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日なたと日陰

学芸大のキャンパスには猫がたくさん住んでいます。ほかにもハクビシンとかカルガモとか。エディブルヤードをやっているエリアも、冬の昼間は猫が日なたぼっこする場所になっていて、今年もそういう季節になってきました。協生農法の生態系の中で猫がどういう役割を持つかも考えるべきところかもしれません。たとえばこのエリアにはモグラも住んでいるようですが、この猫はモグラを獲るのだろうか、とか、雑草や野菜も食べたりするのか、とか。排泄はどこでするのか、とか、歩きまわって踏まれることが草の成長に影響するのかとか。

一斉草刈りの後

10月頭にはエリア一帯の草刈りが行われました。夏が終わると大学全体で行われます。それまで膝丈以上に伸びまくっていた雑草たち。

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それがきれいサッパリと。

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我らがエディブルヤードは雑草がかなり生えていて見た目が畑に見えないので、もしかしたら一緒に丸坊主にされてしまうのではないかとハラハラしていたのですが、無事そこを避けてやってくれたようです。ホッ。

そして、今まで見えなかったものが。

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ヒーッ、これだ!こいつだ!8月にこの木の上に載っていた蔓草を引っ張ったら蜂が数匹現れて、そのうちの1匹に刺されたのですが、まさにその下が巣だったとは。そりゃダメに決まってる。この庭は隣に附属小学校があり、小学生が帰り道に近くを通るので、駆除していただくことにしました。協生農法的にはこれも生態系の一部なのでしょうが仕方ありません。

さて、一帯の雑草が刈られましたので、最初に着手した3x3m(第一エリア)とその隣の畝エリアだけでなく、その周囲の平地にも試しに種をばら撒いてみることにしました。協生農法のムーさんはいろいろな環境で「花咲かじじいのようにドバーッと」蒔いていらっしゃるので、僕らも真似するぞ! とばかりに、主に葉物野菜の種をばら撒きました。しかし、これもなかなか眼が出ない。ところどころにちょっとだけ。

プレゼンテーション1

それよりも、この周りにたくさん出てきた草は何!? 今まで見たことなかったのに、草刈り後に雨後の筍のごとくウジャウジャ出てきました。

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希望的観測ではイタリアンパセリ!と言いたいところですが、もちろんそんなはずはなく、雑草図鑑と照合した結果ヤブジラミかな、と思っています。とにかく今はこれが日なたの至るところに出ています。きっと種が土中に待機していて、草刈りで日照などの環境条件が変わったので「今だっ!」と一斉に出てきたのでしょうね。タネの発芽スイッチってすごい。我々がこれまでたくさん蒔いて発芽しなかったタネたちは、タネごと虫や動物に食べられてしまったのか、スイッチが入らずに待機しているのか、スイッチが入らないうちに死んでしまったのか。何かの拍子に出てきてくれないかな。淡い期待を持ち続けましょう。

日陰で育つもの

エディブルヤードの周りには、時間帯によって日陰になるところや、ほぼずっと日陰なところもあります。そういうところにはコゴミやミョウガ、フキ、ドクダミなどが生えています。(それ以外は名前を知らないので「など」でごまかす。) そういうところでももっと色々育ててみたいな、と思い、どういうものなら育つのだろうと調べてみると、セリ科の植物が割と日陰好きな様子。ミツバもセリ科ですね。正月なんてお雑煮に入れるミツバをスーパーで買おうとするとびっくりするほど高いので、今から育てて買わずに済ませられるとうれしいな。たくさん採れて売ることができれば大儲けできるかもしれないし。ウッシッシ。いやいや、ここは大学だから儲けちゃいけないんだった。などと妄想が膨らみます。

そんなわけで、日陰にも何種類かのタネを蒔いてみました。ニラ、ミツバ、パセリ、水菜、イタリアンパセリ、オレガノ、チャービル。すると、出た出た。

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これは、まさに水菜なのでは! いいぞいいぞ! (ちょっと密集させすぎた。)

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これは、線みたいなのはニラですかね。そうでない双葉は...わからん。もう少し大きくなるまで待ちましょう。

しかし、翌々週には不思議なことが。なんと水菜の芽がすっかり姿を消してしまい、その代わりに、

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ミツバっぽいものが出てきました。嬉しいやら悲しいやら。なぜ水菜は姿を消してしまったのか??環境が合わなかったのか、何かが食べてしまったのか。うーむ。

ついに苗に手を出した

以前「種か苗か?」という記事を書きましたが、種の発芽率が悪ければ苗を考えますよね。10月はホームセンターに野菜の苗がたくさん売られています。

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エディブルヤードにばら撒いたタネが育たないのは、その種と土壌の相性が悪いのか、発芽条件に合わないのか、虫などに食べられてしまうのか、どんな原因なのかを切り分けるためにも、試しに苗を植えてみて、それが育つかどうか観察してみたいと思います。

1粒1円くらいのタネが、苗になると100円くらいになるというのは、ちょっと心に引っかかるものがありますが、自分で苗床を作る努力をしないのなら買うしかありません。とりあえず30株ほど大人買いしました。飲み会1回分です。

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この写真に虫除けスプレーが写っていますが、エディブルヤードには蚊が大量発生していて夏の間悩まされていたのですが、10月後半になってようやく収まってきました。これで落ち着いて作業ができます。ちなみに、同じく夏場にたくさん見られたトカゲたちも、数が少なくなってきました。

苗は主に葉物野菜が中心です。これらを畝エリアや平地のばら撒きエリアに配置し、同じ種でも日当たりなどに違いをつけて比較してみることにしました。水菜の苗もあったので、前述の日陰エリアに植えてみました。果たしてこれも消滅するのかどうか。

この環境でどういう生態系なら「エディブルヤード」(食べられる庭)になるのか、考え、試し、学ぶをどんどん繰り返して行きます。

(フジムー)

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