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愛でる人

最近、鳥の声を覚えた。
ツピー、ツピーはシジュウカラ。
ツピーヨ、ツピーヨはヒヨドリ。
ギャーギャーうるさいのはムクドリ。

朝まだき布団の中でツピーヨ、ツピーヨと美しい鳥の声を聞く。
まるで高原にでもいるかのような爽やかさ。

ここはわりと近くに河原があるから鳥が多いのかしら?
それにしても、以前はそんなに鳥の声など聞こえなかったのに。

自然が少なくなったせいかしら?
住宅地にまで鳥が入って来るようになった?

……と考えて、あっと思いつく。

この四月はツイッター(X)に桜の写真が続々届いた。
もちろん私も近所の桜を撮っては、次々とアップした。

満開の桜の花が流れて来るタイムライン。
何て優雅な……。

日本ならではのツイッター。
何がXだ!
などと考えて気がついた。

若い頃は桜の開花など興味がなかった。
高校の校門に到る坂道は桜並木だったのに。

興味といえば花が終わる頃に毛虫が落ちて来ないか……ぐらいだった。

そう。

花を愛でるのは年老いた証拠。
(若い頃から花を愛する人もいないではないが……)
ツイッターのフォロワーさんはご同輩が多かったらしい。
だから桜まみれのタイムラインだったのか。

なるほど~。

鳥の声についても同じだろう。
年老いたからこそ、自然が愛おしく思える。

そうかそうかそうだったのか。

などと思う春である。





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