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「言葉選び」の怖さと素晴らしさ

過去に「言葉選び」の怖さを感じることがありました。

これは、経営コンサルタントを本業としている時のことです。

ある企業のサポートをすることになり、その時に契約を取ったKくんが、そこの企業の社員に今までの経緯とこれからの計画を説明する機会がありました。

そこで彼は、次のようなことを話しました。


人間には2通りのタイプがあります。

それは目標を持って周りを動かすタイプと、目標を持たずに周りに動かされるタイプの2つです。

皆さんはどちらを選ばれますか?


この時にKくんが伝えたかったことは「目標を持って生きることの大切さ」です。

しかし結果的にKくんは、そこの社員から猛反発を受けて出入り禁止になってしまったのです。

なぜだと思いますか?

それは「目標を持たずに周りに動かされる」という言葉が、猛反発の原因となったのです。

そこの会社は、建設業を営んでいる会社で、その仕事のほとんどは、公共工事でした。

つまり依頼された仕事を納期を守って終えることが彼らのプライドであり、自ら目標を持つということは出来にくい仕事だったのです。

結果的にその「言葉選び」のミスによって、Kくんは彼らのプライドを傷つけることになってしまったのです。

一方でこの「言葉選び」は素晴らしいなぁと思ったことがあります。

それは、日テレの藤井アナウンサーの次のような言葉です。

これはコロナ禍で色々な意見がある中で、1年遅れて2021年に東京オリンピックがいよいよ開幕するという時のコメントです。


この後、東京オリンピックが始まります。

みなさんはどんな想いでしょうか。

感染拡大が不安でしょうか。

大会前のトラブルに怒りを感じているでしょうか。

「せっかくやるなら応援しましょう」というつもりはありません。

ただ、この大会に純粋な想いを、努力を注ぎ込んできた人がいます。

その人たちへのリスペクトだけは忘れたくありません。

大変残念ですが離れたところから一生懸命応援します。

この後、開会式です。

この「言葉選び」って、素晴らしくないですか?

私は、感動してしまいました。

東京オリンピックの開幕を前に「オリンピックはやっぱりやったほうがいい」という人もいましたが、世論の多くは「コロナの感染拡大リスクが大きいから、やめたほうがいい」という意見でした。

そんな中、藤井アナウンサーはどちらの意見の人に対しても共感する言葉を選びメッセージを発したのです。

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