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中国式ピンイン学習!ピンイン拼读 本課前書き‐1

中国語、発音が難しい

理由を考えます

■ 中国で行われている中国語発音習得法!

国民的教育として行われている中国のピンイン習得法

中国人が小学校に入って最初に学ぶピンインの授業です。ピンインを「音節に基づいて読む」ことがピンインの正しい読み方です。中国語発音の基本です。

音節は音声の基本的な単位の一つです。
例:日本語の「お・ん・せ・つ」は四つの音として数えられます。一つ一つを音節と言います。

音節とは?

音節を説明したカエルライフさんのピンイン入門動画です。

※ 初めて中国語を学ぶ方は  「中国語発音超入門講座(全10回)」の視聴をお勧めします。

日本語では音節は上記の「お・ん・せ・つ」のように仮名文字一つですが、中国語では漢字一文字が一音節です。ピンインでは下記のように表示します。
好 hǎo で一音節です。

中国語音節
 子音 + 母音  ( 附・かぶせ音素の声調) = 好 (良い)
        h               ǎo                                                 hǎo

 日本語にも音節はあります。ピンイン同様に子音と母音の構成で、同じです。        K(カ行子音)+ a i u e o (母音)➭ Ka(か)Ki(き)Ku(く)ke(け)Ko(こ)

ですので、日本語では、かな1文字(あ/a・い/i・・。か/Ka・き/Ki・・)が一つの音節です。

日本語も中国語も子音と母音で一つの音節になります。母音はそれだけでも音節になりますが、子音はそれだけでは音声になりませんので、音節として成立しません。

ノドから声が出て音声になるのが母音で、その出た音声をでいろいろに変えさせるのが子音の役割です。 ※ ん は特殊です。

一般的に中国語発音が難しい理由は中国語は母音が36個、子音が21個で、それがセットになって、音声になりますから、その音声つまり音節の数が非常に多いことが挙げられます。36×21個、の計算ですから600以上ですが実際にピンインで使用する音節は405個です。

日本語の母音は「ア・イ・ウ・エ・オ」の単母音5、日本語五十音という「かな文字五十音図」では横列のカからワまで子音が9ですから母音も入れて「かな文字/音節は50程度」、ただこれは清音だけですから本当はもっと多く、複雑です。

加えて中国語には「かぶせ音素」の「声調」という四つのイントネーションの違いで、同じ音でも異なる意味を表しますから、発音は驚くほどの多さで、複雑になります!

中国語発音のフリガナともいえるアルファベットのピンインはこの音節にもとづいて読む、つまり発音します。

難しく感じてしまう原因はどこにあるのか?

中国語のピンインは「音節に基づいて読む」発音符号ですが、上記の動画のように、読み方がそれほど難しいわけではありません。「音節に基づいて読む」ことの意味をもう少し調べてみましょう。

ヒントはピンインのピン(拼)にあります。拼の漢字の意味は「併せる・合わせる」です。

ピン(拼)イン(音)は「音を併せる」ですから、子音と母音を「併せる」読み方を指します。

冒頭のユーチューバー李姉妹の動画で紹介されている、子供が本を読む時、練習していた、ピンインの読み方はピンインの独特の練習方法です!そして李姉妹はこれを「破壊と構築」と名付けていました。どんな読み方でしょうか?

中国の検索エンジンBaidu(百度/バイドゥ)でピンインの習得法を調べますと、       【拼读pīndú・ピンドウー】 が紹介されています。
子音と母音に分解して「併せる」「破壊と構築」

■ 子音母音に分解し併せる「破壊と構築」

その読み方は、子音・母音に分解してそれぞれの発音を確認し、その後音節としてつなぎあわせ、声調を加え、意味ある単語とする読み方です。

訳:ピンイン(拼音)は、音節を発音する(拼读)過程であり、普通話の音節構造の規則に従って、声母(子音)、介母(半母音)、韻母(母音)を急速に連結し、声調(トーン)を付けて音節にすることです。

普通話音節の構成ルールというタイトルです。
ピンインには音節の構成があり、その音節の読みかたが、子音・母音に分解し、また繋ぎ併せて再構成する方法で、その練習法を拼读pīndú・ピンドウー、拼音の読み方といっています。

拼读の練習法➭音節を分解し再構成

では、この「過程を踏む練習」とはどのようなものでしょうか?

声母两拼法(子音と母音のうち単母音での組み合わせ)の練習法

最も基本的な「声母两拼法」を紹介します。
声母は子音のことで、ここでは「bpmfの唇音」で練習の仕方を紹介します。

唇音という声母(子音)に、単韻母(単母音)の二つを組み合わせる練習法です。韻母が複母音の場合もありますが、組み合わせの音節は声母と韻母だけですから「两拼法」という言い方になります。

※ 介母という半母音を間に挟む、もう少し複雑なピンインの場合は「三拼法」になります。

練習の場合は、まず子音の構えでも母音を添えて音声で確認(この時、音声は「b(o)」で発音)して、次に本来の声にすべき母音(ここでは「 ā 」に声調を加え)を読むという「拼读」の方式で行います。それが下記のような発音練習になります。   

b(o) ー  ā → 


中国語発音は音節に基づいて読みますから、音節のスタートは上記の図の「b」の発音のように、子音の口型を構えて、実際に喉から音声を発する時は「ā」の母音で終わるというように、   口型が一つの音節でスタートの構え(子音)から実際の発音(続く本来の母音)へと動きます。
双唇音「b」と単母音「a」の两拼法拼读

まずこのことを念頭においてください。

日本人にとって、日本語では子音を母音と分離して音声にすることはありません。子音独自の発音をするという経験がないので、子音は苦手です!

ですから中国語の発音練習で正しい中国語を話そうとするなら、正しく子音を発音することはとても大切です。

中国語子音の「b」と日本語の「ba /bi/bu/be/bo の バ行のb」の発音はどう違うでしょうか?

ちなみに子音の調音点と調音法では、中国語のbと日本語のbは共に「双唇音の破裂音」です。ほぼ同じ発音です。しかし違いが少しあります。日本語の「ぼ」よりも中国語の「b」は唇の結び方に力が入っています。日本語の結び方はもっと軽い結びです。

双唇音bの構え

中国語では子音が重要です。日本語は母音の口型が優先ですから子音「b」の構えには無頓着です!

日中の大きな差はこうした子音・母音に対する発音での意識の持ち方の違いに表れています。子音の発音を意識して、母音は母音としてつなげる(連結する)という中国語ピンイン特有の発音の仕方を意識してください。

★ ここで更に注意を払いたいのは、無気音です。破裂でも「呼気を押さえ」るのが無気音です。呼気を押さえながら、唇を開く破裂の感覚が大切です。

音声は母音で出ますから子音「b」と母音「o」の発音は、たまたま日本語の「ぼ」に近くなっているだけで、「ぼ」は忘れて子音「b」とつづく母音「o」の音声の出し方に注意を払いましょう。

※ なお「bo」が「b uo や b ou」にならないように注意してください。

拼读の基本的な練習法は以上になります。
そしてこの練習法は中国では、小学校で次のように行われます。

小学校の国語の教科書

语文一年级上册/下册
語文p24・25

李姉妹が紹介している中国の小学校教科書です。

上記は「b/p/m/f」の子音の練習ページです。それに「aやoなどの母音」を組み合わせる拼读の方法が右に示され、最後に連結して爸bà 妈mā おとうさん、おかあさんの意味になる、bà とmāの発音の仕方を教えています。

次の箇所の絵に注目してみましょう。

`そして実際の拼读では下記の図のような発音練習になります。声調をつければどんな漢字になるかが分かるようにしました。

bā八は8, 拔bá は抜く,    bǎ 靶は 標的.的(まと),     坝bàは垻つつみ

この図に基づくee!chaiの高講師の動画をご覧ください。発音のみで説明は省いています。

この前書き-1で注目して頂きたいのは音節を子音と母音に分けて音声を学ぶトレーニング方法です!

日本語を学ぶ場合、子音と母音に分けて発音の仕方をトレーニングすることはありません。日本語の声のプロも「母音」のトレーニングはしますが「子音」のトレーニングはしません。

この違いなども、ピンインを学ぶ上で意識してください。この記事全部を学び終えるころには、中国語と日本語の違いが見えて、それはとりもなおさず中国語の姿がしっかり見えることにもつながります。

次回の本課前書き-2では、初めて中国語を学ぶ人のために、ピンインとローマ字を比べて、ピンインの特徴も浮かび上がらせます。

そのことにより、この拼读というピンインの練習法のどこが効果的か?発音で何に注意を払うべきか?が分かります。中国語発音、ピンインの本当の練習法を知って頂ければなによりです!

■ 中国語発音、ピンインの読み方・拼读講座

マンツーマンZoomオンライン講座/ストアカで開催