季語の花 10月
野菊(のぎく) 群生を逃れ一本野菊あり
竜胆(りんどう) 遠足や竜胆群れる三方原
杜鵑草(ほととぎす) 登山道剥きだす根元杜鵑草
通草(あけび) 美味しいと開いて待つは通草かな
芒(すすき) 夕焼けや叩きて散らす芒道
衝羽根(つくばね) 光はね衝羽根回り空き地へと
蘭(らん) 梢咲く蘭がかほりが仰ぎ嗅ぐ
梅擬(うめもどき) 遠くまで鳥よ運んで梅擬
稲(いね) 大水も首だし息し今日の稲
一位の実(いちいのみ) いつの日か笏にならんや一位の実
烏瓜(からすうり) 青筋あげは咲きて招くや烏瓜
藤の実(ふじのみ) 藤棚の実往時の色ぞ今なくも
秋明菊(しゅうめいぎく)刈り取れど花を咲かせに秋明菊
七竈(ななかまど) 赤い実を見つけ名を知る七竈
みせばや みせばやと云いしあの人この花と
栗(くり) 我が物顔他人名義の栗畑
団栗(どんぐり) 団栗や拾ふわらべや五粒だけ
栃の実(とちのみ) お土産は栃の実ゆべし他になし
無花果(いちじく) 味まもる無花果ケーキ棚を占め
椿の実(つばきのみ) 花落ちて如何に出来るか椿の実
林檎(りんご) 釘ぬけど籾が邪魔するりんご箱
茸(きのこ) なににする迷わずメニュー茸汁
紫式部(むらさきしきぶ) 鋭き葉紫式部実が塾す
胡桃(くるみ) 熊よりも早く採りたし胡桃なり
蔦(つた) 植え待てど赤にはならぬ蔦の塀
榠樝の実(かりんのみ) 葉を落とし採りてと願ふ榠樝の実
紅葉(もみじ) 目に一杯紅葉収めた歩けし日
菊(きく) 菊つくり母は卒業挑む蘭
檸檬(れもん) みかん山たった一本檸檬かな
瓢の実(ひょんのみ) 瓢の実や誰を招くかその穴に
秋茱萸(あきぐみ) 秋茱萸がました甘さに服もまし
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