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【Edu-more plusライター企画】シンガポール便り~本場インドでも禁止されている奇祭「タイプーサム」に潜入!

こちらは、Edu-more plus会員が海外子育て、海外での教育や生活、帰国受験など海外赴任ファミリーの実体験や想いを綴っていただく【Edu-more plusライター企画】の記事です。

こんにちは!シンガポール在住、Edu-more plus noteライターのMihoです。
「タイプーサム」ってみなさんご存じでしょうか?
「奇祭」としてあまりにも有名なヒンドゥー教徒のお祭りです。
今回はシンガポールからタイプーサムの様子を写真とともにお届けします。

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タイプーサム。それは、敬虔なヒンズー教徒が神のご加護を求め、忠誠を誓
い、感謝を捧げる儀式で、厳格な菜食主義を守り精神面での準備を整えてきた1か月のクライマックスとも言える行事で、心が物質的な価値から解放され、体が肉体的な欲求から解放されたときに限り、信者は痛みを感じずに神聖な苦行を行えると考えられています。

WEBより
選ばれし者こそがこのカバディと呼ばれる大きな装飾品を担いで歩けるそうです。
それは大変名誉のあることなのだそう。

このタイプーサム。あまりにも過激な苦行内容のため、ヒンドゥー教発祥の地の本国インドですら開催を禁止されているそうで、今ではシンガポールとマレーシアのみでしか開催されていないそうです。なので、この行事を見るためにわざわざ海外から飛んでくる人もいるとかいないとか…。

最大で重さ40kg、高さ4メートルにもなると言われる、カバディという孔雀の羽根や花を施したスチールや木製の装飾品。この、体をぐるっと覆い囲むような大きさのカバディを支えるために、体のあちこちに針を刺して練り歩く姿は目を疑うような光景です。

そして、このタイプーサムで歩く行程には交通規制が入り、道路も閉鎖される箇所があるので、周りは渋滞と人混みで文字通りカオス状態。そんな中をカバデイを担ぎながらパレードするのですから、その光景の異常さは容易に想像頂けるでしょう。

実際に自分の目で見ると写真の倍以上に、エキセントリックというかショッキング。
今回はそんなタイプーサムのゴール地点、スリ・タンダユタパニ寺院(Sri Thendayuthapani Temple)での様子をお届けします。

このスリ・タンダユタパニ寺院は、私が住んでいるコンドから徒歩5分くらいにある寺院で、今回も最初は軽い散歩気分で友達を誘って見に行ったのですが、「裸足になれば写真を撮ろうがビデオを回そうが構わない。」と係の方が教えてくれたので、「ここまで来たし、もう今年が最後だから。」と、勢いで友達と裸足になり中に入ることにしました。

色鮮やかなスリ・タンダユタパ二寺院

ほぼ毎日この寺院の前を通ってますが、その中に入るのは13年目にして今回が初めての体験。タイプーサムがなかったら(友人がいなかったら)きっと中に入ることはなかったと思えます。

そういえば、5年ほど前に友人の一人が本帰国でこれが最後だからと、寺院の中に子連れで入って行ったのですが、当時私はヤギのミルクの生臭さがどうにも耐えられず入らず帰ったという思い出があります。
そう思えば、今回はその匂いが気になりませんでした。
単に私が慣れたのか、それともそもそものミルクが変わったのか…。
とにかく、抱っこ紐に子供を抱えて寺院に入っていく友人を「凄いな〜。」と見送った記憶が蘇りました。
そしてこの日の寺院の中はというと、前夜は豪雨だったため、足元に敷かれているカーペットはベショベショでグシュグシュ。そんな足元も気にしてられないくらいの人の流れに身を任せて、寺院のセンターに進んでいくと、そこはまるでインド!!
私達以外にインド人は確認できないほど99%インドの方々で、とにかく、人、人、人!!

そんな状態で流れ着いた先には、これまた凄い光景が目の前に!

これは歓喜の舞とでもいうのでしょうか。
そこにはパレードを完歩し切った方々が、カバディの孔雀の羽をフサフサさせて、軽く踊っている姿があちらにもこちらにも。

そしてこれまた近くなのでよく見えたのですが、体だけでなく、腕や背中にも鈴がいくつか針で止めてあり、口やおでこ(眉上)にも串が真横に貫通していました。
ちなみに、パレードに付き添う身内であろう女性陣もおでこや口に針を刺しておりました。

今回寺院の中に入って何より目を見張ったのは、痛みと暑さと重さに耐えて歩き切ったその体から、刺しまくった針を抜く作業。
遠目から一度見たことはあったものの、目の前で針を抜く作業をみるのはこれが初めて。

そこには目を覆いたくなるような針と血の跡に思わずOMGの連発の私。
両手は友人の腕を握り締めてました。
恐らく全身全霊を使ったのでしょう、針を抜いてもらっている最中に倒れそうになる方もいました。

針を抜き終わると、次に男性3人がタイミングを合わせてカバディを上に引き上げて脱がせるのですが、その3人の様子がとても重そうなので、あの装飾品は想像以上に重いんだろうと思います。

混沌とした中、とにかくよく分からずに勢いでタイプーサムに参加した私達。

ルールも順序も分からずウロウロヘラヘラしている私達にも、皆さんとても親切で、寺院の中で無料で配られているドリンクや食べ物(ナツメかな?ジャムっぽい練り物)もにこやかに勧めてくれました。

何だかよく分からない見た目や匂いに手を出すのを戸惑う二人…。
最初は断っていたものの、いや、これはせっかくなのだからと手を差し出し頂きます。

ピンク色の飲み物はかき氷のイチゴ味をミルクで割ったような甘い飲み物で、白い飲み物はバターミルクという飲み物らしく、甘くないヨーグルト系の味でどちらかというと食事的なお味でした。

帰り際には壺に入った灰を小さじで配っていたので、私達もちゃっかり頂いて、周りの皆さんのようにおでこに付けたり、体に付けたり。
(この灰は厄除けのようなものなのだと思います。)

思わずセンセーショナルな経験をした朝。
とにかく近所でこんなことが繰り広げられてることに感動し、人間の『何かを信じる力』って凄まじいなと、エネルギーをもらった朝になりました。

多民族国家のシンガポール。
本場インドでも禁止されているタイプーサムを今でもこうして開催していることが、恐らくインド系シンガポール人への尊敬の念の表れなのだと思います。

全く趣旨を把握してない外国人がポーンと入っても、煽ったり、邪魔に扱う事なく、笑顔で迎え入れてくれるインド系の皆さん。
こういった異国間の小さなやり取りや触れ合いが、世界平和に繋がっていくんだと思います。

さて、いかがだったでしょうか。
今回は奇祭『タイプーサム』の様子をお届けしました。

皆さんの住まわれてる国にも、なんだか面白いイベント行事などありましたら、是非教えてくださいね。


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