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都知事選ネット討論会のこと

もう少し都知事選に粘着してみよう。長いので、覚悟して読むように。読みやすくは、してみたつもり。

昨日かな。4候補者によるネット討論会が行われた。4人がリングに上がり、四角に立って、さあやり合おうか、と言ったプロレスでいうバトルロイヤルの格好だ。よし、討論全部書き起こしたるぞ、などという気合はない。なんといっても日曜日だ。休みだぜ。何でこんなことやってんだと我に帰る前に筆を進めよう。

討論会は、まるまる見てみたんだが、後半に行くにつれて、いちばん強い小池をやっちまおうぜ、というまさにバトルロイヤルの常道展開になる。そこがクライマックスなのだろうが正直、興をそそられない。どうせ、大手メディアがそれぞれの思惑を込めながら、理論誘導しながらまとめてくれるだろう。「蓮舫の舌鋒に小池タジタジ」とか「市長時代よろしく鋭く切り込む石丸」「議論が噛み合わない場面も」なんて感じ。

さて、メディアが注目していないところを掘るが、面白かったのは討論の前のひとつの質問である。

東京の魅力はなんですか。という質問に対して。

石丸

「東京の魅力は何と言っても経済力だと思います。実際マンハッタンに住んでみて、確かにニューヨークは国際金融都市。アメリカの経済の中心ではあります。でも暮らしという観点で見ればはるかに東京の方が上。しかしその東京の豊かさは経済あってこそ。その魅力が果たしていつまで保たれるんだろう。そこに一抹どころではない図りしれない不安を覚えてるというのが現状です」

田母神

「東京はまず食べ物がおいしいことが、一番魅力ではないかな、という風に思っております。何でもある。何でも思えば食べに行ける。素晴らしい街だなと思います。で、日本人特有の優しさ。これも東京の町では相互の思いやりの上に作り上げられている。あと、どこに行くのにも非常に便利ですね 。ただ若干、最近道路が混むからこれは何とかしなきゃいけないかなという風には思ってます。東京は本当に素晴らしい何でも自由にできるおいしい街だなと思ってます。

蓮舫

「東京の魅力は何でもある夢を叶えられる場所だと思ってます。ここで生まれ育った子も、他の町からやってきた子も本当にビジネスでもチャンスがある。国際性、多様性もあるし、リーダーとして日本を牽引していく力もあるし。世界でも東京という都はやっぱり評価が高い。でも残念ながら やっぱり豊さで言うと、確かに手取りは47都道府県のうち3位なんです。けれどもそこから光熱費等々を引いたら、実は手取りは47道府県で47位。使えるお金をもっと増やして差し上げれば、諦めないで住む東京になれると思ってるんです」

小池

「東京の魅力。それは日本人は逆によく理解していない部分だと思います。こんなに安全で安心な町はありません。1400万人の人口があり、近隣から毎日通勤通学で 300万人が東京に来られまた帰っていく。その中でこれほどの精緻なシステムで交通が安全に動いているえメトロからJRからいろんな鉄道も完備をいたしております。何よりも清潔なこと。これはですねあの海外の人たちは本当に驚く。何よりも美味しいというも点も大変 大きなポイントだと思います。革新と伝統が合わさってる。それが東京の魅力です」

さて、みなさんは、どの人に好感度を感じるだろうか。私は断然、田母神だった。石丸も、蓮舫も、小池も、壇上から見下ろすような語り口だ。簡単に言えば庶民目線でなく、偉ぶっている。

わかりやすくするために、4候補の話を極端に要約してみる。

石丸

「マンハッタンに住んでた俺から見ても東京の暮らしは最高。でも、経済やばいから、めちゃくちゃ不安です」

田母神

「東京は食べものがおいしい。人がやさしい。街に思いやりがある。しかも交通も便利。でも渋滞はなんとかしたいなあ」

蓮舫

「東京って夢もチャンスもある。給料も高い。でも給料、生活費に消えるよね。だからお金、増やして差し上げるわ」

小池

「安全だよね。人多いよね。交通システムすごいよね。街もきれいだし、食もおいしい。革新と伝統、魅力的だわ」

さて、東京を愛しているのは誰だろうか。と考えてほしい。

石丸も、蓮舫も、金の話をした。小池は、東京の魅力をそつなくまとめた。田母神は、庶民の目で東京の魅力を語ってる。なにより。

「このおじさん。東京が好きなんだろうな」

というのが伝わってくる。

田母神はけっこう票をのばすんじゃないかな。地元愛がいくらあっても能力が低くちゃ話にならない、という批判もできるけど、地元愛って最低限もっておくもので。それさえあれば、「悪くしないから」という印象を受ける。能力で選ぶならAIがやればいいわけだし。

これ以上、田母神を推すと、右翼だと思われるのでやめておこう。

今日の音楽は、くるりの「東京」。

便利になればなるほど、人は情で動くようになっていく気がする。だって俺、政策読んでない。読まなきゃなあ。

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