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ヤマト2199の「中」の話

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「宇宙戦艦ヤマト2199」の『note』です。制作中の裏ばなしや、メイキングの話をお届けしています。全文無料です。
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2014年7月の記事一覧

第16回:あの日のユキカゼの真実と、伝えられなかったその言葉

第16回:あの日のユキカゼの真実と、伝えられなかったその言葉

「宇宙戦艦ヤマト2199」第17話では、真田志郎と古代守が、話をします。ヤマトが地球を飛び立つずっと前、守が冥王星へと出撃する直前のことでした。艦長として座乗するユキカゼの前で、けっして絶望しない気持ちを、守は親友に告げます。その決意を否定も肯定もしないまま、真田は中原中也の詩集をポケットから取り出します。

ふたりの背後に映りこんでいるユキカゼの着陸脚は、まるで写真のようにリアルな金属の質感を

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第15回:「ビーメラ星」で開花する、彼と彼女の意外な側面

第15回:「ビーメラ星」で開花する、彼と彼女の意外な側面

「宇宙戦艦ヤマト2199」第16話では、地球に近い環境の惑星・ビーメラ4へ、コスモシーガルが調査に向かいます。操縦席には古代、平田主計長、岬百合亜、それからAU09ことアナライザー。古代は、いつもよりどこか元気のない岬百合亜のことを気遣っています。このあいだ100式のなかで、同じ船務科の女子と会話していたときとはずいぶんちがう、紳士的な古代です。

コスモシーガルの操縦席は、線のなかがパッキリと

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第14回:失われたツインテールと、オレンジ色の違和感

第14回:失われたツインテールと、オレンジ色の違和感

「宇宙戦艦ヤマト2199」第15話では、食堂で、岬百合亜と真田が波動エンジンの理論について、活発な議論を交わします。おそろしくムズカシイ話の応酬に、周囲の男たちは目をシロクロさせるばかり。岬百合亜が完璧な科学理論を口にする。あるいは真田さんが女子と高めのテンションで会話する。どこを切っても、通常ではありえない事態が起きていました。

この場面のすこし前、岬百合亜は波動砲制御室を訪れています。これ

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『note』で「宇宙戦艦ヤマト2199 原画展」をお手伝いしています。

『note』で「宇宙戦艦ヤマト2199 原画展」をお手伝いしています。

7月16日から「宇宙戦艦ヤマト2199原画展」が、埼玉県の熊谷八木橋8階、カトレアホール会場で始まります。デザイン画や修正原画、原図など、さまざまな種類の「原画」が並ぶ展覧会の、2度目の開催となります。

縁あって、こんどの会場では、『note』でお届けしている『ヤマト2199の「中」の話』も、ほんの少しだけ、展示のお手伝いをさせていただくことになりました。会場に展示されるとある原画素材の、横か下

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第13回:古代vs魔女、「設計図」が導くその戦いの行方

第13回:古代vs魔女、「設計図」が導くその戦いの行方

「宇宙戦艦ヤマト2199」第14話で、古代進と森雪は、100式空間偵察機のなかで、うれしはずかしい会話を繰り広げます。その通話内容は第一艦橋にダダもれに。男子生徒と委員長のような、あるいはトレンディドラマの主人公とヒロインのような言葉の応酬が、クルーたちを和ませます。徳川はほのぼのとした顔を、南部はサツバツとした顔をしています。誰ひとり予期していなかった種類の攻撃を受ける直前の、ささやかな日常の風

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第12回:〈名将〉ドメル、その名を支える8つの「脚」

第12回:〈名将〉ドメル、その名を支える8つの「脚」

「宇宙戦艦ヤマト2199」第13話では、ドメルが銀河方面作戦司令長官として、バラン鎮守府に赴任します。ゲール(元・銀河方面作戦司令長官)は、ドメラーズⅢ世から降り立ったドメルの肉体をその目にします。立派なマントのついた、立派な軍服を着込んだゲールよりもずっと薄着であるはずなのに、はるかに迫力のある立ち姿が、そこにはありました。

ドメルの背後には、緑色の巨大な構造物がうつりこんでいます。まるで

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