30代で歯科矯正を始めた話
ずっと、歯並びの綺麗な方が羨ましかった。
雑誌のモデルさんだけでなく、友人たちの笑顔の写真を見る度に「きれいだなぁ。」という憧れとともに、必ず「私も小さい時に歯科矯正しておけば良かったな〜」という後悔がつきまとう。
それは、身長や骨格とは違い、治せる可能性のあったものだったからかもしれない。
そんな私が、ついに30代半ばで歯科矯正を始めることを決断。
本当に歯列は綺麗になるのか?まだまだ半信半疑な自分への応援と記録を兼ねて、大人の歯科矯正体験記を記録していきたいと思います。
歯科矯正に至るまでの道のり
歯並びを気にするようになったキッカケ
20代の頃、多少服が毛玉になっていても、化粧が適当でも、髪がボサボサでも、「若さ」がなんとかしてくれていました。
色んなことを「若い」ということがカバーしてくれていたのです。
(高校生の頃、私の母に一度「矯正する?」と言ってもらったこともありましたが、シングルマザーだったこともあり、そんなことに大金を使えない!と思ってもいました。)
若さという薬で色んなことをカバーしてもらっていた私は、歯並びがあまり気になることもないまま、出産という人生のイベントを迎え、自分の身だしなみを気にする機会も必然的に減っていきました。
ですが、30代半ばを迎え、20代の時は適当でもなんとかなっていた服の毛玉や髪のボサボサが、次第に清潔感を損なうものとなっていくことに、鏡を見て気付かされます。
着飾るのではなく、そもそもの素質を清潔にしておかねば…と思い始めた頃、たまたま同世代の一般の方たちが掲載されている雑誌を読みました。
みんな笑顔が素敵で、口元、歯並びも素敵だったのです。そして自分の歯を見てガッカリしたのです。
この先、マスクを取って家族と、友人と写真を撮る時、こんなに自然に笑えるだろうか。
歯を見せたくなくて笑顔になれないのではないだろうか。
別に雑誌に載ることはないけれど、歯並びをきれいにしたいなぁ…そんな思いを強く持つようになりました。
4ヶ所目の歯医者さんで決断
昨年、義理母(60代)が歯科矯正をはじめました。きっかけは虫歯だったそうです。「まだまだ人生長い。虫歯になりにくい歯を作っておくことは大切」と歯医者さんに言われたらしくはじめたそう。また、フランス人の元上司(40代)も日本で歯科矯正を始めていました。
年を重ねても歯科矯正をしている人たちが周りにいたことも私の背中を押してくれ、まずは歯医者さんに相談してみようと思い、普段通っている歯医者さんの歯科矯正相談に行ってみることに。
これがこの記事を書いている、今から半年前のことでした。
私の歯は、上の歯が1本、不自然な位置に生えてしまっています。この歯を抜く必要があるだろうなと思っていたところ、やはり「1〜2本抜いて矯正する必要がある」というお話でした。
先生が結構何色を示していたので、そこまで大変ならいいや…と怯んでやめてしまいました。
それでもやはり諦めきれず2ヶ所目へ。
歯科矯正の事例が多く載っている歯医者さんをHPで選び、訪ねてみました。
短期で見栄えを良くできるセラミック矯正を推奨しており、「1本だけ歯の上からセラミックを被せて、あとは歯を抜いて歯列を整える方法が良い」とアドバイスをいただき、見積もりももらいました。
時間がかからないのは良い!けど矯正だけではないため、やはりお高い。
次は家から比較的近い歯医者さんへ。ワイヤー矯正で、かつ歯を抜いたほうがいいとのことでした。あぁやはり歯は抜くしかないのだ。
金額は高いし、歯は抜かなきゃいけないし、少し気持ちが後ろ向きになっていた時、夫に歯科矯正を考えていることを相談してみました。
すると「そう思うなら今やりなよ。それで長年の悩みが解消されるなら安いもんだよ。今悩んでいるということはこれからもずっと悩み続けることになるよ?」と言われてハッとしました。
そう、今が一番若い。
そして今やらなければ今後ずっと「歯科矯正すればよかったなぁ」と、なんとなくやらなかった後ろ向きな自分の選択を後悔し続けるのです。
矯正の決断をしたことで、もうどこで矯正しても同じなら、通いやすいところがいいか!と思い、小児歯科も手掛け、いつも混んでいる近所の歯医者さんへ矯正相談に行ってみることに。(混んでいるのだから人気なんだろうという単純発想)
すると、「マウスピースでも治りますよ。歯も抜かなくて大丈夫」とのこと。
なんと!?まさかの提案です。
ワイヤー?マウスピース?
歯科矯正と聞くと、歯に金属のワイヤーをかけるタイプのものを思い浮かべる方が多いと思います。
最近では歯の裏にかけるタイプなどもありますね。私が気になっていたのはマウスピース型。
透明で目立ちにくく痛みも少ないと聞いたからです。でも、歯が入り組んでいる私の歯列では難しいと思っていました。
しかし、歯科矯正を行うことに決めた歯医者さんでレントゲンや立体映像を撮影し、シミュレーションしてもらったところ、歯を抜かずともマウスピースで問題なく動くし、ワイヤーと期間も値段も変わらないと言われました。
実は義理母はワイヤーで矯正しているのですが、歯が痛いし、食べ物が詰まってすごく不便という話をしていました。
私は元々虫歯になりやすいタイプなので、食べ物が挟まりやすいワイヤーよりも、マウスピースで期間も値段も変わらずに治るなら試してみたいと思い、マウスピースを選ぶことに。
実際に歯医者さんにマウスピース交換に来ている小学生を見て、勇気づけられたのもあります。笑
この歯医者さんでなければ歯を抜くことになっていたので、歯医者さん選びは大切ですね。
マウスピース矯正にもいろいろな種類がありますが、通うことにした歯医者さんが提携しているのは、マウスピース業界でも有名な「インビザライン」です。
症例が一番多いとのこと。歯の動きをシミュレーションしながらマウスピースの形状をどんどん変えていき、100枚近いマウスピースを使って徐々に歯を動かす仕組み。
「どこかの歯を起点に、全体を少しずつ動かす」という点においてはワイヤーもマウスピースも同じとのことでした。
【説明を聞いて私が感じたマウスピースのメリット】
痛くない
つけているのが分かりにくい
取り外し可能(1日に20時間つける必要がある=食事など、4時間近くは外す時間があってもOK)
歯科矯正自体が初めてのため、デメリットは正直分かりません。実際につけてみて感じたことを下の方に記載しています。
どれくらいの期間がかかるのか?
こればっかりは歯の動き次第。ですが、およそ2年〜2年半と言われています。私は上下の歯全体を動かすためこれくらいかかりますが、上だけの方や一部分だけの方は1年で終わることもあるそう。
歯の動きに合わせて交換していくマウスピースの数はなんと98枚・・・!1枚10日だとすると、約2年半。若干気が遠くなるような枚数!
支払った金額
マウスピースと一言で言っても、自分の歯や動きに合わせて作る必要があるためある程度の金額がかかります。
また、作成にあたって、詳細な検査も必要なため、その費用も。前後の歯のクリーニングなどの保険適用費用は除き、私が純粋に歯科矯正費用として支払った金額は627,000円(マウスピース代)+44,000円(撮影代等)です。
約70万円。これだけ見ると高いと感じる方も多いかもしれませんが、前述した歯科医院では見積もり80万〜100万円超えだったので、比較的良心的な価格だと思います。(来年から材料費高騰で値上がりするそう。)
これに加えて、歯のクリーニングなど、通常の保険適用の診療代が追加になります。
歯科矯正スタート
私の歯並び
まず下の歯が1本変な方向を向いています。
そしてパッと見では分からないのですが、上の八重歯の隣の歯が、のど側の見えない部分に生えてしまっており、ここに食べ物がよく詰まるし虫歯になる。(涙)
この点を歯を抜かずに綺麗にしようとすると、奥歯を後ろの方へ動かし、歯列を整えたり、歯を前に出してあげる必要があるそう。そのため、歯列が整うのは最後。まずは奥歯を後ろに動かして隙間を作ることから始めます。
マウスピースが届いた!
カウンセリングに行ったのが6月前半。虫歯の治療をし、6月後半にクリンチェックと呼ばれる歯のレントゲン撮影などを終え、マウスピースが届いたという連絡来たため歯医者さんへ。(本当は7月からでしたが体調不良で延期)
インビザラインのマウスピースはただ装着するだけではないのです。ワイヤー矯正と同じように、歯をきちんと動かしていく仕組みのため、歯にアタッチメントと呼ばれる突起のようなものを装着します。歯用の接着剤を使い、詰め物のような白いものをくっつけていきます。
これに1時間ほどかかりました。特に痛みはないですが、口内に非常に違和感があります。笑
上下付け終わったら、いざマウスピースを装着!
こんな感じで、近くで見るとよく分かりますが、遠くからだと分からない感じです。最近は在宅勤務が多いので、カメラ越しに分かりにくいのは◎です。
痛みはないけれど
マウスピースは痛みがないと聞いていました。確かに痛みはありません。
しかし、強烈な違和感はあります。
まず、歯がカチッと閉じられません(マウスピースしてるから当たり前)。
そして、歯を動かすマウスピースなので、歯が浮く感じやムズムズがあり、よだれが出る!
装着をしてくださった歯科衛生士さんも同じ矯正をしていて、「数日で慣れますよ」と言ってくれましたが、初日は「本当にこの生活を2年も続けられるの?」と若干泣きそうでした。
ですが、人間とは不思議なもので、3日目の今日、若干慣れては来ました。(まだ違和感はあるけど…)
【私が感じた違和感】
歯が浮く感じでむず痒い
歯が閉じない(口は閉じれる)
マウスピースを外し食事をする際、口の中を噛みやすくなった
滑舌が悪くなる(だんだん慣れて普通に話せるようにはなる)
一番困ったこと
困ったというより、悲しいこと。それは「気軽におやつが食べられない、コーヒーが飲めない」ということです。
マウスピースは1日20時間以上つける必要があります。そのため基本的に食事の時以外はつけっぱなし。
もちろん食べる時や飲む時に外せばいいのですが、歯に突起がついて簡単に外れないようになっているため、間食の度に外したり装着したりが正直面倒で手間です。そのため、マウスピースをつけている間は水しか飲めません。
(マウスピースをしたままコーヒーを飲むと、歯の間に液が溜まり、色素沈着しやすくなってしまいます。なので、家ではまだしも、たとえば会社でコーヒーを飲みながら仕事…ということは出来ないのです。お茶も推奨されませんでした。)
マスク生活の中、清水の舞台から飛び降りる気持ちで始めた歯科矯正。
92枚のマウスピースを使い切った後、私の歯はどうなっているのか、また後日経過を載せていきたいと思います。温かく見守っていただけたら嬉しいです。
【追記: 2024年4月】
歯科矯正を始めて約1年半が経ちました。
98枚のマウスピースのうち、87枚まで到達!
マウスピース生活にも慣れ、違和感を感じることはほぼなく過ごしています。
(慣れすぎて、うっかりそのままコーヒーを飲んでしまうことも多々。←)
歯は順調に動いています。
もっと早く始めれば良かった!と思っているくらいです。
以上、途中経過でした。
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