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ビジネスが確立していない状態でのOKRは成り立たない。

## はじめに

私はAIベンチャーで3年以上CTOをしています。
私がいる会社でもOKRを導入しようとしましたが断念しました。
そこで今回は、その経験から得た、OKRを導入しない方が良い企業について述べたいと思います。

## OKRとは

OKRとは目標の設定・管理方法のひとつであり、Objectives and Key Resultsの略称です。Objectivesとは目標、Key Resultsは主要な結果のことです。米・インテル社で誕生し、GoogleやFacebookなど、シリコンバレーの有名企業が取り入れていることで、近年注目を集めており、日本だとメルカリが導入していることで有名です。

## OKRを導入しない方がよい企業

名だたる優良企業が導入しているOKRですが、正直導入しない方が良い(マッチしない)企業があります。
私が考えるOKRを導入しない方がよい企業は以下3つが該当する企業です。

- 会社の軸となるサービスがない
- 誰が何をするかが1-3か月で変わる可能性がある
- リーダー・マネージャーが少ない

## 会社の軸となるサービスがない

特に創業初期のシードやプレシリーズAの企業は会社の軸となるサービスが確立していないことが多いです。そのため、明日には別のサービスを開発するということもあり得ます。(^^; なので、せっかくOKRを設定しても作り直しになります。
OKRの設定は、ちゃんとやろうとするとかなり時間がかかります。特に初めてやろうとする場合、OKRに関する知識・認識を全メンバーに浸透させることに苦労します。
以上のことから、会社の軸となるサービスがない企業ではOKRの導入は避け、まずはサービスを確立するために労力を割いた方が良いでしょう。

## 誰が何をするかが1-3か月で変わる可能性がある

会社の軸となるサービスがないとかぶりますが、創業初期のシードやプレシリーズAの企業では、一人が多数の仕事をすることが多いです。ソフトウェアエンジニアだけど営業や採用、導入の作業をすることがあります。なので、そういう人がまじめにOKRをすると、Objectivesは多数になり、Key Resultsが多岐にわたってしまいます。無理矢理減らすとOKRに該当していない仕事も遂行することにもなるため、OKRが意味の無いものになってしまいます。

## リーダー・マネージャーが少ない

先述しましたが、OKRの導入には時間がかかります。全メンバーにOKRに関する知識・認識を浸透させる必要があり、浸透させるのはリーダーやマネージャーのタスクです。そのため、そういったリーダーやマネージャーが少ないと浸透させるところで力尽きます。(リーダーやマネージャーのタスクはOKRだけではないので。)OKRの導入に力尽きて、サービス開発に影響が出たら元も子もありません。

## 最後に

私がいる会社でもOKRを導入しようとしましたが断念しました。
その経験から得た感覚として、OKRを導入しない方がよい企業は、
- 会社の軸となるサービスがない
- 誰が何をするかが1-3か月で変わる可能性がある
- リーダー・マネージャーが少ない
に該当する企業と考えています。
OKRはとても良いフレームワークではありますが、結局は誰がどのように使うかが重要なので、むやみに取り組まない方が良いかと考えております。

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