高齢者とのコミュニケーション3

おはようございます。エドジュリ施設長です。今回は「高齢者とのコミュニケーション3」を書かせていただきます。何かの参考になればと思います。よろしくお願いします。

コミュニケーションに欠かせない「社会的認知」とは

① 認知症になると、社会的認知が低下していく
認知症になると、言語・非言語を含めてコミュニケーションにズレが生じますが、その根底には、注意や記録、見当識(時間・場所・人の認識)、社会的認知などの低下があります。


例えば
同じことを何度も言って周囲の人をイライラさせることがありますが、その根底には、物事を記録する力の低下があります。さらに、情報処理能力が低下して、一度にたくさんの情報を処理できないために、あることが頭に浮かぶとそれだけを繰り返し考えるといったこともあります。
また、同時にあちらこちらに注意を向ける力も低下しているため、周囲の人に注意を向けてその様子をみることも難しくなります。

このように、認知症になると、社会的認知の低下によって、相手の心を推察することが難しくなります。
認知症の人は、相手が怒っていたり、悲しんだり、恐怖を感じていたりしてもよくわからないものの、嫌悪を感じたり、驚いたり、喜んでいたりするのは、ほぼわかるということです。
「どうしてわかってくれないんだ」「もうウンザリだ」といった嫌悪感はしっかり伝わっているのです。

その結果、介護する人は「自分の気持ちをわかってもらえない」と感じ、認知症の人は「自分は嫌われている」と感じ、関係がギクシャクしてしまうのです。


認知症の人は他者との関係をどう捉えているか

第一印象を、容易に変えられない
自己中心的になる。
これは社会的認知の低下のせいでもありますが、自分を機能させることに精一杯で、何が求められているかがわからないからでもあります。
そして、感情的になる。前頭葉の障害によって感情が抑制できなくなることによります。
呆然とする。これは周囲の情報を処理しきれず、状況の変化についていけないことによります。依存的になり、決断できない。これは複数のことを同時に考えて、相互を関係づけることができないためです。
頑固さ、融通が利かない。といったことで、いったん覚えた方法や定着したイメージを、状況が変わっても変えられないのです。

したがって、こちらを信頼してもらうには、演技をするというと聞こえが悪いのですが、笑顔で接していい印象を与えることが大事です。
「この人はいい人だ」「信頼できる人だ」と思えば、認知症の人の気持ちも    安定します。
気持ちが安定すれば、コミュニケーションも取りやすく、会話も増えていく   はずです。


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