坂口志文著「免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか」
免疫系の仕組みの中で「自己」と「非自己」が揺らぐのはなぜか?
制御性T細胞:免疫細胞そのものを抑制する
T細胞:外界から入ってきた異物に対して特異的に働く獲得免疫系の主役
ヘルパーT細胞:免疫系の司令塔
キラーT細胞(細胞障害性T細胞):病原体を攻撃
分子マーカー 細胞表面分子
Foxp3 転写因子 タンパク質
→制御性T細胞をコントロール。Foxp3遺伝子に変異があると自己免疫疾患を引き起こす
制御性T細胞とがん細胞
制御性T細胞:免疫を抑制しようとする
制御性T細胞を完全に取り除くと、自己免疫疾患を発症する
治療の鍵
:どの程度まで制御性T細胞を減らせば、副作用としての自己免疫疾患を起こさずに、がん細胞を攻撃させられるのかを知ること。
免疫とは外敵から自分を守るためだけのものではなく、自分を攻撃する場合もある。
「非自己を攻撃しても、自己は攻撃しない」→二律背反的
自己免疫疾患:自分を守る免疫系に不具合が生じて自分を攻撃するようになり起こる
免疫系の応答:「自然免疫」と「獲得免疫」に大別される
「自然免疫」:異物を貪食するマクロファージなどの細胞が中心になって働いている。
「獲得免疫」:異物(非自己)を認識して抗原特異的に応答するので、T細胞やB細胞などのリンパ球が中心となっている。
「獲得免疫」:「細胞性免疫」と「液性免疫」
「細胞性免疫」:主にT細胞が担う局所的な免疫反応。Ⅰ型ヘルパーT細胞が抗原を認識すると、細胞障害性T細胞(キラーT細胞)が活性化されて、病原体(異物)に感染した異常細胞を攻撃する
「液性免疫」:B細胞が攻撃の主役となる。Ⅱ型ヘルパーT細胞がサイトカインを産生すると、B細胞が形質細胞(抗体産生細胞)へと分化して、B細胞から産生された大量の抗体が体液を介して全身に広がる
T細胞-「獲得免疫」の司令塔
:ヘルパーT再簿、細胞障害性T細胞(キラーT細胞)、制御性T細胞など
リンパ球を産生する臓器-一次リンパ組織:胸腺(Thymus)と骨髄(Bone marrow)
T細胞(Tリンパ球):胸腺由来細胞(Thymus derived cell)
B細胞(bリンパ球);骨髄由来細胞(Bone marrow-derived cell)
T細胞、B細胞、NK細胞
すべてのリンパ球は骨髄に由来する
胸腺でどのようにT細胞になるのか?
異物などを取り込んで消化する機能を持つ食細胞:「自己」「非自己」を識別している
→メチニコフのアイデア
オートファジー
免疫の自己寛容は、免疫反応を抑制するT細胞の亜集団(サブセット)のバランスによって維持されている。
抗体-B細胞が作り出す:抗原のすべてを認識するのではなく、抗原決定基(エピトープ)と呼ばれる一部分だけを認識する
モノクローナル抗体
ポリクローナル抗体
自己免疫疾患:甲状腺炎、胃炎、卵巣炎、睾丸炎
どんな人でも、正常な自己を攻撃する免疫細胞を持っている。それを抑制する細胞が同時に存在しているから何もおこらないだけなのだ。
自己免疫疾患は、自己を攻撃する細胞を抑制する細胞が機能不全を起こした結果、発症する。
CD25 細胞表面分子
インターロイキン:リンパ球や食細胞などが分泌するサイトカイン
サイトカイン:細胞の増殖・文化・活性化などの機能発現を誘導する可溶性分子
制御性T細胞Regulatory T cells: T reg Tレグ
CD25陽性CD4陽性T細胞
MHCクラスⅠ
内在性抗原:ウィルスが感染した細胞内で処理されたウィルス抗原ペプチドMHCクラスⅡ7
外来性抗原:細菌寄生虫、毒素などの抗原を取り込んで処理した抗原由来ペプチド
Wishful thinking希望的観測
「正の選択(ポジティブ・セレクション)」
「負の選択(ネガティブ・セレクション)」
P112~p113
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓気になった箇所の抜粋です。「自己」と「非自己」の境界は”動かせる”という事実。制御性T細胞の量や活性状態で、免疫応答を制御できるという事実は驚愕的でした‼気力が湧いたら更新させて頂きます。
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