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季語の花 1月

福寿草(ふくじゅそう) 朝日さす野原群れなす福寿草

楪(ゆずりは)     楪や銀婚式はとうに過ぎ

歯朶(しだ)      玄関に歯朶の青さを飾り終え

薺(なずな)      茅葺古き棟に繁るや薺かな

御行(おぎょう)    御行もすととんとんと刻む母

仏の座(ほとけのざ)  身を縮め群れなすを摘む仏の座

葉牡丹(はぼたん)   葉牡丹や松と競いて残る花器

寒木瓜(かんぼけ)   寒木瓜や晴れの日浴びて紅しかな

寒牡丹(かんぼたん)  菰かぶり葉を忘れたか寒牡丹

椪柑(ぽんかん)    椪柑のかほり続くや指の先

冬菊(ふゆぎく)    冬菊の白さ引き立つ夕間暮れ

寒梅(かんばい)    寒梅を信楽に挿す文机

枯芒(かれすすき)   逆光へ溶けてしまうや枯芒

冬木立(ふゆこだち)  冬木立武蔵野にあり友が家

寒独活(かんうど)   寒独活や大きく伸びる温き室

枯萩(かれはぎ)    枯萩のトンネルが先画角あり

九年母(くねんぼ)   みかん好き未だ口せぬ九年母ぞ

海老芋(えびいも)   海老芋へさらす風来る天竜川

冬苺(ふゆいちご)   紅き実の意外酸っぱき冬苺

冬菫(ふゆすみれ)   冬菫咲けば寒さや和らぎぬ

水仙(すいせん)    水仙やのり面あたる風強し

枯真菰(かれまこも)  枯真菰黄色く映す池の水

蠟梅(ろうばい)    蠟梅の名前教えし彼はいぬ

枯菊(かれぎく)    匂い立つ枯れ菊を焼く庭の端

蕪(かぶ)       くし切りの朝の味噌汁蕪かほる

早梅(そうばい)    早梅は咲けども試験始まらぬ

侘助(わびすけあ)   引っ張り出し一輪挿しへ侘助を

枯芝(かれしば)    枯芝の囲むぶらここ一人揺れ

冬薔薇(ふゆばら)   一輪の夕暮れに咲く冬薔薇よ

雪折(ゆきおれ)    雪折をくぐりて登る滑る山

寒椿(かんつばき)   登り着く雪が棚田の寒椿

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