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朝ドラ俳句

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俳句を始めたが、吟行にも行けなくて、朝ドラを見ていたら句が浮かんだ。
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2021年2月の記事一覧

なつぞら俳句 7月

7/1 五月晴れ似合わぬ庭で打ち合わせ  夏山を目指して行けば牧場あり  夏の庭大きな寝間着吊るし干す  夏野から驚き握る黒電話 7/2 電話へと急いで帰る薄暑かな  夏野原家をめがけてペダルふむ  妹の声想い出あふれ夏来る  十年も声は変わらじ風五月 7/3 似た声が春の十勝に聞こえたり  十勝の朝指で数えて乳搾る  夏至の日に夜行列車十勝へと  朝焼けを赤い屋根待ちにけり 7/4 夏始め白いトラックが行く野原  夏の蝦夷耳の記憶が蘇る  鶯や覗く牛舎光りあり  夏の原赤い

なつぞら俳句 6月

6/1  夏始め母の絵飾る社長室  梅雨あがる北の家族が写真見て 夏の昼柳行李を押し入れて  黄色着て気合をいれて夏の朝  6/3 入社日手順いろいろ秋の朝 秋気澄む初彩色手が震え 飯食わず絵コンテめくる秋の昼 秋麗パンダ飛び出たセルの色 6/4 秋夜更け確かめ仕舞う赤暖簾  秋の朝夕べの汚れ掃き集め  秋陰り湖上の人追いたしも  秋日和派手なドレスに妬く一人 6/5 ドレス替え秋づく街にそぞろ出る  秋半ば電気スタンド筆はしる  昼休み秋澄む庭にてコッペパン  筆すすむヘア

なつぞら俳句 5月

5/1 新宿の二人に射すは夏の日よ  人の目を夏の日差しが遮りて  新宿の歌声に酔う夏の宵  母がゐぬ夏の夕餉のまずきこと 5/2 バターカレー風死す窓辺香り来る  かき氷シロップに加えパイナップル  輸送缶水かけ洗ふ青嵐  尋ね人浅草六区土用凪 5/3  涙なく再開シーン夏舞台  草の息十勝岳けふセピア色  夏の日や兄と天丼蓋とれど  妹よ窓を開ければ夏の星 5/4   夏日射すストリッパーの楽屋裏  夏浅しコーヒー香る裏話 涙色別れの手紙秋を待つ  牛乳輸送缶夏の十勝の日

なつぞら俳句 4月

4/1 風薫る草原はるか十勝岳 涼しさや狐が足をそっと入れ 草いきれ平原むこう赤い屋根 五右衛門風呂肌まで染まるセピア色 4/2 夏の暁だんだん色つく十勝岳 美味さより芋がくいたし真夏なり 夏の宵繕いをする妻を待ち 夏の朝十勝の水が美味きなり 4/3 夏の暁バケツのリズム乳搾る 鶏鳴や畑が緑増し始め 牛が啼く夏の牧場が草ひかり 白樺やなつぞら青く馬車は行く 4/4 夏の昼長靴を買う闇市場 妹つれ暑き日磨きチョコレート 二人してアイスクリームが溶ける舌 夏の暮揺れる馬車の染まる

まんぷく俳句 3月

3/1 特許許可春の決断安全を  春めくがカレー味より父怖し  冬日射すアトリエ慌て書き直し  春支度つらい役でも人の為 3/2  父訊ね猫の恋ほど熱ありや  料亭や春雨過ぎし暖簾ゆれ  業界発足見えし春の虹  母を呼び庭の桜を仰ぎ見て 3/4   秋の声ラーメンを朝食す意義  宵の秋この身へ避けて子の躾 秋高し万博運ぶコーヒーと  秋の空画期的しな開発へ  3/5 まんぷく俳句  万博や三回行った秋の昼  秋の朝プロジェクトの出発  秋のアメリカ丼と箸が無い  うすら寒画伯

まんぷく俳句 2月

2/1 青菜だけ白粥すすり登校す  割烹着ラーメン湯切り春袷  窓向こう春のアトリエ微笑みて  春の月切れ切れで切る細い麺 2/2  春の闇失敗続く麺作り  窓越しに負けぬ目力春の夕   春まけて一から挑む試行あと  マント脱ぐあらゆる手立て味とこし 2/4  春の朝赤いブラウス脱ぎはじめ スプリングコート紅いドレスが表れて 五ヶ条を唱え直せど鳥曇り 貌鳥や深い悲しみ説く如く 造れどもふやけ腰なし木瓜の花  ☆2/5  味着いた三春過ぐラーメン道  肩出して春のアトリエ促がす

まんぷく俳句 1月

1/4 花の冷え記者押し寄せ苛立ちぬ せわしない合格発表待つ娘  間を入れて合格の通知嬉々と告げ  ひと来る運命変える春の朝 1/5 残る雪新しポスト願われど 桜時無職の我なげく義母(はは)  すがりたい春の夢人険しいと  春明日決断告げし台所 1/7 十二月成果たたえし光る朝 浅き冬玄関の靴揃えたり 年流るゆくさき不安油断すな 冬最中世の中にない道具作り 1/8 調理器の工場にはいる明日の春 冬日さすムカデの玩具踏み台に 冬の宵画き終われどもみたされず 眠り付く昔を想う夜半

まんぷく俳句 12月

12/1 夏暖簾くぐり新人仲間入り 夏帽子扇ぎ販路のみちを説き 不満消し光りさす底昆布採る 夢待ち人夏の暁現われし 12/3 夏日影連行の縄長く伸び 汗匂う顔写真悪者風 暑き日や触れぬほどの鉄格子 炎昼や尋問待つ牢屋荒む 12/4 熱帯夜尋問続き夜明けまで 夏の宵鉄格子きる内と外 カマス詰め晩夏の風が後押して 夏の風MP入りて暑さ増す 12/5 夏の浜現場検証何も出ず 手榴弾爆発あとの夏の凪 夏の牢屋熱弁激し温度まし 真夏日の熱きラーメン啜れども 12/6 真夏日や練り訴えし

まんぷく俳句 11月

11/5 たどりつく五月の海へはしゃぐきみ 夏の部屋吹き込む汐香浜の砂 夏の暮アトリエの椅子はしる筆 二人の前波とたわむる夜光虫 11/6 学び行く蒸され列車赤穂へと 五月の波潮汲む足へ砂流る 夏日照り盥の水が生温き 11/7 眠けれど夏の夜中の机上案 81枚鉄板並べる夏の浜 夏風の吹き込む座敷伏せ頼み 夏没日募集貼り紙新しく 11/8 風そよぐ夏の海岸杭を打ち 真夏の夜夢が膨らむ塩作り 夏の飯天手古舞で塩足りず 11/9 焼けた鉄板並べる浜も風の死す 熱くなり浜の鉄板南風吹

まんぷく俳句 10月&11月1週

10/27 目覚めたり握る妻の手夏の朝 穴続く機銃掃射が畑の夏 10/29 炎天下蝉の音遠く詔  夏の風アトリエの椅子筆と待つ 夏廊下爆風会わぬガラス紙 瓦礫だけ臭い残した夏の夕 10/30 不公平身にしむ竹の子生活 秋の宵水団食べれ御馳走と うすら寒む剥ぐごと着物売り初めし 10/31 秋の風呂発想閃く判子売り 秋の宵イーゼル立ちて主を待ち 長き夜に眠気払いがしりとりと 11/1 秋日射跳びつく子らへ帰る父 餓えたりと忍びて漁る夜半の秋 そぞろ寒美味き水団むせり喰い 11