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繊細さん、タクシー運転手になる

こんにちは。
新米タクシー運転手のえふえふです。
昨年の終わりに京都のタクシー会社に入社し、
研修を経て昨年末から運転手デビューを果たしました。
今日は私がタクシー運転手になった理由と、
実際に運転手になって感じたことを記していきたいと思います。

※補足情報として自分の生い立ち・職歴を記していますが、面倒な方は読み飛ばしても大丈夫です。


私がタクシー運転手になった理由

これまでの生い立ち・職歴

私は1994年生まれの29歳。
京都市で生まれ育ちました。
少年時代は割と勉強はできた方で、
高校は京都市内の進学校に入学しましたが、
この時に双極性障害II型を発症し
(この病名で診断を受けたのは社会人になってから)、
学校の授業のペースについていけず、
心を病んでしまい学校も休みがちでした。
大学はすべり止めのすべり止めで受験した
東京の私立大学に進学しました。
学生生活は非常に充実したものでしたが、
そこでも双極性障害に苦しみました。
かなり重い鬱状態になったこともあり、
合計で2年間休学しました。
それでも6年かけて何とか大学を卒業することは出来ました。

大学卒業後は地元・京都へ戻りました。
双極性障害の影響でまともに就職活動ができず、
母親のコネで小さなホテルに就職しました。
そこでは週4回の泊まり勤務で、
フロントでの接客や
ホームページ・SNSの更新を担当していました。
社会人になってからは、
双極性障害の診断を受けたことを機に、
持病に対する適切な治療や対処ができるようになり、
体調は安定してきました。

体調面で余裕が出来てきたことや、
就職活動の未練があったことから、
「もっと自分の好きなことを極めたい」と思い、
転職を決意しました。
一年近い転職活動を経て、
京都市内のカフェに転職しました。
ここに転職した理由は、
元々コーヒーやカフェが好きで、
将来自分の店を持ちたいと思っていたからでした。
しかし、
不器用な自分はなかなか仕事を覚えることができず、
人間関係にも悩みました。
職場に自分の居場所が無くなり、
もう働き続けられないと感じ、
入社から1か月で退職しました。

そこから再び転職活動を始めました。
学生時代はマーケティングに憧れをもっていたことや、
ホテル時代にホームページ・SNSの更新をやっていたことから、
マーケティングを軸として転職活動をすることにしました。
その結果、京都市内の広告代理店から
デジタルマーケティングの担当者として
内定を頂きました。
自分の希望がほぼほぼ叶った内定先で、
明るい未来が待っていると思っていました。
しかしいざ入社してみると、
直属の上司のパワハラに悩まされました。
逆境の中でも必死に喰らい付いていきましたが、
ある日布団から出られなくなり、
会社を休みました。
その日以来出社することはなく、
こちらの会社も1か月で退職しました。

早期退職した2社とも、
人間関係に悩まされたことから、
今度は人間関係に悩まされない仕事をしたいと思い、
次に始めた仕事はフリーランスのWebライターでした。
直接人と顔を合わせることがなく、
最初は気楽に仕事をやっていました。
ただ、未経験からのスタートだったので、
Webライターで生計を立てることは
非常に困難でした。
受けていた案件も次第にやりがいを見出せなくなり、
結局Webライターの仕事も数ヶ月で辞めました。

タクシー運転手になった理由

フリーランスの仕事もやめ、
またまた転職活動を始めることになりました。
初めはもう一度マーケティングに焦点を絞っていましたが、
未経験同然の職歴ということもあり、
転職活動の結果は非常に厳しいものでした。
さらに、転職活動をしていく中で、
マーケティングに対する熱意も無くなっていったことから、
転職活動の方向性を変えることにしました。
自分の経歴や能力を考えた時に、
ホテルでの職歴が一番長いことや、
英語が話せるということから、
そう言った自分の武器を活かせる仕事を
探すことにしました。
そんな中で目に留まった仕事が、
タクシー運転手でした。
接客経験や英語が話せることが
大きな利点にもなりますし、
基本一人で仕事をするので
人間関係のわずらしさも少ない。
それに乗りものが好きだったので、
車の運転は苦ではありません。
さらに、他に候補に上がった職業よりも
かなり稼げそうな仕事でした。
そういった経緯からタクシー会社の求人に応募し、
程なく今の会社から内定を頂きました。

タクシー会社に入社してみて…


昨年10月に内定を頂いた後は、
11月に自動車学校で二種免許を取得し、
同月末に正式に入社。
1か月間の研修を経て、
昨年末に乗務員としてデビューしました。

デビューから2か月ほど経ちますが、
この2か月間に感じたことを
まとめてみたいと思います。

入社してよかったこと


タクシー運転手をしていて一番良かったと感じることは、
「一人の時間が長い」ことです。
基本的にこの仕事は一人での作業しかありません。
なので上司や同僚に神経を使う場面は
非常に少ないです。
もちろん多少の人との関わりはあるのですが、
幸い人に恵まれた職場で、
人間関係で悩んだことはあまりないです。
また接客業なので、
お客さんとのやり取りはありますが、
ずっとお客さんの相手をするわけではありません。
嫌なお客さんももちろんいますが、
一度きりの関係なので、
その点は気が楽です。

自分自身で仕事のコントロールがしやすいことも、
この仕事の魅力です。
出勤時間はかなり早いですが
ある程度幅がありますし、
退勤時間もある程度自分でコントロールできます。
余裕がある時は長く乗務して
その分売上を多く稼いだり、
逆に用事がある時や疲れていると感じた時は、
早めに帰ったりします。
また休憩時間も最低の時間が決まっているだけで、
好きなタイミングで好きな時間だけ休憩を取っています。

入社して苦労したこと


入社して一番苦労したことは、
思った以上に売り上げが伸びないことです。
デビュー前に聞いていた話では、
昔はお客さんを見つけるのに
ノウハウが必要でしたが、
今は配車アプリの普及により
そのノウハウはそこまで必要ではなく、
新人でも売上を稼ぎやすくなっているとのことでした。
しかし私がデビューしてみると、
思ったほど売上が伸びない日々が続きました。
周りの同期や先輩の話を聞いてみると、
アプリ配車においても
どういう走り方をするかノウハウが必要で、
売上を稼ぐのはそんなに簡単ではないのです。
タクシー運転手は売上に連動した給与体系なので、
売上が上がらないと給料も上がりません。
私はこの1年間定職に就けず、
経済状況も厳しい状態だったので、
売上が想定以上に上がらないことで
焦りや不安を感じました。
ただ、自分の走り方に改善の余地はありますし、
春になれば観光需要も増えてくるので、
健気に前向きに頑張りたいと思います。

それから、
入社して一番辛かったことがありました。
それは事故を起こしたことです。
運転手デビューして一カ月が経った頃、
立て続けに二度事故を起こしました。
いずれも自損事故で人的被害はなく、
車両を修理するだけで済みました。
しかし精神的なショックは大きかったです。
また事故による修理代の一部は自己負担になります。
経済的余裕のない自分にとっては
大きな痛手でした。
仕事のミスが大きな負担となって降りかかるのが、
この仕事の厳しさでもあります。

上記に挙げた以外にも、
朝が苦手なので早起きすることが大変なこと、
売上を稼ぐために長時間労働となってしまいがちなことなど、
大変なことは沢山あります。

繊細さんにタクシー運転手は向いているか

まだ入社して3か月、
運転手としてデビューして2か月経ちました。
1か月で離職を2回経験している身としては、
よく頑張っているほうなんじゃないと思っています
(志が低いですが…)。
身体的・精神的な負担は少なくない仕事ですが、
人間関係の悩みがかなり少ないことは
自分にとって凄く有難いことで、
ここまで続けられてきた一番の理由だと思います。
ただ自分と同じ「繊細さん」にこの仕事を勧められるかというと、
僕は積極的には勧めないです。
不安定な給与体系、
事故を起こした時の金銭的・精神的負担、
接客によるストレス等々、
精神的に楽な仕事ではありません。
精神的安定を求めるなら、
他にもっといい仕事があると思います。

私自身、
この職業選択が正しかったのか、
自信を持って言い切れる段階にはありません。
ただこの選択を正解していけるよう、
まずは地道にこの仕事に向き合っていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。

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