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2023年 大学入学共通テスト/速報版

2023年1月14日・15日に大学入学共通テストが実施された。
今年で3回目の実施となったこともあり、傾向や対策も徐々に見えてきており、模試などを通して学生たちもテスト形式に慣れてきている。
そこで平均点の中間発表がされた現段階での個人的見解をまとめていく。

全体概況

大学入試センターが発表したデータおよび河合塾Kei-netによると、下記の通り。
◆受験者数・志願者数は共に前年比3%減
◆現役志願者は前年比3%減の436,873人、現役生の割合は85%と過去最高
◆受験率は90.7%と過去2年と同水準。
※ここ数年低い受験率が継続しているが、総合型・学校推薦型選抜等の枠が拡大傾向にあり、すでに入学が決まっている受験生が共通テストの受験をとりやめていることが影響していると考えられる。

全体的な出題傾向は前年から大きな変化はなく、多くの教科で文章や図・資料等の複数の情報を解読し答えを導く出題が多く、日常生活や授業中の様子を想定した出題も多くみられた。(数学IA:バスケットボールのシュートを題材にボールの放物運動について考察する問題)

また多くの科目で問題ページ数が増え、限られた時間で多くの情報を処理する能力を評価する傾向は今後も継続すると思われる。

中間発表時における5教科7科目(900点満点)の受験者平均点は、文系が530.0点(前年比+23.0点)、理系が547.0点(前年比+37.0点)と大きく上昇している。(総合点は推計値。)
これには昨年平均点が低かった数学2科目の難易度が易しくなったことが大きく影響している。また「物理」「化学」でも平均点が上昇したことで、理系の平均点は変化幅が大きい。

大学入試センター発表資料より引用

また得点率80%以上の生徒は対前年で約2倍となっており、難関大や医学科のボーダーは大きく上がっている。

科目別概況

科目別では、「英語(リーディング)」「国語」の平均点が下がった一方、前年大幅に難化した「数学IA」「数学IIB」は2科目とも平均点が大幅上昇。前年と比べると計算をするだけの問題が出題されたり、解答を選択する問題が増えたことで計算を概算で行えるようになったことが要因としてあげられる。特に「数学IIB」は80点以上の高得点層が前年から大幅に増加している。

理科②では、「生物」の平均点が前年から大幅ダウンし、2015年度以降もっとも低い平均点となった。理科②は科目間の平均点差は大きく開き、得点調整が行われる。(例:素点60点=物理60・化学67・生物72に換算、地学は対象外)

一方、地歴Bの3科目の平均点は60点前後と科目間による差が小さく、科目選択による有利不利はない。

まとめ

共通テスト実施3年がたち、多くの教科で平均点が60%前後に落ち着きつつある。国公立大を狙う学生にとって、地方大の合格水準は平均点に到達することが一つの目安となる。
例:島根大学(教育学部Ⅰ類:57%・法文学部法文学科:61%・総合理工学部物理工学科59%がボーダーライン)

共通テストは長文を読み、整理する力も必要ではあるが、「基礎」も多く出題されている。

2023年大学入学共通テストより
2023年大学入学共通テストより

数学を一例に出したが、どれも教科書に載っているシンプルな問題である。また文章が長いだけで、実際には公式にあてはめて計算するだけの問題も出ている。

また英語は長文がひたすら続くテスト。
文法問題は一切出題されず、英単語の和訳力と文章を読めるレベルの文法力、そして何より長文を80分間読む忍耐力が必要になる。
毎日、単語の暗記をして、最低でも1日1題は長文を読み、共通テストに耐えられる勉強の体力をつけることが大事ということだ。

そして英語以外でも目指す大学のボーダーラインを早めに知り、苦手な科目については解ける問題を確実に解けるようにする反復練習も必要である。
ざっくりと言うと得意な科目で70%取れれば、苦手な科目は50%でもトータルで60%になればいいわけである。
点数をあげるためには難問ばかりチャレンジするのではなく、基礎の反復も必要であることを最後に付け加えておく。

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