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サゲは黙って聞け!

ツイッター落語村でちょいと話題になっていた。
隣の客に落語のサゲ(オチ)を先に言われた。
がっかりした……と。

察して余りある。

落語のサゲを落語家より先に、または同時に言う客。

イエローカード?
いいや。
レッドカード!!

会場を追い出しても良いぐらいの反則だ。

横浜にぎわい座
何の会だったかな?
瀧川鯉八 春風亭昇々 
玉川大福 立川吉笑

みんな誤解してるけど。

落語は落とし話。
だから、オチを楽しむものだ。

……と信じてる人もいるだろうけど。

全然違います!!

オチなんてみんな知ってんの!

たとえば「寿限無」なら「あんまり名前が長いからコブが引っ込んじゃった」

「饅頭怖い」なら「苦いお茶が一杯怖い」

「芝浜」なら「よそう、また夢になるといけねえ」

みーんな知ってんのよ。

有名な噺のオチなんか。

仙台の花座での桂宮治独演会

そのオチに到るまで、
噺家がどう工夫して、どこに力を入れて語るのか。

それが楽しいんじゃないかさ!

長い噺を聞き終えて、
最後に落語家の声でサゲを聞く。

それが至福の時なんだ!!

グランドフィナーレなんだよ!!

おなじみ新宿末廣亭

なのに隣のオッサンの声で邪魔される無念さ!

察して余りあり過ぎる。

落語は落語家の声と語りで、自分一人の世界に遊べる芸能なんだ。

衣装も舞台装置も何もいらない。

だからお安いわけだが、だからって中身までお安いわけじゃない。

ゲハゲハ一人だけバカ笑いしたり、バンバン手を打ち鳴らしたりして、
他の客の耳を弄するのはイエローカード。

そしてサゲを人に聞こえる声で言うのはレッドカード!!

第39回せんばい寄席の手拭い 
使い込んでよれよれだ

と、くどくど書いたが、もっと端的なたとえがあった。

アイドルのコンサートに来たのに隣のおっさんが大声で歌ってる。

推しの歌声が全然聞こえない!!

死ねっ!!!

つまりそういうことですね。

どっとはらい。


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