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DARWIIN'S ORCHARD


ダーウィンズ オーキッド
(DARWIIN'S ORCHARD)



白く大型で立派な星型の花を咲かせる姿から
コメットオーキッドの名が付いている植物。
和名では直訳のまま彗星蘭 (スイセイラン)
となっている。



その花弁は肉厚で存在感があるもので、夜間
になるとこの白く幽幻なこの花は強い芳香を
周辺へと漂わせる。昼の虫ではなく、夜の虫
を集める花である。




これは別名、ダーウィンズオーキッドの名で
知られている植物。そう、あの生物の進化論
を唱えた自然科学者や他分野の研究科学でも
有名な、チャールズ ダーウィン(CHARLES DARWIN) の名が付いているのである。



チャールズ ダーウィン (CHARLES DARWIN)




ダーウィンとこの植物の出逢いは1862年
の事である。ダーウィンがこの植物に大きく
着目したのは、立派で肉厚な白い花ではなく
その背面に長く伸びている路の部分である。



極端に長いこの管は何だろう、興味深いね。
ダーウィンはこの長い先の部分に蜜がある事
に着目。きっとこの長い蜜腺に届く程の長い
口吻を持った昆虫がいる筈であるとの学説を
立てたのである。ダーウィンはそれを立証を
する為にはその虫を手に入れる必要があった。
が、残念ながらその立証には至らずこの世を
去ってしまう。




ダーウィンが死んでしまった後の1903年
ダーウィンの遺したこの学説を二人の学者の
W ロスチャイルド、C ジャーダンが世紀の
大発見を果たした事で証明したのだ。





キサントパンスズメガ 
(XANTHOPAN MORGANII)






夜行性のスズメガの仲間で、ハチドリの様
にホバリング(空中停止)しながら蜜を吸う
蛾の一種である。天国のダーウィンもさぞ
大喜びした事だと思う。彼らがこの虫を発見
していなければ、この学説は後世まで日の目
をみる事もなく闇の中に葬り去られていたで
あろう。




生物と植物の間で、特定の関係下にしか成り
立たない『共進化』という世界が証明できた
最も有名な例である。餌として蜜と引き換え
に受粉を手伝って貰う自然界における持ちつ
持たれつの素敵な世界。




流石はダーウィン博士。彼の唱えた学説証明
よりとても美しいこの植物の図案にスズメガ
も共に描かれ残され、写真や切手にもなって
残されている。






『いつまでもあなたと一緒』この花言葉にも
花と蛾、そしてダーウィンの意思を証明した
学者たちをも讃えた言葉と私は思っている。





和名 彗星蘭 (スイセイラン)
洋名 ダーウィンズ オーキッド
   (DARWIIN'S ORCHARD)
   コメット オーキッド
   (COMET ORCHARD)
学名 アングレカム セスキペダレ
   (ANGRAECUM SESQUIPEDALE)
分類 キジカクシ目、ラン科、アングレガム属
種類 着生植物園
草丈 1m
開花 春〜夏
花色 白、緑
原産 マダガスカル
言葉 いつまでもあなたと一緒
   祈り
撮影 咲くやこの花館

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