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テロップのレイアウト基礎をまとめてみた

こんにちは。eeeです。私は過去にニュース、バラエティ、スポーツ中継のテロップデザインを制作してきました。

テレビよりYouTubeなどのネット番組の方がメインになってきている世の中、「プロ」と「アマ」でテロップのレイアウトやデザインの差が職業柄気になってしまったので、テロップ制作の流れ、レイアウトを簡単にまとめようと思い記事にしました。


1. 基本的なテロップの種類

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テロップにはいくつか種類があります。基本的にサイド、場所/提供、名前(インタビュー時使用)、コメント/説明のテロップで構成されています。

テレビで放送する場合は、左上に現在の時間と現在地の天気が入ることがあるので考慮して制作します。

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ありがちなテロップを入れてみました。テロップのイメージが掴めたでしょうか??

2. 番組テロップ制作の流れ

テロップの種類が分かったところで早速作っていきたいと思います。

基本的に動画の企画・タイトル決定後、タイトルロゴを制作していきます。私が働いていた時は小さい企画(デイリーもの)は個人で全部制作していましたが、大きい企画(新規番組や年末特番)はロゴのコンペからありました。

ロゴが決定後、テロップを制作していきます。テロップはセーフティーゾーン内に配置します。Adobe製品だとアクションセーフが90%、タイトルセーフが80%になっています。

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ただ最近はもっと広くても(95%位)問題ないと思っていますが、とりあえず今回はセーフティ90%で制作していきます。※ちなみに私は文字テロップはセーフティから10ptほど内側に入れて作ります。

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番組ロゴに沿ったイメージカラーを決め、必要そうなテロップを洗い出しデザインしていきます。

サイド(MAX2行) 、出演者ネーム、コメント、説明、出演者ネームは必須です。他にイメージ系、ツッコミ系、イラストなどの素材(シャボン玉のようなふわふわ系、キラキラエフェクトはよく使うのであると便利)、ワイプ、インタネームも用意しておくと楽です。

また、個人で作るなら問題ないのですが、チームになるとランダムでメンバーが作るため、ある程度素材が揃っている方が時間が短縮されます。特にニュース系は毎日生放送で完パケが少なく、内容も直前で変更する事が多かったです。そのため番組放送中にテロップを作るため、タイプミスはもちろんNGですがデザインを考える時間が少なく、素材はあればあるだけ安心感がありました。

3. 文字のレイアウト整理

テロップはいかに短時間で分かりやすく表示するかが重要だと思っています。文字のレイアウトの整理について4点上げてみました。細かいですが少し修正するだけで断然見やすくなります。

テロップは文字を打ったら必ず行間の整理をします。数字や英語は特にフォントによってバランスが変わってしまうため、毎回大きさを調整する必要があります。

また、句読点は基本的につけません。半角や全角スペースを入れて文字の区切りを意識することが大事です。文が読みづらい場合は、一部小さめの文字を使うこともあります。この記事の表紙の画像“レイアウト基礎「を」まとめてみた”の「を」の部分が該当します。表紙には3つ使用しています。探してみてください。

4. 名前のレイアウト整理

文字の整理で特に名前のレイアウトは迷うことがあると思います。私は文字数によって比率を決めて制作していました。

全角半角スペースをうまく使い分けて調整していきます。名前が2行になる場合は1行目と2行目の文字の位置を揃える事が大事です。ルビをつける際は1文字1文字のセンターに入れるとキレイに見えます。

5. コメント・イメージ色

老若男女が見て「眩しく感じない」「チカチカしない色」を考え制作していきます。特に赤緑黄は見えづらい事があるので、彩度を100%にせず少し落として調整していきます。また淡すぎる色は画面で中々映えないため、どちらかというとどぎつい色の方が好まれます。

コメントサイズは80pt前後で「白文字で縁に色」で作ると簡単です。強調する場合は色反転で「白縁に文字に色」をつけてサイズを変えたら、なんかいい感じに見えるので。

イメージで2色以上使用する場合は、色の差を大きくつけて小さいモニターで見ても分かりやすくする事が大事です。ハッピー系は暖色、ネガティブ系は寒色または黒色を足すと簡単にイメージをつけることができます。他に「5000兆円欲しい!」のような金ピカの豪華なグラデや、ピンク系の可愛いポップなものもよく使いますね。

手持ちのフォント次第で無限に作ることができるので楽しい作業ではないでしょうか?※迷った場合は明朝体を使っておけば何とかなります。

6. 言語変換(番外編)

ニュースなどお堅い番組のテロップを制作する場合は、使用できない言語が多くあり、記者やディレクターが持ってきたテロップ原稿の文言が使えるか随時チェックしながら制作します。(逆にバラエティ系は自由度が高い)

あまり手に取る機会が無いと思いますが、各新聞社・TV局専用の言語辞典という特殊?な辞書があるので、確認しつつ作業します。

毎日辞書を見て勉強しているうちに自然と頭に入ってくるのですが、入社当初はそこに時間が取られるし、その間に放送時間が迫ってくるしで心臓の負荷が凄かったです😬

7. 最後に

テロップのレイアウトについて簡単にまとめてみましたが、まだまだ気になる事が多いです。グラフや地図の表現やスポーツ系、女子向けなど機会があればまたまとめようと思います。これを読んでテロップの参考になって頂ければ幸いです。

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