されているものである。


長方形の瞳を持つ、その理由は肉食獣などの接近
をいち早く見つける為の視野の広さにある。我々
ヒトの目が見る世界とは全くの別次元世界なのが
次のイラストでお分かりいただけるであろう。




草食動物の目で見る世界はパノラマビュウとなる。
外敵をいち早く見つけられる視野は、生存する上
で最も重要な事なのである。


これら草食動物の目には、もうひとつ大きな機能
が備わっており、普通の姿勢でいる時も、大地の
草を食んでいる時もその長方形の瞳は常に大地に
対し並行を保っている機構となっている点であり
これも接近してくる外敵を正確に把握して逃げる
為に備わっている機能なのである。




こちらの画像は鹿と羊のものとなっている。



という事で、山羊の目は怖いものでは決してなく
他の草食動物も同じ目を持っているという事実を
今回はリポートした。


ぜひ、この夏に他の動物の目も観察してみよう。


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和名 山羊 (ヤギ)
   野羊 (ヤギ)
洋名 ゴート (GOAT)
学名 カプラ (CAPRA)
分類 ウシ科、ヤギ属
種類 草食系哺乳類
撮影 五月山動物園
   摂津峡

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