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【中学受験】4~6年生が新学期から夏までにしておきたいこと

中学受験は「3、4年間続くマラソン」とも言われています。

始めから全力疾走するのはNGで、入塾して間もない3年生や4年生の春から夏にかけては、体を「中学受験の入り口」になじませる期間。 徐々に勉強や生活習慣のリズムに慣れさせ、本格的になる5年生で着実にエネルギーをため、6年生で、それまでに付けた力を出し切ることができればいい結果につながるのではないでしょうか。

新学期を迎えるこの時期は、クラス替えや担任の先生が変わるなどの環境の変化になじめずにストレスを抱えてしまったり、いつもできていることを失敗してしまうなど、気持ちが不安定になってちょっとしたことでイライラする子どもも増える時期です。 新4年生(3年2月)から通塾を始めたお子さんは、塾に慣れる意味も大きかった2月・3月中の授業とは違いを感じ始めるかもしません。 また、低学年から続けて通塾しているお子さんたちは、4年生から入塾した多くの仲間と競う中で、今までとの違いを感じ始めていることでしょう。

今回は、志望校合格を目指す4年生から6年生が、長距離マラソンにも似た中学受験を、子どもや各家庭それぞれの最良のペースで息切れせずに乗り切るために、 春~夏にかけてはどのように過ごすべきか、また、親のできるサポートをご紹介します。

1.学年別 新学期から夏休みまではどうすごす?


2月から大手進学塾の新学期が開始。塾保護者会や春期講習を経て、子どもだけでなく保護者のみなさんも新たな学年に向けた不安が芽生え始めていることでしょう。 夏休みまではどの学年もスケジュールは比較的緩やかです。

中学受験生にとってゴールデンウィークを含めた4・5・6月を、どのように過ごすのがよいのでしょうか。

ー新4年生

通塾を開始し中学受験の勉強を始める新4年生は、生活の変化に特に不安も大きいことでしょう。 新4年生の2・3月は、学校・通塾・習いごとの生活リズムに慣れるための期間。授業の内容も易しく、学習面ではそれほど心配する必要はありませんが、4月からは本格的な授業がスタート。 計画的に勉強を進め、塾での学習を週単位で定着させることが大切です。

塾の4年生の授業は、大手塾ではサピックスが17時~20時、日能研は16:50~19:20、四谷大塚が16:40~20:05となっています。 これまでテレビ鑑賞や家族団らんで過ごしていた放課後から夜の時間に塾で勉強するのは精神的な苦痛も大きいため、帰宅後の家庭学習はさらっとテキストを読むくらいでよいでしょう。 送迎の時間などに「今日は塾でどんなことを習ったの?」と説明をさせるだけでも十分です。

ゴールデンウィークは4年生のうちは休みの塾が多いので、家庭で理解の積み残しを整理するのに最適です。 6月には祝日がなく、苦手を克服する時間をじっくりとるのが難しいので、「共働きで普段の学習を見てあげることができない」というご家庭もゴールデンウィークの期間に「学習のテコ入れ」をしてあげてください。

ー新5年生

5年生になると、4年生までの基礎的な勉強から応用に発展し、通塾時間や宿題も増えてきます。

しかし夏期講習前までは入試問題の演習などにはまだ入らず、いよいよ本格的になる夏期講習以降の学習よりはまだまだ余裕があるといえるでしょう。 しかし、ここで油断は禁物です。3・4年生から通塾スタートした子どもは、塾に慣れて中だるみがしやすい時期だといわれています。

特に低学年から通塾していた子どもは、4年生から入塾してきた多くの生徒たちと競い、生徒の少なかった3年生までとは順位やクラスに大きく変化があったお子さんも多いことでしょう。 塾での成績やクラスがある程度固定してしまうと、この時点で気を抜くことでそこから這い上がることは非常に難しくなってしまいます。

5年生から通塾をスタートする場合は、夏期講習前までのこの期間はとても重要です。 4年生から通塾している多くの生徒はスケジュール感や、学習習慣がついている時期なので「他の子どもより通塾開始が遅い」ことをしっかりと自覚し、より一層の努力が必要になります。 最初から1週間単位の目標を立てて学習し、授業後はその日のうちに復習をするなど、早期に「自分の学習スタイル」を身につけることが重要です。

4年生までは、複数の習いごとと受験勉強を両立させていたご家庭も、通塾日数や宿題が増える5、6年生は、両立が難しくなります。 「ピアノだけは息抜きに続けさせよう」「体力的に難しいから水泳はやめさせよう」「運動不足解消にテニスは続けよう」「計算力補強に公文を続けさせよう」など、子どもの意思や体力、または成績を確認しつつ家族で相談し、 夏休みまでに習いごとの取捨選択を行うことは必須です。

ー新6年生

6年生は、いよいよ入試本番まで残り10か月を切ります。

テストのない土日は完全に休みだったサピックス等の大手塾でも、6年生からは週末特訓がスタートします。更に、模試の回数も一気に増えていきます。 5年生までは、レジャーや旅行、帰省に費やすことができてきたゴールデンウィーク期間も、特訓が入ったりするなどして勉強中心の生活になります。 5年生までの学習は、知識を積み重ねていく「インプット型」の学習がメインでしたが、6年生は入試演習やテストが増え、5年生までに得た学習や知識を活用する「アウトプット型」の学習が主流になります。あまりの演習の多さに、学習体力がもたなくなってしまう子どもも。

みんなが「本気」になる「演習・演習の繰り返し」の夏期講習前に是非今までの基礎学習を見直して、苦手をしっかり把握・克服することが重要です。 とにかくこの時期に肝心なのは「振り返り」と「直し」。どこを、なぜ間違えたのかを演習ごとに確認する「間違えノート」を作っておくとよいでしょう。このノートを作っておくと、受験直前期の確認作業も楽になります。

2.学年別 中学受験生の夏休みは、こんな生活に!

比較的緩やかだった春の通塾や学習内容が、特に5、6年生の夏以降はいきなりハードになるといわれています。

夏期講習費用は大変高額で、日数や時間も長く、中学受験生の夏休みは本当に大変です。 特に、子どもの長期休暇に悩んできた共働き家庭は「夏期講習期間はいったいどんな生活になるの?」と不安に感じられていることでしょう。 夏期講習費用はいくらくらいなのか、夏期講習に通う4・5・6年生がどのような毎日を過ごすのか、サピックスと日能研の夏期講習スケジュールを基に簡単に紹介します。

ー4年生の夏期講習

■サピックスの場合■
サピックス4年生の夏期講習は、前期と後期に分かれ計14日間。1日の受講時間は3時間。60分授業×3コマの授業です。
【前半】 8/1〜8/10頃 ※期間中に3日間の休講日あり
【後半】 8/16〜8/26頃 ※休講日無し
授業時間は14時~17時なので、午前中に家庭学習を行います。講習後はその日の復習や宿題に充てます。学校の宿題は、夏期講習が始まる前の7月中に終わらせるのが望ましいです。
費用は80,000円程度。 講習の最後には夏期講習マンスリーテストを実施します。
※日程や時間は校舎によって異なります。

■日能研の場合■
日能研4年生の夏期講習は、必修講習は14日間(12日間の講習+2日のテスト)。1日の受講時間は3時間40分。70分授業×4コマの授業です。
【前半】 7/26〜8/4頃 ※休講1日
【後半】 8/16〜8/25頃 ※休講1日 授業時間は9時~12時40分。
講習後は学校の宿題、家庭学習やその日の復習、宿題に充てます。
費用は40,000円程度。
※日程や時間は校舎によって異なります。

ー5年生の夏期講習

■サピックスの場合■
サピックス5年生の夏期講習は、計20日間。1日の受講時間は2時間40分。60分授業×3コマの授業です。
期間:7/19〜8/23頃 お盆あたりに5日間の休暇あり。
授業時間は9時~12時なので、午後に復習や宿題、学校の宿題や家庭学習を行います。
費用は100,000円程度。 講習の最後には夏期講習マンスリーテストを実施します。
※日程や時間は校舎によって異なります。

■日能研の場合■
日能研5年生の夏期講習は、計18日間(+任意の特別講座4日)。1日、70分授業×4コマの授業です。
授業時間は8:20~13:35(校舎によって異なります)。午後に復習や宿題、学校の宿題や家庭学習を行います。
夏期講習費用は118,030円(+特別講座代26,400円)
※日程や時間は校舎によって異なります。

ー6年生の夏期講習

■サピックスの場合■
サピックス6年生の夏期講習は、計23日間(夏期講習18日間+『夏期集中志望校錬成特訓』(通称カキシ)を5日間連続で実施(80分授業×4コマ+小テスト40分))。
夏期講習の1日の受講時間は6時間。100分授業×3コマ+小テスト30分×2の授業です。
■夏期講習期間:7/22〜8/18頃(4日間通塾して1日休むスタイルで、お盆あたりに5日間の休暇あり)
■夏期集中志望校錬成特訓:8/20頃から5日間 授業時間は夏期講習と「カキシ」どちらも13:30~19:30なので、帰宅後に復習・午前中に宿題や演習、家庭学習を行います。学校の宿題はスキマ時間に行うことになります。
費用は夏期講習190,300円+夏期集中志望校錬成特訓66,000円が必要です。 ※日程や時間は校舎によって異なります。

■日能研の場合■
日能研6年生の夏期講習は、計28日間(夏期講習24日+テスト4日)。1日の受講時間は6時間35分。1日70分授業×5コマの授業です。
2021年の夏期講習は7/21~8/26。8月11日~15日は休校です。
授業時間は14:10~20:45など(校舎によって異なります)。夜に15分間のお弁当休憩あり。 この場合帰宅後に復習・午前中に宿題や演習、家庭学習を行います。学校の宿題はスキマ時間に行うことになります。
夏期講習費用は192,060円。オプションの特別選択講座は70分×3コマ5,200円程度で受講できます。
※日程や時間は校舎によって異なります。

3.夏休みに入るまでにやっておきたいこと

4・5年生でさえ15日~20日程度、6年生になると夏休みのほとんどが講習やテストでつぶれてしまいます。 夏期講習や学校の宿題レジャーで忙しい夏休み・受験勉強が本格化する秋を迎える前の余裕のあるうちに、やれることはやっておきたいものですね。

ー4・5年生は夏前に志望校を探そう!

4、5年生のモチベーションアップに有効なのが「志望校を決める」こと。春から始まる学校説明会や見学会に4、5年生のうちから参加し、行きたい学校を捜し始めましょう。

学校探しをする際、大まかな希望を親子ですり合わせすることは必要になってきます。 例えば「女子校・男子校」「共学」「学食や給食の有無」「海外の研修制度や留学制度の有無」や「制服」など、この段階での「外せない条件」を是非家族で話し合ってみてください。 「中学図鑑」では、色々な条件設定で学校検索が可能です!特に女子には重要な「制服」もかわいいイラストで紹介しています。 「中学図鑑」で、受験勉強のモチベーションになるになるような学校を親子で探してみて下さいね!

ー6年生のこの時期にやっておきたいこと

10か月後に入試本番を控えた6年生の場合、この時期を有効に使えるかどうかは、合否にも関係してきます。

①今までのテスト結果などを基に苦手を洗い出し、学習範囲の復習をしておきましょう。 今まで6年次の夏期講習は「既習範囲の復習」としての役割がメインでしたが、最近は多くの塾が「既習範囲の復習」に加え「新単元の学習」に夏期講習を充てるようになりました。夏休みは夏期講習中の予習・復習に時間を取られるため、既習範囲の復習はぜひ余裕のある今のうちにしておきたいものです。

②親子で学校見学などに参加し、ある程度の併願校はこの時期までに決めておきましょう。

③余裕があれば、併願校のうちに抑えになりそうな学校の過去問演習を行ってみましょう。志望校の目安が明確になってくるはずです。 塾によってはこの時期に過去問対策を行うのはNGとするところもありますが、偏差値的に余裕のある併願校に関しては、時間のある今のうちから対策ができるとよいですね。

ー親はこの時期をどうサポートする?

時間的には多少の余裕があるこの時期にステップアップするために、親がしてあげられることは何でしょうか?

■4月■
「余裕がある」といっても、新学期の不安や緊張の中にいる子どもたち。春休みを終えて、新たな生活のリズムを築いたり、取り戻す必要があります。生活リズムの乱れは自律神経の乱れにもつながり、その結果意欲が低下したり不安感が大きくなったりする場合もあります。良い睡眠は子どもにとって必要不可欠。早寝早起きの習慣作りはどの学年になっても必須です。

■5月■
ゴールデンウィークから始まる5月は、旅行やレジャーを楽しむ家庭もあれば、多くの6年生は、GW特訓や復習に明け暮れるケースも。 塾の授業内容が濃くなり、宿題も徐々に増え、学校生活の疲れも相まって体調を崩す子どもも多くなります。 子どもが「5月病」に陥らないためには、健康管理をしっかりしてあげるとともに、子どものよりどころである「家庭」を風通しよく、居心地の良い状態にしてあげることが必要です。

■6月■
梅雨の到来と共に、うだるような暑さと湿気で心身共につらくなるこの時期は、子どもの勉強環境を整えてあげましょう。 寝室や勉強部屋に除湿機能のあるクーラーなどを設置してあげたり、除菌効果や気分をスッキリさせる効果のある柑橘系・ハーブ系のアロマをとりいれるのも効果的とされています。 雨の日が続き、家族が家に揃う日が多いこの時期に、父親を含めた家族全体で、夏休みや夏以降のスケジュール、志望校や進路についてじっくり話ができると良いですね。

まとめ 時間のある今、塾以外の学習法も検討してみよう

中学受験のゴールを設定し、勉強方法の検討やスケジューリングは時間のある今のうちにやっておきたいことです。 特に6年生にとって、転塾や受験の方向転換のリミットは夏前、と言われています。この期間に、子どもに合った学習方法を改めて検討し、厳しくなる夏以降の勉強に備えましょう。 集団塾⇒個別塾、通塾⇒家庭教師、家庭教師⇒オンライン家庭教師といった学習方法の転換や、受験塾の補強として、家庭教師や個別塾を取り入れるなど、親が子どもの状況に合った学習方法を見つけてあげることは受験対策に必須です。

「オンライン家庭教師のラコモ」には、中学受験を経験した家庭教師も多く在籍しています。 オンライン家庭教師は通塾の必要がなく、子どもの身体的・精神的負担は最小限。これからハードになる塾での学習の補強として是非おすすめしたい学習法です。

「塾の学習の理解をもっとあげたい」「塾のクラスをキープしたい」「苦手な算数だけ補習したい」「こどもの精神的な支えや目標になる先生に出会いたい」といったご家庭は、 夏期講習が始まる前に是非「オンライン家庭教師のラコモ」で、お子さんや志望校に合った家庭教師を見つけてくださいね。

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