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【ネタバレあり】シン・ウルトラマンの感想




(あらすじ)

科学特捜隊のハヤタ隊員は、パトロールの際にM78星雲人・ウルトラマンと衝突したのが原因で瀕死状態に陥ってしまう。そんなハヤタを見たウルトラマンは、彼と命を共有。一つになった彼らは、やがて地球の平和を守るために共に戦うことを決意する。

公開日: 2022年5月13日 (日本)

監督: 樋口真嗣
出演者: 斎藤工; 長澤まさみ; 有岡大貴; 早見あかり; 田中哲司; 西島秀俊; 山本耕史; 岩松了; 長塚圭史; 嶋田久作; 益岡徹; 山崎一; 和田聰宏

主題歌: 米津玄師「M八七」

撮影: 市川修鈴木啓造

配給会社: 東宝




観てきました。

子供の頃の写真がほとんどスペシウム光線のポーズだったくらい初代ウルトラマン大好きだった私が四十路目前となり、本作を観て何を感じたかを書いてみたいと思います。


率直な感想としては文句なしに★★★★★評価であり、ウルトラマンを好きだったすべての元少年だった大人に響く作品だったなと思いました。


オープニング冒頭ウルトラQ〜ウルトラマンの流れをオマージュしつつ開始5秒を待たずして怪獣が暴れてる映画はそれだけでも文句なしだと思いました。


今回シン・ウルトラマンを鑑賞するにあたり庵野秀明が手がける以上シン・ゴジラ同様に怪獣が日常において出現するという世界をどのような演出でリアルに描くかという点が個人的に非常に気になるポイントでした。


怪獣がいる世界、科学特捜隊をどのような設定で落とし込むか?

やはり脚本が流石でしたね。


科学特捜隊を内閣の防災庁の専従組織と位置づけ、禍威獣特設対策室(禍特対(カトクタイ)があるというキチンとした設置理由と組織の存在理由に違和感がなくリアルに落とし込まれていました。

過去の禍威獣の出現についてもウルトラQの怪獣を登場させ、人類の手で禍威獣を倒して来たという実績を提示した事により、映画でこれからもっと凄い事が起きてウルトラマンが登場するんだというワクワク感を煽られました。


細かい解説や小ネタ解説については他の記事で語り尽くされているのであくまで個人的にツボだった部分について触れたく思います。

メフィラス星人を演じる山本耕史さんのセリフ回しと絶妙なバランスの紳士的な振る舞いが色気があってカッコよかったですね。

宇宙人(外星人)達が地球侵略にあたり、名刺による自己紹介、交渉窓口を設けての根回し、
総理大臣との会談という手順をキチンと踏んでるのが斬新だなと思いクスッとなりました。

また彼らがしっかりと几帳面にパワーポイントに似た形式で資料を作成し、プレゼンを経た後に文章として紙媒体での条約を締結し調印式が行われるという段取りを経ていく過程は映画館にいるサラリーマン世代のお父さん達もクスッとなったのではないでしょうか。

巨大生物が現れた際に開催される閣僚会議に向けてセリフ回しで日本における対応の順序を観客にセリフを通して伝えるシーンがありました。

シン・ゴジラと同じカット割を使いながらも子供向けにセリフ回しがとてもわかりやすくアレンジされていてシン・ウルトラマンが全世代に向けた映画である事を伝えようとしているようで好印象でした。

いわゆる実相寺アングルへのオマージュも随所に散りばめられていて、引きのアングルや対象物を直に映さない、あえての暗めの照明など本当にウルトラマンが好きなスタッフが作っているのだなと感心させられました。


細かい所では「アメリカは武器を売りつけるだけで何もしてくれない」という禍特対のセリフや、
ゾフィーが正義の味方ではなく宇宙全体の調和を守る存在として登場し、外星人との融合が可能と実証されてしまった人間を脅威と見なし、光の国の掟を忠実に実行するという大義名分のためにゼットンを使って地球ごと人間を消滅させようとする流れは現代の世界情勢や戦争の構図をそのまま反映させているようで上手いなと思いました。


映画のテンポがよく一本の映画の中に最終回まで落とし込まれており、ウルトラマンを全く知らない人でも楽しめる映画になっていると思います。

私は完売していたため残念ながら購入出来ませんでしたが、パンフレットと共に劇場で先行販売されていたデザインワークスという本の中では庵野秀明が続編(三部作?)について言及している記述があるとかないとか‥。

ラストがあの形でキレイに終わっているからどうなるかわかりませんが‥。

今回同様にテンポよく話が進むのであれば個人的には2作目をゴモラの登場する「怪獣殿下」とレッドキングが登場する「怪獣無法地帯」「怪彗星ツイフォン」辺りを織り交ぜた怪獣いっぱい出るお祭り映画にして、

3作目でバルタン星人が登場する「侵略者を撃て」「科特隊宇宙へ」、ダダが登場する「人間標本5・6」辺りを長尺でシリアスにホラータッチで描いて欲しいな等と妄想が膨らみます。

「宇宙船救助命令」をリメイクして最後に戦う敵がキーラではなくサイゴみたいなネタぶち込んでみたり‥。


そんなわけでシン・ウルトラマンは大満足の映画でした。

もう一回くらい劇場で観たいなと思います。

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