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海外出身者から学んだプレゼンの心得

最近、英語でプレゼンをする機会が増えてきました。元々人前で話すのは苦手ですが、プレゼンをする際にそうも言ってられません。プレゼンの成功の鍵は予行練習含めた準備がどれくらいきちんと出来るかに尽きますが、そもそもきちんとした構成でプレゼンが作成されていなければ準備も水の泡。母国語以外ならなおさらです。

以前の私は、英語の参考書によく書かれているように「Today my topic is~」なんて始めても誰も興味を持ってくれないなんて知りませんでした。

さらりとプレゼンをこなす同僚や上司たち。そんな職場の仲間から少しずつ学んだ英語プレゼンの「なるほど」を記録としてまとめてみました。

ここで紹介しているのは「使える英語フレーズ」等ではなく、あくまでも私個人の学びです。

導入で思いを伝える

私が英語のプレゼンを最初に行ったのは学生時代でした。大抵「My theme is」とか「Today's topic is」と始めるべきと習うのですが、社内のプレゼンでこういう言い方をしている人はほとんど見かけません。

その代わりに「I will explain」や「I will share」、「I would like to talk about...」といった動詞を使っています。定型文やだらだらとした前置きではなく、これから何を話すのかをシンプルに動詞を使って伝えることで、意思や思いを単刀直入に伝え、聞き手の興味を集めているようです。

聞き手のメリットを加える

聞く

プレゼンのイントロ部分でもう一つ大切なのが、聞き手にとってのメリットをセットで伝えることです。

「Today I will explain …, so you will have a better understanding of ~」など、このプレゼンを聞いたら聞き手にはどんなメリットがあるのかをセットで紹介するだけで「あ、このプレゼン聞こう」と思ってもらえます。聞き手のメリットは大それたものでなくて良いのです。

プレゼントを聞けばこれが分かる、こんな情報が得られるよ、それだけでプレゼンを聞こうと思ってもらえるのです。

最初からつまらなそうなプレゼンが始まったら、スマホを見たり、パソコンで内職したり…なんてこともありますよね。そんな状況を少しでも避けるために、導入部分で聞き手に「なんの目的でプレゼンをしているのか、これを聞くとどんなメリットがあるのか」を伝えるのは大切なのです。

聞き手の期待値を見極める

プレゼンに求める期待値は、聞き手によって異なります。

例えば会社の役員にあたるような立場の人なら「結論は何か」がきっと一番気になるでしょう。限られた時間の中で決断を下せるための情報量と結論をまとめることが大切です。

ではもう少し階層が下がった課長や部長の場合はどうでしょう。きっと同じです。「で、結論は?」です。(笑)

ただし、上長であれば「プレゼンターの見解」も期待しているかもしれません。私はよく上司に「君の見解は?」と聞かれました。

では同僚の場合はどうでしょう。

「早く終わらないかな」です、きっと。(笑)

どうしても、あれもこれも!と情報を詰め込みがちになりますが、聞き手の事を考えていないプレゼンは、興味を失われてしまいます。無計画にプレゼンを進めるのは非常に危険で、「結局何が言いたいの?」となりかねません。

  • どんな情報を

  • どれくらいのメッシュの細かさで

  • どれくらいの時間に収めるか

これを明確にせず、自分の作りたいようにプレゼンを作り、一方的に説明したが故に、聞き手がみんな内職をしている、なんていう光景もよく見かけます。

誰にも聞いてもらえないプレゼン…作る労力が無駄ですし悲しいですよね。せっかく資料を作ってプレゼンするのであれば聞いてもらえるプレゼンを作りたいものです。聞き手のメリットと合わせて期待値も想像した上で構成を作成するのはとても大切だと感じました。

聞き手を誘導する

誘導

とても分かりやすい、この人はなんてプレゼンが上手なんだろうという人は大抵聞き手を上手に誘導しています。1分間の自己紹介でもない限り、プレゼンの聞き手が中身や目的を記憶しながら理解するのは非常に大変です。

なんせ聞き手は「資料を見る(読む)、話を聞く、理解する、必要に応じてメモする」という作業を短時間で同時並行しなければいけません。

私もよく、あれ、これ何の話だったっけ?となることがよくあります。

しかし、プレゼンが上手な人は、「今この話をしていて、次はこの話をするよ」、「この話のまとめを今からするね」と聞き手の理解を助けるようなサポートをそれとなく行っているなぁと思います。

自信の無さを見せない

自信

プレゼンの聞き手の中には、たまーに意地悪な質問をする人もいますよね。例えば「このデータはおかしいと思う」、「これは違うのではないか」など。私なら狼狽えてしまいそうですが、同僚達は非常にニュートラルに返答します。

「この時に調べた事実としてはこうだった。状況が変わっているかもしれないので、持ち帰って確認してみる。」、「確かにそういう見方もあるかもしれないが、私はこう思っている」

自信を無くしたような態度は一切見せません。一瞬でも自信の無さが垣間見えると、これまで話してきた内容まで疑問を持たれる可能性があるからです。そして今後の業務を依頼する際の信頼度にも関わります。自信を持って話している姿は、それだけで情報や考えに信頼が持てますし、この人の話をもっと聞いてみたい、と思います。そしてこうして堂々と話が出来る人のところには自然と仕事も集まってくる印象です。

意図的に嘘や偽りを話していない限りは、自分の話す内容に自信を持ち続ける。この姿勢はとても大切だなと実感しました。分からない、すぐに答えられないことがあっても、それはそれ。後で確認すればいいだけで、今自分の話している内容に自信を持って話す。最近心がけていることです。

(しかし、自信を持って話すためには突貫工事はだめで、ある程度想定される質問と、そのための情報は事前に調べておく必要がありますね。知識や裏付けが少ないと、自信の無さに追い打ちをかける気がします。)

まとめ

長い間外国人上司や同僚のプレゼン姿を見てきましたが、肝となるのは「シンプルに、自信を持って、時間内に収めるように聞き手の事を考えて話をまとめる」ことではないかなと感じます。プレゼンの本に書いてあるようなことですが、これが実践するとなるとなかなか難しいものです。

日本の教育の中では、そもそも「人前で自分の意見を述べる、ディベートする」という機会が少なかったので、社会人になってプレゼンをする機会が増えて、なかなか上手に出来ないという人も多いのではないでしょうか。日本人同僚とは「どうして外国人の同僚たちはあんなにプレゼンがうまいんだろう。やはり受けてきた教育の違いもあるよね。」なんて話によくなります。

やはり場数を踏むって大事ですよね。

プレゼンの機会がそもそも少ない場合、動画を取りながら練習するのも良いかもしれません。自分の話し方は自信があるように見えるのか、客観的に見てみると意外ともっと胸を張って話してもいいのかも?そんな方向性が見えるかもしれません。

この学びが少しでもどなたかのお役に立てば幸いです。

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