外国でマイノリティになった時こそ、日本の美を思う 『茶の本』

ふと眼の前に、そっけない普段着のアングロサクソン系少女が立っている。その顔の小ささ、体の半分以上もある足の長さ、えも言われぬ亜麻色の髪に、思わず目が吸い寄せられてしまう。海外で生活していると、そういうことがままあります。

圧倒的に美しいものを遺伝子として持っている。そして、そういう人種に囲まれたときに、「自分たちの誇るべき美」に自覚的であることが、すごく大事だなと最近とみに感じます。

明治の時代に、アメリカにいた日本人が茶道を広める目的で、英語で書かれた日本の美意識についての本。これは翻訳版です。きっとこれを書くことで、マイノリティへの偏見に満ちた当時の世界で、その誇りを胸にしたんだろうなとおもうと、同じ日本人として胸が熱くなる本でした。

こちらは、随分以前に読んだものですが、宮大工の著者がディテールと俯瞰を織り交ぜて古建築の美しさを書いた本。日本の歴史的建築を見る時に、見方が変わりました。

西洋建築の美しさと全く別の世界観の様式美。それが宿る要素に自由に触れられています。

こういった内容を消化して、誇りにしていきたいのです。

よりたくさんの良書をお伝えできるように、頑張ります!