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季語の花 8月

月見草(つきみそう)  首長い闇夜が野原月見草 

百日草(ひゃくにちそう) 花壇でき最初に蒔くは百日草

帚木(ははきぎ)    カーナビに出ては消えるは帚木の地

鷺草(さぎそう)    夕闇に静かに舞うは鷺草よ

サルビア(さるびあ)  寿とサルビア並ぶ庭の文字

夕顔(ゆうがお)    昼に会う夕顔のきみ見窄らし
         
月下美人(げっかびじん) 名にしおう月下美人が闇のなか 

撫子(なでしこ)    撫子を啄み鳩の平和かな

朝顔(あさがお)    釣瓶ない朝顔いずこ伸びゆかん

桔梗(ききょう)    桔梗や雨降る庭へしゃんと立ち 

露草(つゆくさ)    宿題や露草挟み読めぬ本

白桃(はくとう)    白桃や缶切探す留守ひとり

カンナ(かんな)    ハザードランプ赤いカンナ抱え持ち

千屈菜(みそはぎ)   故郷の千屈菜の道けふありや

芙蓉(ふよう)     芙蓉咲く手入れ怠り大木に

西瓜(すいか)     反っ歯の彼たべる西瓜が早きなり

木槿(むくげ)     きぞのひと木槿の恋と知りつつも

草虱(くさじらみ)   ズボンの裾けして離くまじ草虱

葛の花(くずのはな)  道覆う葛の花咲く古寺へ向く

水引の花(みずひきのはな) 揺らす風水引の花煌めきて

女郎花(おみなえし)  女郎花今を盛りも細き茎

鬼灯(ほおずき)    上級生鳴らしてみせる鬼灯か

芭蕉(ばしょう)    羽根ならぬみすぼらし芭蕉風が割く

南瓜(かぼちゃ)    早起きて南瓜の受粉萎む前 

桐一葉(きりひとは)  桐一葉頭にふわり化けにけり

冬瓜(とうがん)    種まかぬごろごろ出来た冬瓜よ

鳳仙花(ほうせんか)  鳳仙花何につかうか黒い実ぞ

吾亦紅(われもこう)  山の端へ今年も咲いたか吾亦紅

猫じゃらし(ねこじゃらし) 草むらの猫が嫌いな猫じゃらし

釣船草(つりふねそう) 手入れせぬ釣船草が裏の庭

松虫草(まつむしそう) 松虫草あの色何処海坊主

鷺草(さぎそう)    夕闇に静かに舞うは鷺草よ

夕顔咲く妹よ何処に待つらむか

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