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👀私の視点[たった1日で2億円を集める海外私立校の収入源]

当マガジン「米ボーディングスクール潜入記録」では、2022年6月に私が潜入するアメリカのボーディングスクールの同窓会、卒業式、サマースクールなどの様子を写真と文章でレポートします。

突然ですが、学校を運営するにはお金がかかります。

そして、運営費をどこかから調達する必要があります。

公立校の主な調達源は税金ですね。


だとしたら、私立校はどこから運営費を調達していると思いますか?

授業料と受験料をまず思い浮かべるのではないでしょうか。

ほかにも、日本では国や自治体から出ている公的な補助金も無視できません。

これは東京都内の私立高校のデータですが、生徒由来の収入が53%、補助金が37.3%となっています。

あと、実はポテンシャルが大きい収入源がもうひとつ。

それは寄付金です。

上記の東京都のデータでは、寄付金は収入の2%ほどだそうです。

ここからは、アメリカの私立校の話に移ります。

かつて私はアメリカの私立高校に通っていました。卒業してからも毎年、年に何回か寄付を募られます。(学校によると思いますが)

一方、日本の私立高校・大学と通っていた家族に聞いても、そういう案内は来ていないそうです。(これも学校によると思います)

私はもう何度も「寄付くれ」と言われてきて、正直、高い授業料を払ったのに卒業後もお金を払わせるなんて。払いたい人が払っていればいいよね。というくらいにずっと思っていました。

でもそんな私の考えがこの1年ほどで変わってきていて、ついに決定的に変わったことに自分でも気付きました。

私の考えが変わったきっかけは、今年の4月に開催された母校の寄付キャンペーンデーでした。

同じ日にオンラインイベントが複数立ち上がり、その告知でいろんな人からメールが届いたり、その日に向けて「〇〇人が寄付してくれました」とSNSやメルマガでお知らせが来たり。

とにかくメールボックスとSNSがお祭り騒ぎでした。

それまでの寄付募集は単純に「こんなプロジェクトがあるから寄付してね」でした。

ところが、今回のキャンペーンは特別でした。

「寄付者が2500人を超えたら◯◯さんが寄付額を$50,000追加します。目標達成を手伝ってください」というとても具体的な呼びかけ。(個人で500万円以上の寄付ってすご)

別のメールでは、「◯◯先生が42年の勤続を終えて退職されます。彼女の名前を冠した奨学金をつくるから、できる範囲でサポートしてください」ときました。

とにかくあの手この手で引っ張ってくるんです。

しかも決済は超簡単で、間口も広い。なんとクリプトカレンシーまで受け付けているとのこと。(今どき!)

これには私も思わず寄付したし、オンラインイベントにも釣られてウキウキ日本から参加しました。

イベントでは懐かしい先生と話したり、1950年代の卒業生と自己紹介し合ったり、伝統行事について語ったり。

日本にいながら、それはそれは非日常の不思議なひとときを過ごすことができました。

ここまでされると「根負けして寄付した」というよりも「喜んでお祭りに参加した」という感覚が近いです。

それくらい、去年までのキャンペーンとは全然違ったんです、今年は。(誰か新しいキャンペーンマネージャーが入ったかな)

その結果として、なんと「2,295人」から総額「$1.75 million(今の円安レートでは2.2億円ほど)」がたった1日で集まったのです。

ちょっと引くほどの成果ですね。えげつない。

ちなみに上記で挙げた東京都の私立高校の収入2%を学校数で割ると、1校あたり約1860万円です。年間で。(私、数字感覚がひどいのでもし計算違っていたら優しく教えて下さい(T_T))

この寄付金は今後運用され、留学生も対象となる授業料免除の資金にも活用されることになります。(私もかつて頂いていました)

これくらい気持ちよく支払いができて、楽しい思い出も共有できて、後輩や母校の役に立てて、その後輩たちがさらに世の中を明るくしてくれるのであれば全然惜しくないです。

そんなふうに思わせてくれる寄付キャンペーンの手法がもっと広がると、学校の選択肢も広がるんだろうなと思いました。

実は、この学校の卒業生は世界中で29,000人が健在だそうです。今回のキャンペーンに参加したのはその8%ほど。

私一人では微々たる金額ですが、まだまだポテンシャルがあるということですね。なんだかついつい応援したくなる気も湧いてきます。

こうしてみると卒業生は、学校の宝です。卒業生を大事にできる学校は、将来の学生さんに還元できるものも大きくなります。

来週はこの母校の同窓会イベントに初めて参加してきます。現地で2泊3日のお祭りです。その様子は、ボーディングスクール潜入記録マガジンで限定公開していきます。

きっとまたいろんな手口でお金を巻き上げられるんだろうな(笑)

当マガジン「米ボーディングスクール潜入記録」では、2022年6月に私が潜入するアメリカのボーディングスクールの同窓会、卒業式、サマースクールなどの様子を写真と文章でレポートします。

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ボーディングスクール出身の教育コンサルタントが書くアメリカの私立教育事情&旅行記です。

【アメリカの高校寮に宿泊】2022年6月、アメリカのボーディングスクールの同窓会、卒業式、サマースクールなどに潜入してきました。渡航前の準…

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