ゆ め

淡く、時に濃く、日常。

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    なんとなく気に入ってる文章をまとめました。カネコアヤノの歌詞が入ってたり入ってなかったりしてます。

最近の記事

不安ばかりの21歳が終わった

    • 春の毛糸

      君のくるぶしにはネジが埋まっていて、君が世界地図を踏むたびに少しずつ緩んでいくんだよ。ネジが外れる頃、君は地に深く埋まってしまう。埋まってしまえばいい。最初から全てに価値を見出そうとする君の悪い癖が好きじゃなかった。君の手にあるのはフォーク。鋭くあればいいのに、傷つき足りない。勝負をしよう。私が、君が埋まる地を踏んで踏んで踏んで固く固く埋めるから。冷たい風が恋しくなったら、私の勝ち。先に私が暖かなタオルの匂いが恋しくなったら君の勝ち。こんな事を20時、バスの中で考えていた。今

      • 図鑑

        タイヨウをタイヨーとは呼びたくない。 おはようをおはよーとは言いたくない。 ワタシは魚になりたくない。 二重にも三重にもして救いたいのだけれど大きな網目。手のひらいっぱいに水をすくう。指の隙間からこぼれ落ちる水へ果物ナイフを隠し持って今すぐに飛んでいきたい。感電注意の空間では物音は立てられない。 魚は水の中を土の中をアスファルトを進む。 進む手段は使い捨て止まる手段はお守り。 森林はCDジャケットそのまま、なんの儀式もなく祈る。砂の重みが背中を温める。本日よりどの穴から見えて

        • シューベルトのソナタニ長調、村上春樹、カネコアヤノ、小山田壮平、居眠りこのほとんど15分ラジオ。魅力的だと感じる感性を持つ人間は同種。

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          4本

        記事

          君の思考を熟考して1日が終わる

          君の思考を熟考して1日が終わる

          打て

          おにぎり咥えて本を読み歩く。最近は幸せがすぎる。君のことが好きだし、私のことはもっと好き。彼のことも好きだし、今日は彼女の素敵なところを新たに見つけた。だから、今日は散文を打って。 キャンドルなんかつけてないで、大きな花火をどかーんとあげよう。一緒に泣きじゃくろうよ。今日は16時間寝た。笑ってよ。遠い国の話をしよう。私の夢だよ。毛布の中の堕落が唯一の居場所。歩くのが遅いなと前の人に苛立つ。いつもそうだ。他人に優しくできない。私は、私のことをよく知らない人間は好きじゃないし、

          最近は少し幸せで、私は感情的でないと言葉が出てこない。

          最近は少し幸せで、私は感情的でないと言葉が出てこない。

          南半球

          おめでとうが聞こえたら、紫陽花が綺麗な季節になったら、夜が長くなったら、チョコパイが発売されたら。生活を抜け出して文字を打ち言葉を送る。彼女に生きて欲しいと言う人間を無くさないために声を聞く。プレイリストを作らない彼女の選曲が好みだった。 トラックジャケットにシフォンを合わせると笑われる事を学んだ。歩き方が分からない。海の深さが分からない。星空の広さが分からない。焦点が合わない。残酷なものね。 刺々しい夜に南半球から電話が来た。彼女のせいよ、彼のせいかもしれない。生ぬるい

          普段は語尾を曖昧にぼそぼそと話すくせに、星空と食べ物のことになると急に鼻息荒げて早口でまくしたてるお前のこと大好き。

          普段は語尾を曖昧にぼそぼそと話すくせに、星空と食べ物のことになると急に鼻息荒げて早口でまくしたてるお前のこと大好き。

          幸せ開封作業は犯行予告

          スニーカーの靴紐が切れた。忘れられるわけないだろと言わんばかりに。色褪せてく、忘れられるわけないだろ、薄れていく、2度と重なるもんか。私はその時を待ち構える。靴紐をリボン結びにしてゴミ箱に投げた。 幸せ開封作業は犯行予告。青、桃、黄、紺、白。うとうとするまで考え込んでいた。 私は疑う。泳ぎ続けたいが為に疑う。水面から顔を出して息継ぎをした時やっと疑うことを止める決断ができるだろう。その時までは犬掻きをして疑い泳ぐ。 真っ赤な月が夜空の低いところに止まる。高いところに登る

          幸せ開封作業は犯行予告

          幸せ開封作業は犯行予告。

          幸せ開封作業は犯行予告。

          Help、おっけー、で電話できる関係性好き

          Help、おっけー、で電話できる関係性好き

          いぬ

          ウールのマフラーが肌に刺さって、これが合図だった。こっちにおいでよと叫んだが、だいたい朝も昼も感傷的なんだよ。夜のコンビニには規制が張られていたから一晩中蹲る羽目になった。手探りで見つけた有線イヤホンを解く。耳に刺して生きる頃には朝だった。複数個の理由は無くて、生きる為に電線コイルの入ったイヤホンを刺していた。同意を得ずに息継ぎをする。腹は減らない、満たされない不安で胃は埋まり続ける。 柔らかな毛糸のセーターを着たいが胸の膨らみが煩わしい。華奢かつ猫っ毛の女の子になりたいけ

          2024やりたいこと 住処を好きな空間にしたい。古着と本の整理、食器の見直し、など。 1人飛行機乗って向かう神保町で数日過ごし、annie vintageの古着に癒され、よみたやで本を買い、素敵なラグ探しに出かけたい。

          2024やりたいこと 住処を好きな空間にしたい。古着と本の整理、食器の見直し、など。 1人飛行機乗って向かう神保町で数日過ごし、annie vintageの古着に癒され、よみたやで本を買い、素敵なラグ探しに出かけたい。

          ばらばら

          桃の街は鮮やかだった。 素直な土地に引き込まれ、ふらつきながら美化に走る。美化された街で夢中になりたかった。陽が落ちると点々とつく灯り。決して眩しく感じさせない気品。艶やかだが幼い。素直な土地を美化している私は日常から逃げられなくなっていた。 牡丹の街は繊細だった。 閉館間近の駅ビル。人気の無い地下道。黄土色の稲と灰色の薄暗い空が続く国道。小さな立て看板とランプのオレンジ色に店主の人柄が漏れる古本屋。重い扉で出迎える喫茶店。高い天井から垂れ下がるシャンデリアとジャズ。ただそ

          ばらばら

          あれ

          無言の圧力と燻んだ色、折れた首。近くを通る、誰かに追われている。心臓が圧迫され震えて逃げ出したくなる。虐待をうけたキリンのよう、佇まいを忘れることができない。脳みそにベタリと張り付く。 鼻から大きく空気を吸って肺を膨らませる。 どこに行くの。過去よ。 かっこいいと思いたかった。目を見開いて憧憬の念を抱いていたかった。 あれ、あれよ。 苦手分野なの。 プールサイドのフェンス、ほんのり色づくリップクリーム、ぎりぎり肩につかない長さでとオーダーする髪。校則の網を掻い潜ることに