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『ワーク・ルールズ!』を読んで。

どうも、人材業に興味・関心のある起業家、平井 宏明です。

最近、CHROの塾に通っておりまして、そこでの課題図書『ワーク・ルールズ!』での僕のレポートを公開します。

(以下、提出したレポートです。)

まず初めに、CHROへの知識インプットをこの本で始めることができて本当に良かったと思っています。推薦くださった堀尾さんはじめ、CANTERA関係者の皆さんに感謝します。

受験塾をしていても思うことなのですが、主体性のない人に、主体性のある動きをしてもらうのは、非常に難しいしコストもかかることです。(だからこそサービスになっているわけですが。)がんばれない人が、頑張れるように教育することを生業としている自分にとって、優秀な人材獲得を教育よりも優先した方が、コストは0.76倍になるという事実には驚き、悔しくもありましたが、採用する側にある会社の立場からすると、人を選ばなければならないのは間違い無いと思います。

Googleの社員さん方のマジョリティーが、創業者のように動いていることを知って、これからの時代、非ITの中小企業がITの分野に入ってくる時期だと考えていまして、少子化の影響での経済縮小が余儀なくされている状況で、いいものを作ることになるとやはり、コスト上プロジェクト単位でアウトソーシングで集めたメンバーで仕事をすることが多くなってきて、そのインスタントなチームのマネジメントスキルがこの先重要だと考えていましたが、プロジェクト単位でビルドしたチームのマネジメントの難しさを実感しました。

彼らは確かに、個人事業主なので自分の仕事がくるかどうかの不安はあると思いますが、WEBの受託開発事業をさせていただいて、多くのデベロッパーやクリエーター、デザイナーと仕事して思ったのは「物を作ればそれでOK」という認識がまだまだ染み付いて離れない人が多いことでした。

「VISIONARYであれ」これをCEO以外に求める場合、会社の従業員ですが、アウトソーシングともなると、それは難しいのかもしれませんね・・・。少なくとも、まだ僕には具体的な解決策は見当たりません。

Googleの文化の礎はミッション、透明性のある情報共有、裁量権の最大化の3つであり、文化こそが最強のコアコンピタンスになるというお話を聞いてからこのパートに振り返ると、「文化が戦略を食う」という言葉のインパクトは、より大きいものになっているな、と感じました。

ミッションステートメントを絞った話題に・簡潔な文にして、共感してもらいやすくしつつみんなで同じ方向を向く、という文化・風土デザインの話について、非常に面白かったです。「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というミッションステートメントは本当に優れていると思います。また、ミッションステートメントを「目標ではなく、道徳である」と語った筆者に感動しました。これらは一生を懸けても達成できないことであるべきである、というモチベーション創出の話も納得しました。飽きがこない文面にする必要がある、というコピーライティングの必要性もここでしりました。

また、教育事業に携わる身としては、Googleの文化の礎のうちの透明性のさる情報共有と裁量権の最大化は、独学できる人材を育てる学校などの教育機関にとっては必要不可欠な内容だな、と確信できたのも、この本を読んでよかったことです。「自分がしてもらいたいことを、他人がする」ことを教育者は理解しなければなりませんね。

裁量権の最大化を実施すると、与えうるアメとムチは少なくなるが、マネージャーは透明性のある情報共有の中に、自分の人間性をのせて社員に伝えて信頼を獲得することで、アメとムチに代わるもの、すなわち権威性を獲得するというお話は、CANTERAでも第一回でお伝えくださった内容で、とてもうなずけました。

ただ、背中で語ると言えども傲慢になってはならない。データで語らなければ、現場を全て評価することなど不可能である、というお話も面白かったです。フィードバックの返し方についても、まずは社員の声を拾ってデータにして、そこからマネージャーで話し合う。意見よりも事実を優先しているデータドリブンで人材を磨く姿、理想的でした。実験してPDCAを回して改善を繰り返す。Googleの「常に気にする文化」があるから、Googleは圧倒的に成長できる企業になったのだということも理解できました。できるだけ、ボトムアップであれ、というアンチ-マイクロマネジメント的な考え方が、Google的な文化があれば生産性をあげうることも、非常に面白い示唆でした。社員が不満に感じたことを、社員に対応を任せるというのも納得できました。この本を読むときは、風土文化の違う企業の施策は、どこにでも当てはまるわけではない、という教訓を常に胸に秘めないといけないですね、全てが魅力的に見えてなりません。笑

業績評価と人材教育を結び付けてはならない、という教訓を忘れてはならないと思いました。パン食い競争では走れるけれど、パンが目的になってしまって、目の前にパンがぶら下がっていない状況で自発的に走ることはなくなる、走ること自体に対する楽しみを感じられないから、走れなくなってしまうという解釈をしていますが、この解釈で正しいとすれば、納得しました。

だから、現場を横断的に見ることが難しいマネージャーだけで全部評価するのではなく、いろんな部署のマネージャーと話し合ってする、キャリブレーション(評価の調整)こそが業績評価の本質との話は肯けた。現場では社員とのコミュニケーションを大切にし、もっと高い視座で見ると、マネージャー同士でのコミュニケーションを大切にしなければならないとわかりました。外的なインセンティブを支払うよう伝えることで内的動機が落ち込んでしまうことを考えると、このキャリブレーションでしっかり評価して、従業員の方々に有能感を抱いてもらわなければ、従業員の離脱が発生して、組織は破綻してしまいます。

また、この本とCANTERAで初めて聞いたOKR(Objective Key and Results / 目標と主要な結果)の本質たるや、"プロセスをいかに重視しないか"が明確な、生産的な制度だと思いました。これを会社のOKRと個人のOKRを合わせないと生産性の伸びは青天井には決してならないので、透明性のあるOKRの共有をするのは重要だと確信しました。

まとめると、「会社も従業員の方も納得できる明確なOKRを設定し、コストをしっかりかけてできるだけ客観的な評価をして、楽しんで仕事をしてもらうために内的動機にフォーカスする」ということだが、シンプルでかつ、従業員の方々に有能感を抱いてもらってかつ、生産性を上げる上で非常に重要で、ほとんどの会社でなかなかできていないことなのではないかと思いました。

実は、今作り込んでいる大学生向けの起業教育斡旋塾事業(Co-Core Factory)で塾生がメンターにサポートを受ける制度があるんですが、メンターのクオリティを常に上げ続ける仕組みとして、この本に書いてあることをふんだんに取り入れることにしました。例えば、p307のマネージャーの業績評価-マネージャーに対するチームの満足度のマトリクスや、p312のプロジェクトオキシジェンの8つの属性リスト、p315のUFS質問事項サンプルなどです。すぐにアウトプットできる内容が多いので、とても読み進めるのが楽しかったです。

人材のパフォーマンスは、正規分布ではなく冪乗分布なので、配分的正義だけではなく、手続き的正義にもフォーカスしなければ、公平性に拘れない。結果として人材の流出になってしまうという事実に驚きました。この辺り、まだ理解が定かではないと思いますのでもう少し読み込む必要がありそうです。

少なくとも、実績を褒め、失敗からどのように学べばいいのか学習してもらうために、失敗したら「なにを学んだか」もちベーティブなフィードバックをするのがマネージャーの役割でもあるのだな、と思いました。この言葉が響くかどうかについては、チーム内での満足度で評価が可能な「権威性」だとCANTERAで学びました。

「トイレをいつも綺麗に使っていただきありがとうございます」でおなじみの、ナッジについては、まだ学びきれていない感覚があるので、どの領域でさらに学んでいけるかリサーチが必要だと思いました。主体的に動いてもらう中で、ある程度の仕組みを設計するのであれば、重要な概念だからです。チェックリストなどの仕組み、透明性のある情報共有によるトラブルシューティングは、秀逸だなと思いました。個人の自由と全体の自由に必要なのはナッジなんだと納得しました。そのために、組織に対する攻撃の盾となりながらも、自分の原則に忠実でなければなりませんね。権威性のポイントを積み上げる方法論でもあるように思えました。

以上です。レポート、遅くなってすみません。アドバイスお願いいたします。

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