出費をためらう今だからこそ、僕は大切な人との思い出作りにお金を使う。

最近、物の値段が本当に高い!

ちょっと前まで100円で買えた大手コンビニチェーンのコーヒーは110円になっているし、スーパーでは卵や冷凍食品の値段がいつの間にか上がっていて、身構えてしまいます。コンビニのコーヒーは買う頻度が低いから「まあいいか」と納得できますが、食料品価格や電気、ガス代の高騰には参ります…。

光熱費の上がりっぷりはすごい。11月の請求書を見ると、電気とガスの使用量は前月とそんなに変わらないのに、請求額が何千円も上がっていて驚いてしまいました。

100円で買えたものが104円出さないと買えない


ちょっとお堅い話をしますと、商品価格の平均的な動きを示す「消費者物価指数」は、今年10月時点で103.7でした。昨年10月99.9だったことを考えると、この1年で3.7%物価が上がっています。

昨年10月に100円で買えたものが、今年10月には104円を出さないと買えないことになりますね。

総務省統計局「消費者物価指数」より作成

どうでしょう?推移をグラフで見るとインパクトが伝わってきます。前年同月比で平均的な物価が3.7%上がっているということは、計算上、収入も3.7%上がらないと家計を圧迫します。

こうなると財布の紐を締め、節約しようとするのは自然な反応です。生活ができなくなる不安を感じれば、出来るだけお金を使いたくなくなります。これは言い方が難しいのですが、食料品の値上げ背景には仕入れや輸送コストがあることは理解しているものの、品質が変わらない物により多くのお金をかけたいとは思えない…。

ハムちゃんのように溜め込みたくなる

僕も家族の生活を守るため、節約を意識してきました。物を買うより、銀行口座にお金が入っていることに喜びを感じていました。スマホアプリから銀行の残高をチェックして、「よしよし、まだこれだけお金が入っている。安心だなぁ」なんて思っていましたよ。

そんな節約マインドにあふれていた僕ですが、あるときにふと「物価高で先行き不透明の今だからこそ、お金の使い方をもっと考えよう」と考えを改めるに至りました。

桜木町にロープウェーができていてびっくり!


きっかけは、11月初旬に桜木町の街並みを見たことでした。
仕事で久々に桜木町に行ったのですが、僕が知っている桜木町の街並みとは違っていて、ショックを受けました。

ロープウェーが走ってる!

え、なんでゴンドラ(正確にはロープウェー)があるの!?
JR桜木町駅からワールドポーターズまで、汽車道の空中をロープウェイ(YOKOHAMA AIR CABIN)が行き交っていました。

僕がよく桜木町に遊びに出かけたのは、もう10年近く前の20代のこと。
当時はロープウェーなど影も形もなく、駅からワールドポーターズや赤レンガ倉庫に行くには、汽車道を歩くしかありませんでした。

ランドマークタワーやコスモワールドの大観覧車を眺めながら汽車道を散歩するのは楽しかったですけど、駅からまあまあ距離があるのでロープウェーに乗って行けるのは便利すぎる!

何よりもショックだったのは、桜木町の街の変化を僕が全く知らなかったことでした。僕の中の桜木町駅前のイメージは10年前のもので、大げさな表現をすると、なんだか世間から取り残されたかのような感覚に陥りました。

僕は県内に住んでいたので、桜木町には行こうと思えば1時間ちょっとで行けました。でも僕は、その「行く」選択をしなかった。

過去のことを言っても仕方がないことはわかっています。

結婚して環境がガラッと変わったし、自営業を始めたばかりで仕事が軌道に乗らず、金銭的なゆとりがなくて「支払いどうしよ〜(汗)」とあたふたしていた時期もありました。子どもが生まれてからは、仕事との両立をいかに実現するかでバタバタして、横浜へ行く気持ちの余裕なんて持てなかった。

家族を優先したのは、そのときの僕が下せたベストな決断だった。でも、家族を大切にしていたら、桜木町には行けなかったのか?そんなことはなかったはずです。家事と育児をし、仕事をしながらでも、僕は桜木町に行くことができた。

僕は自分で、桜木町に行く体験を手放していたのです。「桜木町に行くための時間とお金はもったいない」「使う価値がないもの」だったからです。時間とお金を出し惜しんだ結果、僕は「桜木町駅の変化を知る機会と家族で遊びに行く機会の喪失」という結果を受け取ることになりました。

物事にはタイミングがある。


どんなに悔やんでも、時間はもう戻りません。
物事にはするべきタイミングがあって、何かをする時期を逸すると、意味が薄れてしまう。

たとえば、クリスマスのお祝いを1月にしても楽しくないですよね。鏡開きでお汁粉を食べる1月中旬に、クリスマス飾りで部屋を装飾し、ジングルベルを流してローストチキンを焼くのはなんか変。

クリスマスは極端な例ですが、同じようなことを僕らは図らずもしてしまうことがあります。

そのひとつが、家族との時間ではないでしょうか。

妻と子どもたちとは、この先もずっと家族です。でも、1日が過ぎるたびに、みんな年齢を重ねていきます。子どもたちは、赤ちゃんから幼児になり、小学生になり、中高生と成長していきます。

子どもと旅行に行く、いろんな体験をする、動物園やテーマパークに行く。それらは、できる時期が限られている。

かわいいな

息子たちが高校生になったとき、一緒に動物園には行ってくれないでしょう。行ってくれるかもしれない。でも、幼児のように「パパ〜、見て!パンダさんがいるよ」「ぬいぐるみが欲しい〜」なんて言わないと思う(笑)

声変わりをした声で「父さん、腹減ったなぁ。飯にしない?」なんて言うのかな。

母が後悔していること


実家に息子たちを連れて行くと、母が「後悔していること」を僕に話してくれます。

小さい頃、家族で箱根の芦ノ湖へ行ったことがありました。湖には遊覧船が走っていて、外見がかっこよくて水の上を悠々と動く船に「乗りたい」と僕は両親に訴えたのですが、母は「ダメ」と突っぱねました。

画像は遊覧船のイメージです。

それには理由があります。当時、住宅ローンの返済の重さで家計は厳しく、両親は手持ちがあまりなかったそうです。遊覧船の乗船料は数千円するし、節約のために僕をなだめて乗らずに湖を後にしました。母はそのことをずっと後悔しているのです。

両親は芦ノ湖への旅行で数千円を守るために、子どもとの遊覧船乗船体験を逃してしまった。母は「次に来たときに乗ればいい」と考えていたようだけど、その「次」が来ることはありませんでした。

母は、38歳になった僕や孫たちと一緒に遊覧船に乗れます。でも、幼かった僕との乗船はもうできない。

「あなたね、子どもと一緒に出かけられる時期は限られているからね、体験できることは体験しておいた方がいいよ!」

母は、芦ノ湖で遊覧船に僕を載せなかったことを30年以上経った現在でも悔やんでいます。

お金は価値あるものと交換してこそ、価値が出る


ここで強調したいのですが、僕は家族との時間や体験のために家計を壊滅させてまでお金を捻出しましょうと言っているわけではありません。

もちろん、節約は大切です。

一方で、お金は使いどきも大切。お伝えしたいのは、そのことです。

物価高でお金を使うのをためらう時期だからこそ、お金を何に使うか。使い方を考える。

いくら節約が大事とはいえ、「お金を使わないことが正義!」みたいな頭になってしまうと、人生でいろんな体験をする機会を手放してしまう。

そもそもお金って、そのものは単なる金属と紙でできた物体に過ぎません。ティッシュやトイレットペーパーと一緒ですね。しかし、お金がただの紙切れと決定的に違うのは、いろんな物や体験と交換する力を持っている点です。

食べ物や日用品など生活に必要なものを手に入れられるだけでなく、習い事やオンラインサロンなど学びの体験を得る手段にもなる。旅行に使えば新たな体験ができます。自分にとって価値あること交換して初めて、お金の価値が生まれると言っても過言ではないはずです。したがって、目的もなく闇雲に溜め込むのは、かえってお金を大切にしていないことのような気がするのです。

自分が「これは価値あることだ!」と思えることであれば、優先的にお金を使ったほうがいい。語弊はあるかもしれませんが、本当に価値ある、今しかないと信じられるのであれば、お金を借りてでもする方が良いと僕は思っています(何に対しても無計画な借金を勧めているわけではありません)

子どもたち、妻との「今」を楽しむ


じゃあ僕にとって価値あるお金の使い方は何かというと、家族との思い出づくりに投じること。

息子たちが大好きなバスと電車に乗って小旅行をしたり、親子で遊べるおもちゃを買って遊びに興じたり、家族みんなで食事をしたり。僕は大切な人と、たくさんの体験を共有したい!

バスの降車ボタンのおもちゃ

「ワクワク!」ときに「ハラハラ!」の感情を一緒に味わうのもいいな。

子どもの成長ははやいから、「状況が落ち着いたら」と先延ばしにし続けると、親と一緒に行ってくれなくなってしまっているかもしれません。長男が5歳で次男が2歳の瞬間は、今しかないんです。

そして、妻との時間。

パパとママとして子どもたちと一緒に過ごすのは楽しいけど、夫婦2人だけの時間も僕は楽しみたい。

夫婦の語らいのひとときは、僕が人生で幸せを感じるために必要なことだからね!
子どもができても、育児中でも、夫婦でデートしたい!

というわけで、先日、妻とお昼休みのタイミングが一緒だったのでランチに出かけました。

神奈川県相模原市にあり、リニアの新駅建設が進む「橋本」にあるイタリアンでパスタとお肉のプレート、手作りのチーズをいただきました!

チーズ盛り合わせ

このチーズはお店で毎日手作りされているんですって!?

チーズはできた瞬間から劣化が始まるので、作り置きが難しいらしい。

妻と違うメニューを頼んだので、お互いのプレートをシェアしたよ。

プレート!!

いやね、このシェアするってアクションが、僕は好きなんだ!

体験や感情を共有するって、最高じゃない!?
人生の意味は、大切な人と体験と感情をシェアすることだと思っているくらいよ。

その後、カフェでケーキセットを楽しみました。
妻とは7〜8年一緒にいるけど、妻はごはんを美味しそうに食べる顔がとっても輝いている!

ケーキセットを食べる幸せ

もぐもぐ、パクパクという言葉が本当によく似合うんだ。

付き合っているとき、2人でいっぱいごはんを食べたし、その時間が楽しくてしかたがなかったなぁ。このカフェは、2年前に妻が次男を出産する数日前に入ったお店で、よーく覚えてる。

あのとき、妻の大きなお腹の中にいた次男は、「みーま」(みかん)、「うぉんうぉんしゃ」(消防車)なんて話すようになったし、何を言っても「嫌だ」と返してくる。着替えに全力でイヤイヤ抵抗してくるし。

物価高の時期だからこそ、お金を何に使うか、何に使うなら喜んでお財布から出せるかを考えていこう。これからも僕は、家族との思い出づくりに時間とお金を使い、今しかできない体験と感情を記憶に残そう!

お読みくださり、ありがとうございました。

そのべゆういち
charoma0701@gmail.com

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