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家族と言っても自分と違う人/12冊目 湊かなえ 『夜行観覧車』 双葉文庫

あー、なんか、衝撃が凄い。「家族だから」「これくらい大丈夫やろ」に胡座を掻いていたな…。

これが読み終えた時の感想でした。確か、小学6年生の時に読んだんですよね。びっくりですよ。これから経験するだろう、受験に恐怖を抱きました。

湊かなえさんはとてもリアルに描写するので、読んでいるだけで臨場感があって、自分もそうなるかもしれないという、仄暗い恐怖を感じます。

家族も他人だ。

そう強く思いました。

始めに

見てくださって、ありがとうございます。
えだまめです。

今回は湊かなえさんの『夜行観覧車』を紹介します。

ゆっくり、読んでいってくださいね。

家族とは

この本は遠藤家と高橋家の比較が軸となっている作品だと思います。

少々背伸びをしてひばりヶ丘に家を構えた遠藤家と医者の父親を始めとする、セレブの高橋家。高橋家である日、殺人事件が起こる、というストーリーです。

コロコロ視点が変わり、登場人物の心情が見えてきます。背景や見栄、立場、境遇などがそれぞれ良く分かります。

親と子。

パートをしている遠藤真弓と中学受験に落ちてしまった彩花。そして、我関せずの啓介。

専業主婦の高橋淳子と偏差値の高い高校に通っている比奈子と偏差値の高い中学に通う、弟の慎司。そして、長男の良幸。

家族だけど、すれ違っています。

真弓は彩花がヒステリーを起こす理由を分かっていないし、彩花は真弓がそのヒステリーにストレスを抱いていることを分かっていません。

淳子と比奈子は比較的上手くやっているように見えます。慎司は少し抵抗を見せています。

「家族」って難しい。

衝撃

私が読んでて1番驚いたのは、真弓が彩花の口に唐揚げ、そして土を詰め込むシーンです。

一歩間違えたら、高橋家だけでなく、遠藤家でも殺人事件が起こっていた可能性があります。

母親も人なんだ。

そう思いました。当たり前なんですけど。愛は無条件に注がれるものじゃないと感じましたね。

ひばりヶ丘

遠藤家と高橋家がある、セレブの人達が多く住む地域です。近隣住民の小島さとこも住んでいます。

すごく狭いコミュニティです。お互いがお互いの住所と顔を知っています。だから、殺人事件が起これば一気に知れ渡ってしまいます。

今の時代では、逆に珍しいと思います。この設定にしたことで、2つの家の特異性、地域の怖さが良く出ていると思います。

視点

私が初めて読んだ時は小学6年生で、彩花や慎司の気持ちがとても良く分かりました。今も、とても良く分かります。

ですが、年を重ねてこの本を開く時、親と子、どちらに共感するようになっているのか、楽しみです。

長く楽しめる本だなと思います。

最後に

良く知っている親子だな。何故か、そう思います。皆、多かれ少なかれ、彼ら彼女らのような心情を抱いたことがあるからでしょう。
とてもリアルな本でした。


どうでしたでしょうか。

少しでも、魅力が伝われば幸いです。

あなたにとって、この本がお気に入りの1冊に仲間入りしていただけるなら、こんなに嬉しいことはありません。

あなたのおすすめの本、次に紹介する本の予想、この記事の感想などありましたら、ぜひコメントをください。待っています!

見てくださって、ありがとうございました。
また、木曜日にお会いしましょう。
えだまめでした。


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次に紹介する本のヒントは

有川浩さんの、高知県に実在した部署を描いたお仕事小説

です。


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