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お金は「選択しなかった人生への想像力不足」を解決できるのか?

SNSで話題になっている、「子持ち様」。

子どもを理由に仕事がおろそかになったり、そのフォローを周りがせざるを得なくなることによってなんらかの不具合や亀裂が生じることを、世間では「子持ち様問題」というらしい。

わたし自身は、40代独身のおひとり様。

そこに対立構造があるとすれば、「子持ち様」とは対立する立場にいることになる。


子持ち様批判をしたくないおひとり様の事情

わたし個人としては、子持ち様批判はしたくない。

それは、未来を作る子どもを産むという選択をしていないことに、少なからず罪悪感があるからだと思う。

「産む産まないは個人の自由」

昔からそういわれてきたけれど。

「本当にそう思ってる?」と問い詰めたくなるほど、社会も、税金も、おひとり様に冷たい。

子どもを産むという社会貢献ができていないわたしは、いつもどこかで「社会貢献の代替策」を探して生きている。

そして、働いたり、投資をしたりして、税金を納める(=社会貢献)ことができている自分に、心なしか安心するのだ。

そんなぎりぎりの精神状態で生きているおひとり様としては、許されるのであれば、子持ち様批判や議論はちょっと遠くでやってほしい。

選択しなかった人生への想像力

「子持ち様」と「おひとり様」の論争は、実は1対1の構図ではない。

登場人物は、少なくとも4人いる。

➀想像力があるおひとり様
➁想像力がないおひとり様
➂想像力がある子持ち様
➃想像力がない子持ち様

図にすると、こんなかんじ。

ポイントになるのは、選択しなかった人生への想像力があるかないか。

多様性が注目される現代において、他者への想像力は争いを起こさないための唯一の剣で。

できるできないは別にしても、すべての人が想像力を持つ努力をすべきだと、わたしは思う。

「できるできないは別にしても」と言ったのは、この想像力を持ち続けることはかなり難しく、私もカンペキにできている自信はない。

しかし、想像力がない人は、その努力をしない人は、本当にまずい。

自分がこの世の常識になってしまうので、すぐにモンスター化してしまう。

この世の中で常識なんてものは存在しないこと。

そして、誰かの常識を、誰かが一時的に受け取る思いやりを持たなければ、この世は成立しないことを、早く知ってほしい。

自然発生的に起こる「子持ち様」と「おひとり様」の論争は、全員が選択しなかった人生への想像力を持つことで解決できる。

問題なのは、この争いの外にいるはずの不確定要素が混ざってきた場合。

わたしは、この不確定要素に毎日悩まされている。

上司が育児中パパの職場で起こること

育児中のパパである上司は、自分の家にいる子持ち様(=妻)を知っている。

ゆえに、どうしても子持ち様側への配慮が強くなる。

すると、「想像力がない子持ち様」をあっという間にモンスターにしてしまう。

実際にわたしの職場は、育児中パパ上司のせいで問題は悪化中。

同僚の子持ち様には恨みはないが、育児中のパパである上司から「子持ち様のフォローをもっとしてほしい」、「子持ち様の代わりに残業をしろ」といった圧力を受けている。

先日も会社の面談で他者フォローが増えていることによる業務量調整の相談をしたら、「物理的な残業量が36協定の上限である45時間/週に達しているわけではないので、もっと無理をしてもらわないと困る」と言われ、呆然としてしまったばかりだ。

これって、正直、パワハラぎりぎりなんじゃないの?

お金は想像力不足を解決できるのか?

「子持ち様」と「おひとり様」の論争を止めることができるのは、育児中パパ上司ではない。

止められるとしたら、それは仕組みだ。

国は、この「子持ち様」と「おひとり様」の論争を止める方法のひとつとして、助成金制度を構築している。

両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)
=育児休業取得者や育児のための短時間勤務制度利用者の業務を代替する周囲の労働者への手当支給等の取組や、育児休業取得者の代替要員の新規雇用を行った場合に助成するもの。

お金はすごい。

力のバランスを正常化する力がある。

令和5年度補正予算により新設されたこの助成金制度は、まだ運用が始まったばかり。

まだ、実際のところどこまで機能するか、正確な分析データは出ておらず、まだまだその効果は未知数だ。

でも、個人的には強く思う。

どうかどうか、「子持ち様」と「おひとり様」の論争に終止符が打たれますように。

そして、どうかわたしの個人的な罪悪感をえぐる「子持ち様問題」がこれ以上大きくなりませんように。

そう、この問題は。

申し訳ないけど、やっぱり、ちょっと遠くでやってほしい。

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