急に親が死んだ時にしたこと

2021年の8月1日 父親が急死しまして、この所バタバタしています。

24歳の私には相続なんて未知の世界でした。

参考になるものはないかと色んなサイトを見た。

でもだいたいは、49日までにやることまとめ みたいなやつばっかりだし、口座のことは「凍結する前に下ろしておけ」みたいな、在り来りなもんばっかりでうんざりだった。

私が知りたいのはそんなんじゃなかった

父は借金を抱えながら、急死した。(死因は自殺ではなく脳出血。)
借金はあるけど、自分のマイホームと親の土地、親が貸している土地があった。なので私は借金を返したくない!と相続放棄をすると、父親と祖父母が残した土地も放棄することになる。

数千万の土地を相続して、借金を返す方がお金が手に入る。

世の中にはきっと同じように借金はあったけど土地もある というようなうちの父みたいな親を持ったひともいるだろう。

そんな人が読んでくれたら、為になったらと思いここにまとめておく。


まず、父親は脳出血で自宅で死亡した。

半日連絡が取れないので、ふと嫌な予感がして自分の子供を連れて実家に行ったところ、リビングで倒れている父を私が発見した。

一応救急に電話したら、蘇生させるためになんちゃらとか言われた。死後硬直してるので無理ですと言った。

孤独死、確か触ったり体制変えちゃいけないとどこかで見た事あったからそのままにした。

次に警察に連絡した。

警察と救急隊員は同じくらいに来たような。

そこで家の中や父の遺体の写真を撮られた。

余談だが、昨年亡くなった祖母の時は、自宅で冷たくなっているのを近所の合鍵を持った友人が第1発見者だったため、身元確認を息子である父親が、その場で確認をするまで警察側も動けない。署で顔を確認ということが出来ないそうだ。

発見者以外は部屋の中には入れない。

家で大量のおじさんたちが死んだ父親を囲み捜査をされている中、私は警察の車で父親の連絡先や既往歴について答えた。生命保険に加入しているかなども(後に書くが、私が知っている父親の生命保険はもう解約されていて新しいものになっていた)

警察は父親の携帯や財布を勝手に見て最期どこに行ったのかとか誰と連絡していたのかとか調べるんだが、「娘さんには言い難いですが最期はキャバクラの女の子でした」と言われた

別に言い難いことじゃないですけど..

父親の遺体は行政解剖に出された。

行政解剖とは...参考までに↓

事件性はないと判断された遺体の死因究明を目的とするのが、行政解剖です。死体解剖保存法に基づいて実施され、遺族の承諾を必要としないのが特徴です。その代わり、行政解剖を行えるのは監察医のみと規定されていて、現在、監察医が置かれているのは東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市および神戸市に限られています。

検視は、主に犯罪性の有無を確認するために行われます。また、刑事訴訟法でも変死や変死の疑いのある遺体は検視をしなければならないと規定されています。 さらに家族の事情聴取や指紋採取も認められているため、原則として遺族は検視を拒否できないと考えてください。

孤独死の場合、検案もしくは解剖が行われる。

昨年祖母も家で急死した時も解剖が行われた。

拒否権はほぼ無いので、どうぞお願いしますと遺体をお願いする。

ちなみに東京23区では無料だそうだが、うちの父は横浜市に住んでいたので横浜市では解剖費が90000円もかかる。解剖する病院までの交通費なども数万円かかる。

でも、自分の身近な人を急に亡くした時、余程長生きして老衰だろうと思えない限りは、お金を払ってでも死因を知りたいと思う人がほとんどだろう。

それから、

悲しむ時間も泣き崩れる時間を作る暇もなく、その場で葬儀屋をどうするかを決めないといけない。

というのも警察側から解剖医に遺体を渡し、解剖が終わったら葬儀屋の方で遺体を安置してもらわないといけない。

「とりあえず遺体を安置してくれる葬儀屋」を見つけないといけないということだ

父のいとこの知り合いで、父も生前飲んだことがある人が葬儀屋で仕事をしていたので、そちらにお願いした。

遺体を預かってくれたのに、葬儀はそこでやらない なんてことできますか?私にはできない。

そこが高かろうとなんだろうとお願いしようと決めた。なので他は見てない。

葬儀はコロナもあり、家族葬で。お寺からお坊さんを呼ぶのに御車代や食事代、精進落とし代、お布施もろもろで200万はかかった。

宗派など色々あるが、うちは浄土宗という宗教で、町田の常楽寺からお坊さんを呼んでお経を唱えて頂いた。49日はそちらのお寺でやる。

49日までには葬儀屋でいただいた白木の位牌から新しく位牌を買わないといけない。

5万〜くらい。結構する。

(通常コロナ禍出ない場合は、法要後にお墓まで来ていただきそこでもお経を唱えて頂くことが一般的。)

家族に迷惑かけたくないなら生命保険は入った方がいい。そして、親がどこの生命保険に入っているのか絶対に聞いた方がいい。どこの銀行を使っているかもひとつのノートにまとめてもらうべきだ。

父親は祖母が亡くなった時にお金がかかったので、娘である私には迷惑をかけたくないと生命保険を知り合いのところで入ったらしい。

ただ借金が膨らんだからなのか今年の2月から支払えなかったようで滞納していた。優しい知り合いが何度も連絡したが連絡がつかず、解約しようか迷っていたけど数ヶ月待っていてくれた矢先に父が死んだ。死亡保険が降りるまでは1ヶ月くらいかかった。

私は無知だったので、死亡保険というのは区役所に死亡届が出されたら保険会社や銀行にも連絡がいって銀行はすぐに凍結し、生命保険会社も連絡くれるだろう〜程度に思っていた(と言うかそこまでも考えてなかった)が、警察や区役所はそこまで動かない。

銀行はこちらから申告しない限り凍結はしないし、生命保険会社もこちらから申告しない限り死亡した事実をしることはない。

なのでよく勘違いされる「死亡届が出された時点で銀行は口座を凍結する」というのは嘘。

遺族がどこの死亡保険に加入していたか知らないと死亡保険が降りない!

ただこういう父のようなケースや事件事故災害などで急に亡くなる方も沢山いるので、日本には「生命保険契約照会制度」というのがある。
生命保険協会の専用窓口に問い合わせることで、各生命保険会社を横断して契約の有無を調べてもらえるそうだ。複数の生命保険会社に問い合わせなくても生命保険協会への照会だけで済むので、請求にかかる手間や負担を減らすことができる。

父の場合は不幸中の幸いで、知り合いが訃報を知り私に連絡をくれたが、もしその人が連絡をくれなかったら..。と思うと恐ろしい。保険会社がわからない場合はお金をかけ弁護士を使うか協会を使い調べるしかなかった。もしくは「どうせ口座に金ないしむしろマイナスだし生命保険なんて入ってないか解約されるだろう」と諦めていたかもしれない。


銀行口座についても、司法書士を使えば父親が日本で作った銀行口座を全て探し出してくれるだろう〜なんて思っていたけど司法書士はそこまでしてくれない。被相続人の住んでいた近くの銀行をあたって「○○という名前の口座はあるか」というのを聞きまくるしか方法がないそう。

なので私は仕事の給料の振込先を職場に確認、祖父母の土地で賃貸に出しているところからの家賃収入の振込先を不動産に確認をした。

それで全ての銀行口座が分かった(と思う)

口座番号が分かれば、通帳がなくても取引明細書を出せるのでなんとなく父親のお金の動きがわかる。なんであんなにお金を使い果たし借金までしていたのか知りたくないような知っておきたいような複雑な心境。

取引明細書には2日に1度コンビニで20万を下ろしている記載があった。

親の知りたくない生活を知るのは精神的にすごくキツかった。

司法書士以上に子供の方がこういうことは出来ると思う。ただ相続登記は司法書士を使わないと無理。

どこも1件10万円が相場だと思う。うちは祖父母の土地と父親のマンションもあるので2件で20万ほど。

それから、遺品整理や土地の売却も早めに進めた。

父親は脳出血で嘔吐もしていたのと鼻血を出していたので(チワワのゲロレベルだが)早めに掃除をしたかったけど気持ち的に1人で父親のいない家に入るのが精神的にきつく、亡くなった次の日葬儀屋の紹介のところで清掃と遺品整理をお願いした。

遺品整理の見積もりをお願いした日に、清掃をしてもらった。それが3万程。犬の粗相レベルの吐瀉物だったので冷静になれば自分で出来ること、それが3万なんて高すぎたかもしれないが、あの時の私にはできなかった。むしろありがたい。

60平米のマンションだが42万程かかった。これも高すぎたと思う。安いところは半分以下のところなんてざらにある。でも、葬儀屋同様、遺品整理の見積もりをしてもらい、吐瀉物を片付けてもらった人にやっぱり高いんで辞めますということは出来なかった。

遺品整理を早くしたのは、ずっとそのままにしておくと気持ちの整理がつかないというのもあるが1番は固定資産税とマンションの管理費等でお金がかかるのが嫌だったから。

早めに遺品整理をして、マンションを売ることにした。

マンションを売るのには、そのままの状態で業者に買い取ってもらい業者が改造してお客様に売るか、自分でお金をかけてリフォームやリノベーションをして一般の人に売るのかの選択肢がある。

ただ、築年数が立っていてフルリノベーションしないといけない家に300万程かけて一般の人に売る価値があるか、設けられるかというとそうでもなかったので、業者に売ることにした。

その方が早くお金も手に入る。一般のお客様が入居するまで待つ必要が無いから。

3割ほど一般に出すよりは値は落ちるが、早くお金を手にしたい人は業者に売る方をオススメする。


とにかく区役所に何度も行った

区役所に行く度にお客様、と呼ばれるのに違和感を感じる。なぜ私はお金払っていないしサービス受けていないのにお客様なんだ?まぁ税金払っているから?区役所に行くと1日あっという間にすぎるから嫌い。

死亡届(死体検案書)は葬儀屋が解剖医に書いてもらったのを受け取り、私が書くところを記載したら葬儀屋から区役所に出して貰えた。届出人は私になるが私の知らないところで死亡届が受理されていた。

ただ死亡届以外の手続き(相続につかう戸籍謄本や住民票)などは何度も取りに行った。

戸籍謄本や住民票には何種類もあって、戸籍全部事項証明や除籍やら色々。

私は手際が悪かったのでみんなにはオススメしたいが、相続関連やお墓関連のことで電話などでやり取りする時には、その書類は「除籍を含むものが必要なのか」「生まれたところまでの戸籍が書いてあるものが必要なのか」きちんと聞いておくといい。


ネットやガス水道電気などの解約をした

父が亡くなったのは8/1だったので月末までに解約すればいいと思っていたが、月末締めではなく25日締めのBIGLOBEを使っていて、たまたま25日に解約の電話をしたらその日が締め日だと知った。締め日なのでとても混んでいて2時間半電話繋げてやっと解約できた。こういうこともあるのでズルズルせずに時間があればネットなどの解約はすぐにしておくべき。携帯ショップは死亡届を持っていけば直ぐに解約できる。電気水道ガスもすぐに止められる。


本当に忙しいけど供養のために自分の身体を大切にするべき

葬儀屋から領収書にそんな感じのことが書いてあった。全く落ち着かず、でもふとした時に涙が出て、天井を見るだけで涙が止まらなくなったりしてしまう。どんなに親子関係がよく築けていたとしても、後悔しないなんてことはないだろう。私は父にできることは沢山したけど、ふとした時「もっと〜したかった」「もっと話したかった」「子供の運動会来て欲しかった」「あの時病院に連れてけばよかった」「自分がかわりに病院に行って薬を貰って飲ませたら良かった」などと思って心臓が抉られるような痛みと共に号泣してしまう。

葬儀が終わってからすぐに精神科に駆け込み安定剤と眠剤をもらった。それを飲んでもこんな感じのメンタルで49日を迎えようとしているので、もしこれを読んでいる親を亡くした方も辛かったらすぐに心のケアのために心療内科の受診をお勧めする。

夜寝れるだけですごく身体が健康。

気持ちはダメでも、身体だけは眠剤のお陰で、睡眠のおかげで調子がいい。

長くなったが、親が亡くなってからやったことはこんな感じ。もっと細かいこと(お香典返し)なども色々あり年内までは忙しくなるだろうけど、供養のためにも 自分がダメになっちゃまずいから、休みながらひとつひとつをクリアしていこうと思う。

そして親のことでこのように苦労しないために親と何かあった時のためにきちんと話し合いしておいて欲しい。

私は父が亡くなる3日4日前にふと話し合いをしておきたくなった。

というのも母親はステージ4の癌を患っていて、父が亡くなる半月前に脳浮腫が酷く言語障害が出てしまった。ステロイドを使って話せることが出来た時、今後なにかあった時のために治療のことやお金の話や葬儀の話など詳しく話した。その日の夜、父親にも電話をかけて「何かあった時のために」と話をしようとしたけど「俺が死んだ時のことを考えるなんて!」と怒られる気がして言えなかった。そしたら数日後突然死んで何も分からなくなった。

父親が亡くなったのは推定6時だがその日私は5時に起きていたので連絡をしようと思ったけど「後ででいいや」と思って最後連絡したのは3.4日前になってしまった。

後ででいいや、怒られるの嫌だから、めんどくさいからいいや と思うとこういうことになる。

みんな、親の知りたくない生活を後から死の悲しみと一緒に味わうよりも どこどこにお金が入っていて というのをノートにまとめてもらってほしい。

ダイソーにも終活ノートのような「じぶんノート」というものがあり、どこに何を入れてるのか、死んだら誰に連絡して欲しいのか、最近ならではのキャッシュレス決算のIDやパスワードなどの記載するノートが売っている。

20代でも突然死ぬ人は死ぬ。うちの父は51だった。まさか自分が死ぬとは思ってなかったはずだ


こういう私みたいな人が1人でも減ってもらうために、親子できちんと話し合っておいて欲しいと心から願う。



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