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# 植物図鑑 『葉姿編』

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葉姿の美しさにスポットを当てカテゴライズしています。
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#六甲高山植物園

蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

蕾を『お包み』状にして守る紫陽花とは?

紫陽花(アジサイ)、これらの開花時期は8月
半ば過ぎの今はとっくのとうに終わっている
ものだが、他品種と開花時期を大きくずらし
咲くものがある。それも蕾の全体がベールで
包み込まれているという、他のアジサイでは
見られない珍しい特徴をもっている。

玉紫陽花(タマアジサイ)

その名の由来となるのは、開花前のツボミが
玉状のベールで、固く包み込んでいるその姿
によるもの。他のアジサイが咲き誇る時期

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VENUS FLY TRAP

VENUS FLY TRAP

ビーナスフライトラップ
(VENUS FLY TRAP)

ナデシコ目、モウセンゴケ科、ハエトリグサ属

食虫植物でも最も人気の高い、ハエトリグサ。

その捕虫トラップ起動が視認できる点が人気の
源となる。

二枚貝の形をしたその葉の内面には感覚毛が
三本生えており、中に侵入した虫が起動部に
二度触れる事で瞬時に二枚の葉は閉じていく。

このトラップの恐るべきは、ビーナスの睫毛
と呼ばれる長い部分

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蝿捕草

蝿捕草

蠅捕草(ハエトリソウ)

モウセンゴケ科、ハエトリグサ属の食虫植物

食虫植物の中で靭蔓(ウツボカズラ)と人気
を二分するほどなのは、そのカタチの特異性
と捕虫アクションのインパクトからである。

ウツボカズラが待伏せ型トラップなのに対し
ハエトリソウは二枚貝型トラップ。

この二枚貝の内面には三本の感覚毛が備わり
30秒の間に2回の刺激を受ける事で瞬時に
葉が閉じる。その速さたるや、動きの俊敏な

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アリマウマノスズクサ

アリマウマノスズクサ

有馬馬ノ鈴草
(アリマウマノスズクサ)

コショウ目、ウマノスズクサ科、ウマノスズクサ属

以前も記事に書いた植物だが、牧野富太郎博士の
チームで発見し、ネーミングをされた事で有名に
なった植物である。

このアリマウマノスズクサは、アリストロキアと
呼ばれる植物群に分類されるもので、特殊な性質
を持つものである。

花の写真を載せているが、一見すると不気味系で
妖怪じみた外観をもつ花姿である。

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キイジョウロウホトトギス

キイジョウロウホトトギス

紀伊上臈杜鵑草
(キイジョウロウホトトギス)

ユリ目、ユリ科、ホトトギス属

この植物は急勾配の傾斜地や崖などに於いて
真価を発揮する植物となる。

長く伸びたその茎を咥え込む様に葉が生えて
また花も沢山が茎に吊り下がる。

『山里の貴婦人』の名で呼ばれるこの植物は
花の季節は当たり前に美しいのだが、葉姿も
独特の美しさがある。

和名 紀伊上臈杜鵑草
   (キイジョウロウホトトギス)
学名 

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オオナルコユリ

オオナルコユリ

大鳴子百合 (オオナルコユリ)

キジカクシ科、アマドコロ属の多年生草本

アマドコロ属に特有の茎の下に多くの花が
吊り下がる姿がとても可愛らしいのがこの
植物の特徴となる。

名称にある鳴子(ナルコ)とは、昔の時代
の子供向けの音を鳴らして遊ぶ郷土玩具や
害獣や敵兵の侵入をその音で知らせる為の
ものに由来している。

この茎を持って振動させると、花が交互に
振れるのを見ていて楽しくなる。

花の

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MAGNOLIA OBOVATA

MAGNOLIA OBOVATA

マグノリア オボヴァタ
(MAGNOLIA OBOVATA)

和名は、朴ノ木 (ホオノキ)

モクレン目、モクレン科、モクレン属の高木。
日本に自生する樹木の中で、15〜20cm
もの直径の花を咲かせるのがこのホオノキ。

ここでの掲載は三度目となる。

今回の主役は、その巨大な葉っぱとなる。
高所でこの葉により遮られて下へこぼれる
光は優しいものへと姿を変えている。

その葉が与えてくれる色は

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WINGED SPINDLE TREE

WINGED SPINDLE TREE

ウイングド スピンドル ツリー
(WINGED SPINDLE TREE)

ニシキギ目、ニシキギ科、ニシキギ属
つまり、錦木(ニシキギ)である。

洋名の『ウイングド スピンドル ツリー』とは
『ウィングド = 翼のついた』を意味しており
『スピンドル = 回転軸や芯棒』となっていて
『ツリー』はご存知の通り。

枝の全てににこの羽状の付属物が付いているのが
この『ニシキギ』の特徴である。この樹

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延齢草

延齢草

延齢草 (エンレイソウ)

ユリ目、シュロソウ科、エンレイソウ属
多年生植物

三枚の丸みを帯びた葉が並び、茎がその先に
伸びた部分に花を咲かせる。

その花に花弁はなく、三枚あるのは萼片。

この植物は芽が生じてから花が咲くまでに
平均すると約15年も掛かるとされており
長生きをしなければ、その花を拝むことが
出来ないとの事からこの『延齢草』の名称が
ついたと云う。

また、その茎根にはサポニン

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八股毛氈苔

八股毛氈苔

八股毛氈苔 (ヤツマタモウセンゴケ)

ナデシコ目、モウセンゴケ科、の多年生食虫
植物となる。

葉にある粘毛から粘液を分泌し虫を捕獲する
もので、湿地帯などに群生している。毛氈苔
のトラップリーフには刺股(昔の捕物用武具
で先端が二つに分かれていて衣類を絡め取り
動きを封じる道具)形状のものから、四股、
そして今回の八股形状までのバリエーション
がある。目的は一緒だが、枝分かれが多いと
捕獲率も

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JAPANESE BIG LEAF MAGNOLIA

JAPANESE BIG LEAF MAGNOLIA

ジャパニーズ ビッグ リーフ マグノリア
(JAPANESE BIG LEAF MAGNOLIA)

和名は、朴ノ木 (ホオノキ)

モクレン目、モクレン科、モクレン属の高木。
日本に自生する樹木の中で、最も大きな花を
咲かせるのがこのホオノキである。

ここでの掲載は二度目となる。

既に立派な花の季節は終って、今シーズンは
この樹木にIPHONEを向ける機会もないなと
思っていた。前回の服部緑

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山荷葉

山荷葉

以前からずっと私が狙っている植物がある。
六甲高山植物園にあるその植物。
どうしてもその写真を自身で撮りたいのである。

その植物、山荷葉(サンカヨウ)である。
六甲高山植物園に電話での問合せ件数が
他の植物を群を抜いて多いのがこの植物。
日本全国から来るらしい。

但し、それを見る(撮影する)には条件がある。
雨が降っていること。
三荷葉の花が咲いていること。

前回の植物園訪問は4月9日。

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