坂井泉水が好きな男

坂井泉水が好きだ。僭越ながら、そう申し上げさせていただきます。

と、言ってみたが、俺にはあんまり人を好きになるというのがない。なぜか。それは、この世には人が多すぎるから。人がいすぎていすぎてたまらないから。だからそこから特別誰かを好きになるなんてことはない。ほぼない。いや、まぁない。うん、ない。ないということで進める。

まぁ俺ほど優れている人間が誰かを好きになるっていうのはそれこそめったに起きないことで、俺がピンとくる人間は相当すごいということだ。逆に世間でいろいろともてはやされているやつも、俺がピンとこないような奴ならもうそこには価値がない。ただ優れているだけではなく、そこに何かを感じさせないといけない。優れているだけでいいなら、俺はロボットと結婚するだろう。世間ではあまり認められていないような人でも、そこに俺を動かす何かがあれば、それは何事にも代えがたいすばらしいものを持っているということだ。まあ、もちろん俺以外にもその感覚はあるし、ないやつは死刑に処されてないのを喜べばいいと思う。

と、言うところで。その点を見事凌駕してくれているのがZARD,坂井泉水だ。彼女には他の人では埋められないものを持っている唯一無二の人間だ。若くして亡くしたのが惜しいが、それも俺にとっては愛しく思えるポイントなのかもしれない。
こういう、やっぱり手が届かないなと思わせてくれる人は中々いないし、ここまで完成されているのも珍しいと思う。具体的なことを言うと、俺の言葉では安っぽくなるのでやめておくが、俺では決して届かない憧れの人物だ。彼女が彼女として生きるだけでそれは作品になるし、それ以外の部分を排除したいほど俺は心酔しているのかもしれない。そういう人は今まで出会った人の中でも数人しかいない、そしてこういう人に限って今じゃもう見れない人や追えない人のほうが多い。天才はきっとそうなんだろうな。もしくは若いほうがそこの魅力が強いからかもしれない。天才は天才じゃなくなるし、才能は枯れる。

ZARDの曲はまぁ似たような恋愛ソングが多い。俺は全くと言っていいほど恋愛ソングが好きじゃないけど、そこにも惹かれる。ズブな素人から見てもこの人の歌声には惹かれる。かっこいい。

俺は人を見るときに、その人が俺の価値観から見てカッコいい人間かどうかで判断してる部分が多いんだと思う。その点、坂井泉水はカッコ良すぎる。彼女は才能が枯れなかった。でもこれは、あんまり褒められた見方ではないのかもしれない。

坂井泉水はこれでよかった。坂井泉水が坂井泉水として死んだのは、才能が枯れなかったことの証拠。自分には手が届かない。

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