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「伝える力」で大切なことは「相手に目線を合わせること」!!

人の感情を扱う「伝える技術」では、事例の使い方も通り一辺倒ではありません。

事例を使って何かを伝えようとする時には、どんな事例を選ぶかということが大切になってきます。

伝える相手が誰であるかによって、事例の選び方が違うのですが、事例には選び方と共に、使い方も大切になってきます。

その事例を使って何を伝えたいのか、例えば・・・。

  1. 自分の想いを伝えたい

  2. 事実を共有したい

  3. 聞いている人の行動を変えたい

もし3番の「聞いている人の行動を変えたい」という場合には、大切なポイントがあります。

それは伝える技術の大原則である「相手に目線を合わせる」ことです。

この大原則に基づいて考えると、次が失敗例です。

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ある社長が100人の一般社員に向かって、次のように言ったとします。

「私は先代から自分の業務以外のこともやるように言われ、理不尽なことを多く受けながら、歯を食いしばって一生懸命やってきました。

自分の業務以外のことをやることで色々な学びがあるし、そんな積極的な姿勢をみんなにも意識をしてやってほしい。

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一般社員は、どのように受け止めるでしょうか?

一概には言えませんが、自分事として捉えにくい人もいるかと思います。

頭では「正論」として理解ができても、共感して行動の変化に結びつくことは少ないかもしれません。

もちろん社長と一般社員の人間関係や、それまでの経緯によっては、この伝え方が良い場合もありますので、あくまで一例として、参考にしていただければと思います。

それでは、相手が一般社員ということで、目線を合わせた事例を使うとこんな感じになります。

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先日一部上場企業の社長さんと話をする機会があり、成長する社員の特徴を聞くと、次のように教えてもらいました。

「成長する社員の特徴は、自分の仕事以外のことでも積極的に取り組む人です。だから社長としては、その積極性を発揮しやすい環境をつくることが大切ですよ」と。

私自身も改めて積極性の大切さを教えてもらいましたし、皆さんもぜひ大切にしてください。

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一般社員は、どのように受け止めるでしょうか?

あくまで一例ですが、立場を合わせるというのはこういうことです。

立場を合わせるという意味では、他にも次のようなことがあります。

●性別

女性に対しては女性の事例の方が、伝わりやすいかもしれません。

●年齢

20代の人に60代の事例を使っても、伝わりにくいかもしれません。

●役職

一般社員に対しては、著名な経営者の話よりも2〜3年先輩の事例の方が、伝わりやすいかもしれません。

●好み

その人が嫌いだと思っている人の事例よりも、一目置いている人の事例の方が、伝わりやすいかもしれません。

●性格

内気な人に対して超行動派の人の事例は、伝わりにくいかもしれません。

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伝える技術は人を相手にすることですので、絶対にこっちが正解ということはありません。

最終的には、相手の立場に立てるかどうかなのです。

「相手の立場」に関する続きは、ぜひこちら「相手の立場に立って考える人と考えられない人」もご覧ください。

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