あるおじいさんミュージシャンの現在進行形で魅力あるショーの話

映画「デヴィッド・バーンのアメリカン・ユートピア」を観ました。 映画といっても、ショーを映像化したものです。
ハイスキルパフォーマー達によって完成されるショーに「音楽パフォーマンスのあり方」を考えさせられました。

元Talking Headsでショー当時68歳のデヴィッド・バーンがその音楽人生の集大成として取り組んだのだろうと思われるショーです。
ミュージカルでもない、あくまでもライブコンサートの発展形なのだけど、アドリブ要素はなく隅々まで計算されています。 でも華美ではなく、質素な舞台装置とシンプルな衣装で如何に最高のパフォーマンスを完成させるかという美学は、Talking Heads時代と変わっていません。
それを現代のテクノロジーとパフォーマーのスキルで作り上げたと考えて良いと思います。

「おじいさんロックミュージシャンが、過去の栄光に頼りきるだけではない、現在進行形の魅力あるショーをやる」 これだけでも、見る価値があると思います。
ロッカーと言えど、過去の栄光に縋り懐メロだけでやっているじいさんロックミュージシャンは珍しくないですし、特にロックが若い人だけのものして発展した日本のポピュラーミュージック関係者は注目するべきだと思います。

実は、私は自分の意志で人生最初に入手した海外アーティストの音源はTalking Headsでした。 そういう意味でも勇気をもらいました。
しかも、そのきっかけとなった「Rode to Nowhere」という曲がこのショーのキーになっています。

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