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ピンインの学び方-10 子音のフォームが曖昧だとこんな事が生じます!子音をマスターして标准を目指しましょう

以前中国人の友人に朗読で発音の確認をお願いしたことがあります。このようなラインが帰ってきました。「我觉得你的朗读越来越好,发音很标准,速度也很快,越来越舒服的感觉。」発音が標準で聞きやすいと褒めてくれました。

私は会話で中国人にそれほど褒められません。母音と声調のメリハリが弱いと教室の講師に指摘されたこともあります。母音と声調は初心者時代に学びそれが身に付いてしまっています。それこそピンインのことを深く知らない時代です。一度身に付いたものを直すのは大変です。

ただ子音はそれなりのトレーニングをしたので、「可以,可以!/Kěyǐ kěyǐ!」なんていう一言を中国語上手ですねと褒めてもらえました。「kě」という子音の発音が目立つ、簡単な言葉でしたので、ボロがでなかったのでしょう。

子音ができていますと、訛りのない発音になります。声調が狂わずメリハリがあって、母音も大きな声で良く聞こえるように発音もできていれば、中国語発音でピンインをマスターしたと言えるでしょう。

目指してみましょう!声調、母音、子音ときちっとStepを踏んで、标准と言われるようにしましょう。

最後は子音が原因でおきたシャンシャン事件をとりあげます。上手な中国語でも意識をしていないとあやふやになる子音の盲点です!


パンダのシャンシャン(香香)の話題を、杉山外務次官についての質問と勘違いした、あの冷静な華報道官が、間違いに気づいて思いっきり弾けて笑う顔がなんともチャーミングで、結構大きく報道されたシャンシャン事件。

中国語を学ぶものにとっては、日本人がうっかりしがちなピンインの発音に注意を向ける良い好材料でした。

まずはニュースをご覧ください。

シャンシャン事件

日本人の記者のパンダについての質問をいつもの政治の話題と勘違いしてパンダのと外務次官の「杉山」を聞き間違えたようです。結局この「香香」と「杉山」の中国語発音が似ているから華報道官が勘違いしたと報道されました。

確かに音で聞くとシャンシャンと杉山の中国語は、日本人には聞き分けられないほど似ています。でもピンインでみると全く違うしろものです。

これだけピンインが違う!

ShanとXiangの違い

杉山のピンインは「Sh(i) +an」で「Sh」はそり舌音です。母音はanですから、日本語のシャ(ア)に近い発音になります。それこそローマ字読みをすれば「シャア・ン」です。でも舌を巻いたこもった音です。

他方「」のピンインは「X(i)+iang」です。子音の口の構えはj(i)/q(i)/X(i)」の「X(i)」です。口の開きは短母音の「i」と同じで「口を真一文字に」引いています。母音は「複母音・iang」です。「介詞の i+ang」です。

Xiの「i」の構えではじまり、続く介音も「i」ですから、「Xi」の音声が聞こえます。

杉山の発音はローマ字的には「Sha n」ですから、「シャン」をそり舌で発音と考えがちです。

他方香香では「i」の唇を真一文字に横に引く形が、最初にかつ瞬時に作られていますから、舌面音で日本語のスッキリしたシイに近い音になっています。違いは微妙ですが、「X(i)+i(iangのi)」ですから「シャ」にはならないですね。

このように、杉(山)/Shānと香/Xiāngの発音の違いは子音のSh(i)とX(i)の違いにあります。

中国語のピンインで重要なことは,続く母音が何であれ、子音の口の構えをまず作ってから発音をスタートしなければなりません。

★ 構えが違うことで、このSh(i)とX(i)の二つの子音は「という音音色の違い!が生じます。

子音を分解して学ぶ拼读が身に付いていれば、最初の口の構えが明らかに違います。

しかしピンインでは杉(山)「Sh(i) +an」であれ、香「X(i)iang」であれ、日本語の「シャ(ア)」ではありません。

ただ杉山の場合発音のスタートでSh(i)で口のフォームを作りますが音声にはならずに、母音の「an」を続けて発音します。口の動きはsh(i)、そり舌の音の「シ」+明瞭な母音の「ān」で発音しているため、日本語の「Sha」に近い音で聞こえます。

ですので日本人が香「X(i)iang」を発音する時、子音「X(i)」の口を横に引く構えしっかりと作っていませんとピンインの「Sh(i)」との違いがはっきりしません。

★★ ピンインの子音の発音がxiであるなら、「X」の子音の口の構えを作ることを意識して発音すれば、子音優先の発音になります。実際母音が「i」ではなく「u( ü )」であっても、「X」の子音の口の構えができていれば、決して「Shu/Shū书」で発音することはありません。「Xu/ 」になります。

なお「X」の子音では「Xiu/Xiū休」もあります。この発音は母音が「ü」ではなく「iu」ですから、この母音もきちんと言い分けるようにしなければなりません。子音優先でありながら母音も重要ですから中国語は大変です。

この事件で、華報道官が日本人記者の香香の発音杉山と聞き違えたのも無理もないと思います。日本人記者の xiāngxiāng もそれほど間違った発音ではないと思いますが、中国人の xiāngxiāng ほど明瞭ではなかったのかもしれません。

この拼音の子音・母音を分解するレッスン方法は拼音習得では欠かせない習得法です。

おさらいになりますがピンインには音節を形成する過程に基づいて行われる、拼读ピンドウーという読み方があるということでした。

日本語耳で聞いていると違いが分かりのですが、このように子音・母音に分解して発音する拼读が身に付いていれば、中国語発音はより明瞭になるでしょう。

それができればあなたの発音は、レベルが間違いなく相当上がります。「言えれば聞けて、聞ければ言える」の原則があるので、聞き分ける中国語耳も身についているからです。うっかり不明瞭な発音をしても、変だと気づきますので発音をすぐに修正できます。

でも実際私たちは確かに子音・母音・声調をそれぞれに分類して学んで来てはいます。でも拼读ピンドウーという読み方の練習法はピンインをどう読むかのプロセスですので、そのプロセスに基づく練習法はきちんと学ぶ機会はあまりなかったのではないかと思います。

それは中国では英語のフォニックスと同じで子供に教える練習法ですので、大人には受け入れられないという印象があったのではないかと思います。

でも大人の方がピンインの読み方の過程、つまりその仕組みを理解して練習をする方法は納得し易いと考えられます。

■ 拼读/pīndú はピンイン習得に最適な方法です。



ということで、ee!chaiでは中国で行われているこの拼音拼读を大人対象にやってみよう!と考えました。

大人はその仕組みが理解できます。ですから日本語解説が必要です。フォニックスと同じで、音韻学の知識も折り込みます。

そして実際の練習は子供と同じレッスンで、口に出して口ずさんでみましょう!です。

母音・子音それぞれに口诀kǒujué. という口ずさんで覚える「・・歌」が練習用にあります。右脳に染み込ませる方法です。

個別のピンインの発音だけではなく、中国語の語感を身に付けることも大切です。中国語では韻を踏んだ文章が独特の響きを醸し出します。日常会話では味わえないものがあります。

語感を身に付けるために詩のような短文も朗読します。

最終的には会話文なども音読して、実用中語語の発音にも慣れましょう。音読・朗読ではASK出版の「はじめよう 中国語音読 初級編」を使います。人気のある本です。

数名の少人数Zoomオンライン回数制コースの教室です。
このNoteとストアカで募集の案内も行います。しばらくお待ちください。

同時にレッスンで使用する「拼读/pīndúのテキスト」をこのNoteで部分公開します。まずは読んで、中国の動画も挿入しますので視聴してください。

口に出すときは、ぜひZoomオンラインの拼读教室に参加して講師の指導をお受けになってください。


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