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新たな経済圏と、研究サロン

このnoteは「舞台型と祭り型のオンラインサロン」の続きです。

今後、祭り型のオンラインサロンの上位概念として、能動的メンバーが自由に参加脱退する組織が様々な形で姿を現すだろう。さらにそれらが複数連携することで新たな経済圏が生まれ、本質的な働き方の変化が起こるのではないかと考えている。どんな流れでそれが実現するのかはわからないけれども、今日も、頭の中に浮かぶことをそのまま書いてみたいと思う。

好きなことで生きていく、会社に代わる組織

ワクワクする体験を求めて、お金を払ってまでオンラインサロンに参加するメンバー。実は自分の能力が必要とされる場面では、逆にお金が得られる機会も与えられている。

最初は参加費が回収できるぐらいの報酬かもしれない。しかし、今後サロンのスケールが拡大し、複数のサロン間の連携が進み、サロンが生み出す成果物が世に認められ収益を産むようになれば、メンバーの何人かはその報酬だけでも暮らしていけるようになる可能性だってある。

ここまで来ればほとんど会社組織のようなものだ。しかし、決定的な違いは、メンバーはその報酬が目的で参加しているわけではないということだ。本来サロンメンバーは自分の好きな仲間と勉強したりプロジェクトを進める楽しさに対価を払って参加しているのであって、嫌ならその場にいる必要はない。

会社に代わる組織としてオンラインサロンの上位概念は成立しうるだろうか。そのためには、オンラインサロンとそれを取り巻く周囲の環境が、新たな経済圏を生むかどうかにかかっている。その経済圏で取引されるのは、お金はもちろんだが、それに代わる何かが流通しているかもしれない。

サブスクリプション型のクラウドファンディング

最初はサロンメンバーの参加費が原資となってプロジェクトが回り始める。その資金を使って運営者が何かを生み出す。それだけでも「私が育てた」という満足感や「その場に携わった」という特別感によって、応援してきたメンバーにとっては参加費相応の体験が得られるため、そこから少しずつ経済が回り始める。さらにメンバー限定でその成果物が共有されるなら、サブスクリプション型のクラウドファンディングとして成立するはずだ。

さらに成功するサロンは、舞台型から祭り型への転換を遂げて、サロンメンバー自身も価値を生み出すようになる。やがてその価値がサロンを飛び出して他のサロンや一般の目にも触れて、価値の交流と対価の取引が始まると、会社組織のように回り始めてB2CやB2Bのような形態、サロンをSとするとS2CやS2Bのような形態で経済が発展していく可能性はありそうだ。

お金がなくても生きていける、新たな経済圏

このようにして、メンバーの資金力によって運営者にお金がなくても生きていける仕組みは作れそうだが、もし運営者が独自通貨を発行したとすると、メンバーも高い参加費を払わずに成り立つ仕組みが作れるかもしれない。

運営者の発行する通貨がサロンの成果物と交換できる約束がなされていたとすると、サロン内の仕事の支払いもその通貨で行えるようになる。なぜならその仕事はサロンの運営者のビジョン実現と、そのビジョンに賛同するメンバーの元で実行されるものなので、インセンティブとして成り立つからだ。

運営者は元手なしで通貨を発行し、メンバーはその通貨に価値を認め、仕事を請け負うようになる。すると、参加費が十分でなくとも仕事がサロン内で発注できるようになる。つまり、成果物が完成した際にはメンバーは自分が仕事で稼いだ通貨でその成果物を得られ、運営者は自分のビジョンを実現できる、というWin-Winの関係になる。

もしサロンの成果物が一般の人々にも価値のあるものとして受け入れられるなら、その通貨はサロンの外にも流通し始めるだろう。サロンの数だけ通貨の種類があるのは厄介なように感じるかもしれないが、そこはITの出番である。通貨を扱っていることすら気づかないぐらいに取引の自動化がなされれば、各サロンの運営者の発行する通貨がネット上を駆け巡る、新たな経済圏が生まれる可能性がある。

そのとき、法定通貨は必要だろうか。運営者のビジョンが魅力的であれば、運営者が発行する通貨は価値を持つようになる。その通貨が流通し仕事が回ることで、お金がなくても描いたビジョンが実現するような新しい経済圏が、オンラインサロンをきっかけとして広がっていくかもしれない。

研究サロンは成り立つか

個人的に一つ挑戦してみたいことがある。それは、研究サロンは成り立つか、ということである。研究者が生きていく道として、企業の研究所で勤めていく道、大学の教員として勤めていく道がある。しかしここに第3の道として、研究者のビジョンに賛同し支えるサロンは成り立つだろうかという興味がある。

メンバーには最新の研究成果をオープンにする。受賞や実用化を通して、メンバーとして社会の発展に共に寄与したという喜びを皆で分かち合う。さらに、特許収入や実用化された際の収益を、支援期間や貢献度によって皆で分配し合う。また、独自に発行した通貨によって、研究成果を優先的に活用する権利を付与することも可能だろう。

研究の意義を認めて共に実現したいと思うメンバーがいれば、企業や国の意向によって研究テーマを歪められることも中断されることもなく、煩雑な事務作業に時間を無駄にすることもなく、研究者は本来の遂行すべき研究に集中できる…。はたしてこのようなことは実現可能だろうか。

もし優れた成果ができて、仮にもノーベル賞を受賞するようなことがあれば、その受賞対象は研究者個人というよりは、研究サロンが対象になるかもしれない。メンバーと共に社会の発展のために貢献し、グループとしてノーベル賞を受賞するなんて事例が出てきたなら、こんなに面白いことはないなと思う

成り立つかどうかじゃない、やるかどうかだ

研究サロンが成り立つかどうかはわからない。けれども、挑戦することはできる。というわけで「小出俊夫の研究サロン」を開設し、実際にやってみたいと思う。

まずは、研究テーマだが、それを探るところから開始したいと思う。興味のある分野は、これまでのnoteの吐き出しをみてもらえればわかると思うが、以下のnoteが最もまとまっているかもしれない。

まずは実験なので、noteの有料マガジンの機能で開始してみたい。マガジンは継続課金ではなく単体課金とし、一度購入したらそれでおしまい。価格は購読者数で決めたい。メトカーフの法則に倣ってメンバー数の二乗に比例させることも考えたが、急激に価格が上がりすぎるので、将来の独自通貨の発行分も視野に入れて、単純に購読者数の10倍を参加費にしてみたいと思う。例えば、月末時点で20人未満なら100円、20〜29人なら200円、30〜39人なら300円…という形だ。

この新たな実験に一緒に挑戦してみたい方、一緒に研究活動をしてみたい方はぜひ、こちらからご参加を。

今後の研究関係のnoteは、原則としてこの有料マガジン内で書くことにしたい。

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現在、こちらのマガジンの購入は中止しています。内容を編集して、少しずつ無料で公開していく予定です。

研究者がオンラインサロンを開き、フリーランスならぬ「フリー研究者」として活動できるか挑戦中。

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